起業して成功したハッカーが選ぶ「必ず読むべき一般書籍」19選
By Good-start
小規模な独立企業を設立して成功したハッカーたちが、それぞれ「成功に欠かせなかった本」を発表しています。ハッカーたちが挙げているのは専門的な技術書ではなく、一般的な成功哲学や人生哲学などの書籍となっています。
What are the most indispensable books for indie hackers?
https://www.indiehackers.com/post/what-are-the-most-indispensable-books-for-indie-hackers-e2ec3a13e9
◆1:Ernest Hemingway On Writing by Larry W. Phillips
StoremapperとEarnest Capitalを興したTyler Tringas氏が勧めるのは「日はまた昇る」「老人と海」などで有名なノーベル賞作家アーネスト・ヘミングウェイの創作技法をまとめたLarry W. Phillipsの「Ernest Hemingway On Writing」。Tringas氏はこの本を選んだ理由として、「優れたソフトウェア製品と企業を構築してハッカーとして独立した人間になることと、小説を書いてプロの作家になることの間には共通項が多数あります。私が一番好きなアドバイスは、『やる気になったら止める』というものです。小説も企業運営も意欲を長期間にわたって持続させなくてはなりません。モチベーションを保つ方法の1つとして、『次に何をすべきか完全に把握している状態になったら、その日の仕事は終えて遊びに行く』ということを心がけると、翌日に仕事を始めるときに『今日は何をすべきなんだろう?』と悩む必要がなくなります」と述べています。
Amazon | Ernest Hemingway on Writing | Larry W. Phillips | Words & Language
Tringas氏が「Ernest Hemingway On Writing」から学んだことを書き留めたメモは以下から読むことができます。
Hemingway on Coding - Personal Growth - Medium
https://medium.com/personal-growth/hemingway-on-coding-3cffc43c61e
◆2:やりとげる力 by スティーヴン プレスフィールド
Baremetricsの創設者Josh Pigford氏が勧めるのは、芸術家・起業家・アスリートなどが創造的な壁にぶち当たったときのストーリーを多数収録した「やりとげる力」という本。Pigford氏はBaremetricsの設立当初について「重要なことを先延ばしにして、重要でないことに焦点を合わせていました。私は成し遂げられるはずの成功を自分で妨害していたことに気づいたのです」と述べ、やりとげる力について「人間の不注意さや仕事における不注意を乗り越える方法について多くのことが書かれており、プロジェクトの成功について重要なことだけではなく、自分自身について重要なことも教えてくれる一冊です」と語っています。
やりとげる力 | スティーヴン プレスフィールド, Steven Pressfield, 宇佐 和通 |本 | 通販 | Amazon
Pigford氏は、イギリスの著名な小説家サマセット・モームが自身の創作手法に関して「私はインスピレーションが湧いたときだけに書きます。しかし、幸いなことに、毎朝9時ピッタリに創作意欲が湧き出してくるのです」と語ったというThe War of Artに掲載されているエピソードの1つを引き合いに出して、「仕事をしたくない日があったとしても、仕事をするという習慣をかたくなに守れば、意欲が湧き出してくるようになります」と述べています。
◆3:トラクション ―スタートアップが顧客をつかむ19のチャネル by ガブリエル・ワインバーグ
「トラクション」は、aaS SaaS PegasusとPlace Card Meという2つのアプリを作り上げたCory Zue氏と、Blue Tickの創立者で、MicroConfの共同創立者でもあるMike Taber氏の2人が勧めた本です。トラクションは、製品の魅力を高めるためのさまざまな実践的な戦略を簡潔かつ明瞭に示す本で、戦略を提供するだけではなく、実行する際の具体的なフレームワークも記載されている点がポイントとのこと。
トラクション ―スタートアップが顧客をつかむ19のチャネル | ガブリエル・ワインバーグ, ジャスティン・メアーズ, 和田 祐一郎 |本 | 通販 | Amazon
Zue氏はトラクションから学んだ最大のこととして、「製品の構築とマーケティングには50%ずつ時間を掛けなければならない」ということを挙げています。Zue氏によると、多くの開発者が、「製品の構築に時間を掛けてマーケティングをないがしろにする」という過ちを犯しているとのこと。Zue氏は「50%ずつ時間を掛けるということを目標にした結果、計画を推進する際により多くの思考とエネルギーを掛けるようになった」と述べています。Taber氏は、「スタートアップが失敗する最大の理由は、サービス開始時から顧客がつかないというものです。トラクションはスタートアップの魅力を高め、顧客を獲得することにつなげる戦略を1ダース以上も提示してくれます。トラクションは、『どこから始めるべきか』ということを示し、最初の一歩を踏み出すための実用的なアドバイスをしてくれます」と語っていました。
