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次期アメリカ大統領を狙う政治家が「大手プロバイダーを解体してインターネットを公共サービスにする」計画を打ち出す

by Fotocitizen

2020年アメリカ合衆国大統領選挙への出馬を表明しているバーニー・サンダース上院議員が、「ブロードバンドのインターネット料金を規制して、すべての人々が手ごろな価格の高速インターネットを利用できるようにします」との公約を発表しました。

High-Speed Internet for All
https://berniesanders.com/issues/high-speed-internet-all/

Bernie Sanders vows to break up huge ISPs and regulate broadband prices | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2019/12/bernie-sanders-vows-to-break-up-huge-isps-and-regulate-broadband-prices/

Bernie Sanders releases broadband plan, targets Comcast, AT&T, Verizon
https://www.cnbc.com/2019/12/06/bernie-sanders-releases-broadband-plan-targets-comcast-att-verizon.html

バーモント州選出の上院議員であるサンダース氏は、2019年2月に2020年アメリカ合衆国大統領選挙への出馬を表明し、民主党候補としてトランプ大統領を打倒することを宣言しました。サンダース氏は2016年のアメリカ合衆国大統領民主党予備選挙でもヒラリー・クリントン氏と民主党の指名争いを繰り広げており、これで2度目の挑戦となります。

by Shelly Prevost

2020年の大統領選をにらんだサンダース氏は、公式サイトで「全ての人にユニバーサル高速ブロードバンドインターネットを提供します」と発表しました。サンダース氏によると、アメリカ人の約31%がブロードバンド通信を使用できていないとのこと。サンダース氏は「ComcastAT&TVerizonなどの通信大手によって構成されている独占的なコングロマリットが料金をつり上げているのが主な原因です」と非難。自身がアメリカ大統領となった暁には、インターネットプロバイダーによるブロードバンドサービス料金に上限規制を設けるとともに、大手プロバイダーを解体してブロードバンド市場の独占状態を解消すると確約しました。

技術系サイトArs Technicaは、「たとえアメリカ大統領であっても、企業を解散する命令を出すのは容易ではありません。しかし、もし大統領になれば、サンダース氏は大手プロバイダーを相手に独占禁止法訴訟を提議する可能性が高い司法長官を指名できます」と指摘し、サンダース氏の公約は単なる夢物語ではないとの見方を示しました。


サンダース氏の「ユニバーサル高速ブロードバンドインターネット構想」には、グリーン・ニューディールを通じた1500億ドル(約16兆2843億円)規模の投資により、公共のブロードバンドインフラを構築する計画も含まれています。サンダース氏は「フランクリン・ルーズベルト大統領は『全家庭に電力を供給する』と約束し、当時は農村部の90%の家庭に電気が届いていなかったにもかかわらず、10年でそれを成し遂げました」と述べて、自身の計画をルーズベルト大統領の功績になぞらえました。

アメリカのテレビ局CNBCは、解体すると名指しにされたComcast・AT&T・Verizonにコメントを求めましたが、記事作成時点で回答はないとのことです。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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