◆4:人を動かす - D・カーネギー
Hello Web BooksとWedding Lovelyを立ち上げたTracy Osborn氏が勧めたのは自己啓発本の開祖ともいわれるデール・カーネギーの著した「人を動かす」。この本は、友人を獲得する方法や、人々に与える影響を解説する作品で、Osborn氏は「自分の発言に対する潜在的な反応について多くのことを考えるようになりますし、自分の発言に対する反応を予測することに役立ちます。この本を読むと、『効率的な質問の方法』を学ぶことができます」と述べています。
Amazon.co.jp: 人を動かす 文庫版 eBook: D・カーネギー, 山口 博: Kindleストア
◆5:反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方 by ナシーム・ニコラス・タレブ
Growth Machineの設立者Nat Eliason氏は、Sunday Timesが「第二次世界大戦以来最も影響を持つ本12冊」に挙げた「ブラック・スワン」で有名なナシーム・ニコラス・タレブの「反脆弱性」を挙げました。Eliason氏は反脆弱性について、「多くのスタートアップにおいて重要なことは、予期せぬ弱点を見つけ出すことです。この本は、自分のビジネスに関する弱点を探るのに役に立ちます」と述べています。
反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方 | ナシーム・ニコラス・タレブ, 望月 衛, 千葉 敏生 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon
反脆弱性についてEliason氏が記した読書メモは以下から読むことができます。
Antifragile by Nassim Taleb: Summary, Notes, and Lessons - Nat Eliason
https://www.nateliason.com/notes/antifragile
◆6:スケーリング・アップ by ヴァーン・ハーニッシュ
Meet Edgarを興したLaura Roeder氏がお勧めする「スケーリング・アップ」は、「ビジネスの教科書」ともいえる本だとのこと。Roeder氏は「会議の頻度、会議の内容、チームを構成する方法、目標を立てる方法などさまざまなことが記載されています。私は起業してから10年以上も経過しましたが、スケーリング・アップにはビジネスを成功させる基礎が書かれています」とコメントしています。
スケーリング・アップ | |本 | 通販 | Amazon
◆7:ピクサー流 創造するちから by エドウィン・キャットマル
Tettraを作り上げたNelson Joyce氏は、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオとピクサー・アニメーション・スタジオの前社長エドウィン・キャットマルが共著者の「ピクサー流 創造するちから」を挙げました。Joyce氏はこの本について、「プロジェクトが成功した際に、多数の要素から『何が成功の主要因だったのか』をより分けることは困難です。エドウィン・キャットマルはスタジオを毎回ゼロから立ち上げており、全ての映画のスタートは困難なものでした。しかし、絶え間ない改善を通して困難な状況を克服する様子が描かれています」と語っています。
Amazon.co.jp: ピクサー流 創造するちから eBook: Ed Catmull, Amy Wallace, 石原 薫: Kindleストア
◆8:GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代 by アダム・グラント
EunoiaとFeMake、そしてnomad(hubb)を作ったSteph Smith氏は「Give and Take」を推薦。人間を「ギバー(人に惜しみなく与える人)」「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」「マッチャー(損得のバランスを考える人)」の3種類に分類して分析した結果、「どんな業界でも最も成功したリーダーは『ギバー』」という結論に至るまでの議論が書かれた本です。
Smith氏は、「私に長いスパンで物事を考えるように導いてくれる本です」と述べています。
Amazon.co.jp: GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代 三笠書房 電子書籍 eBook: アダム・グラント, 楠木 建: Kindleストア
Smith氏のお気に入りの本の一覧は、以下で確認できます。
Steph | Smith
https://stephsmith.io/books
◆9:Four Steps to the Epiphany by Steve Blank
起業家というものが存在しないような保守的な街で育ったというZapierの創立者Wade Foster氏は「Four Steps to the Epiphany」について、「起業家精神についての考え方を完全に変えた本」と称賛します。「Four Steps to the Epiphanyは、ビジネスの基盤となるアイデアを検討するためのフレームワークを教えてくれます。起業について挑戦し、試してみることに自信を持てるようになったのはこの本のおかげです」とのことです。
Amazon | The Four Steps to the Epiphany: Successful Strategies for Products That Win | Steve Blank | Marketing
◆10:7つの習慣 by スティーブン・R・コヴィー
成功哲学や人生哲学、自助努力に関する古典的な傑作「7つの習慣」を挙げたのは、Salem Softwareを立ち上げたTrevor McKendrick氏。「あなたはあなた自身の人生の著者であるということを教えるこの本は、可能な限りベストな人生を作り上げる方法について語っている」とのこと。Mckendrick氏は、この本について、「人生で重要なことは、生まれたときの状況や死ぬときの状況ではなく、『与えられたカードで何をするか』だということを思い出させてくれます。起業家に重要なことは、『現実に変えることのできるもののみを考えるべき』だということです。起業家はコントロール不可能な物事について集中してしまいがちですが、コントロール可能なものについて集中することによって、成功する確率を劇的に改善することが可能ですし、その上、人生を幸せなものに変えられます」と語っています。
完訳 7つの習慣 人格主義の回復 | スティーブン・R・コヴィー, フランクリン・コヴィー・ジャパン | ビジネススキル | Kindleストア | Amazon
◆11:はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術 by マイケル・E. ガーバー
Ministry of Testingを立ち上げたRosie Sherry氏が挙げた本は「はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術」。フランチャイズにおけるアイデアに焦点を当てた本で、プロセスと人員を適切に配置すれば、プロジェクトが自動で進むということを解説しているとのこと。この本を読むことで、「自分が何かするたびに、『自分がいなければどのように動くか』について考えるようになりました。具体的には『何をすべきか?』『誰を雇い入れるべきか?』『どのプロセスについてログを取るべきか?』『もし私の代わりに誰かがこの仕事をこなすならば、どのくらい支払うべきなのか?』などです」とSherry氏は述べています。
はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術 | マイケル・E. ガーバー, Michael E. Gerber, 原田 喜浩 |本 | 通販 | Amazon
◆12:Reboot by Jerry Colonna
PJRVSの創立者Paul Jarvis氏は「Reboot」について、「優れたリーダーになるには、自分自身をより良く理解する必要があります。仕事の多くは人間関係に関するものです。人間関係を操縦する方法を学ぶことは、最終的にはより良い仕事につながります。Rebootは実践と東洋哲学をミックスした本物の一冊です」と語っています。
Amazon | Reboot: Leadership and the Art of Growing Up (English Edition) [Kindle edition] by Jerry Colonna | Business Management | Kindleストア
◆13:Badass by Kathy Sierra
Freckle Time Trackingの創立者でもあり、30x500の共同設立者でもあるAmy Hoy氏が勧めたのは、ゲーム開発者兼ブロガーのKathy Sierra氏が著した「Badass」。Badassは、「人を理解し、人に仕え、人をよりよくしてあげる実践的な方法」について書かれているそうです。
Amazon.co.jp: Badass: Making Users Awesome (English Edition) 電子書籍: Kathy Sierra: Kindleストア
BadassはKathy Sierra氏のブログ「Creating Passionate Users」をまとめた本とのこと。Creating Passionate Usersはオンラインで公開されています。
Creating Passionate Users
https://headrush.typepad.com/
◆14:Authority by Nathan Barry
Tailwind CSSとFull Stack RadioをスタートさせたAdam Wathan氏が勧める本は、「Authority」。本を書きたい人や、講座を立ち上げたい人にお勧めとのこと。「著者であるNathan Barryのポッドキャストエピソードやインタビューなどの仕事なしでは、私が今のように200万ドル(約2億1000万円)以上を稼ぐフルタイムのクリエイターになることは不可能でした。このAuthorityは、最初の製品をリリースする際に、顧客を得る方法に関して教えてくれる、絶対にチェックするべき一冊です」とWathan氏は語りました。
Authority: Become an Expert Build a Following and Gain Financial Independence | Nathan Barry |本 | 通販 | Amazon
◆15:Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール by ニール・エヤル
Indie Hackersの創立者Courtland Allen氏は、「Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール」を推薦。Allen氏は、「この本の本質は、投資家が喜んで何度も投資するような製品を作るためのモデル作成にあります。新奇性、習慣形成、人間関係などに関する心理学的な研究に基づいており、B2C製品に携わる全ての人にお勧めです」と述べています。
Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール | Nir Eyal, Ryan Hoover, 金山 裕樹, 高橋 雄介, 山田 案稜, TNB編集部 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon
◆16:最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術 by マーク・ゴールストン
30x500の共同設立者Hill Alex Hillman氏は、FBIの人質交渉専門家の訓練担当官を務めた臨床精神科医のマーク・ゴールストン氏が記した「最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術(原題:Just Listen)」を挙げました。Hillman氏は「『絶対にイヤからオーケー』に気持ちが変化するまでの例示や、生理学的な観点からの解説が多数掲載されています。この本のフレームワークとテクニックを使用して、何かに対する自分の反応を確認して、明確な判断を下すために役立ちます。それによって得たスキルは、販売、顧客サポート、管理、リーダーシップだけでなく、自分自身の精神的な質の向上や他人の理解につながっています」と語っています。
最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術 | マーク・ゴールストン, 青木 高夫 |本 | 通販 | Amazon
◆17:「週4時間」だけ働く。 by ティモシー・フェリス
Barn2 Mediaを共同で立ち上げたKatie Keith氏が選んだのは、「週4時間」だけ働く。。この本はは「ライフスタイルにあったビジネスを選ぶべき」と教えてくれたとのことで、Keith氏はサービスを提供するタイプの事業から製品を販売する事業に切り替えたとのこと。Keith氏がこの本から学んだもう1つのこととは、「社屋に通勤する」という従来的なビジネス像に従う必要はないということだそうです。Keith氏は現在、リモートワークで働く社員を世界中から雇っているとのこと。
「週4時間」だけ働く。 | ティモシー・フェリス, 田中じゅん |本 | 通販 | Amazon
◆18:グロースハッカー by ライアン・ホリデイ
Pupulumを立ち上げたGunhee Park氏が勧めるのは、「グロースハッカー」という本。Park氏はグロースハッカーから、「会社が成長力を失っている場合、販売とマーケティング部門に投資すべきです。ユーザーがサービスの使用をやめられないというまで、サービス自体の満足度を向上させる必要があります」と引用を挙げています。
グロースハッカー 第2版 | ライアン ホリデイ, 佐藤 由紀子, 加藤 恭輔(解説) | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon
◆19:本物の大富豪が教える金持ちになるためのすべて by フェリックス・デニス
Park.ioの創立者Mile Carson氏は、「本物の大富豪が教える金持ちになるためのすべて」という本をピックアップ。Carson氏は「本物の大富豪が教える金持ちになるためのすべては、そのタイトル通り私が金持ちになるのに役だった本です。著者はスティーブ・ジョブズがAppleをダメにするなど多数の予測において間違っていましたが、私にとって一番役立ったのは、『株を他人に与えない』という概念です。その概念によって、私に『この会社は完全に私のもので、100%の責任を負わなくてはならない』という自覚が生まれ、懸命に業務に打ち込むようになりました」と述べています。
本物の大富豪が教える金持ちになるためのすべて | フェリックス デニス, 井口 耕二 |本 | 通販 | Amazon
・関連記事
パーソナルコンピュータの父アラン・ケイが選ぶ「プログラマー必読の古典本」とは? - GIGAZINE
「この夏読むべき5冊の本」をビル・ゲイツが発表 - GIGAZINE
ビル・ゲイツが「自分の考えを見直すきっかけになった」と話す5冊の本 - GIGAZINE
オバマ元大統領が2018年夏に読んだオススメの書物5選 - GIGAZINE
投資の神様ウォーレン・バフェットが挙げる「21冊の必読書」 - GIGAZINE
世界に影響を与えた100冊の本&文書をリスト化するとこんな感じ - GIGAZINE
・関連コンテンツ