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仕事中に作業が中断されることは時にポジティブな感情をもたらすと判明

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別の仕事を頼まれたりスマートフォンやチャットで話題を振られたりして作業の進行を妨げられた時、人は迷惑や不安などのネガティブな感情を抱き、ストレスを受けると考えられていました。しかし、「人は仕事を中断させられても、ポジティブに受け止める時がある」ことを示す調査結果が報告されています。

People are increasingly interrupted at work, but it's not all bad
https://theconversation.com/people-are-increasingly-interrupted-at-work-but-its-not-all-bad-124058


マサチューセッツ大学ローウェル校のエラナ・フェルドマン准教授が率いる研究チームは、複数の業界で働く35人の被験者を対象に、1日を通じて仕事が中断された時の状況を調査しました。被験者は全員フルタイムで働いていて、仕事の一部としてスマートフォンやPCなどの電子機器を定期的に使っていました。

研究チームは、仕事が中断したタイミングや、どれぐらい仕事が中断したのか、その時に感情がどのように変化したかなどを被験者に詳しく記録させました。また、調査を行った次の日、研究チームは被験者に聞き取りを行い、中断した仕事の内容や、中断した時に何を行っていたのかを調べました。

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調査の結果、合計で256件の中断が記録されたとのこと。そのうち30%は興奮や幸福といったポジティブな感情に関連していました。また、被験者の75%以上が少なくとも1回は、仕事を中断することでポジティブな感情を覚えたことが判明しました。

フェルドマン准教授によると、適切なタイミングで仕事が中断されるとポジティブな感情を受ける可能性が高いとのこと。適切なタイミングとは、「別の作業に深く集中していない場合」「作業の進行を止めて休憩する必要がある場合」など、精神的負荷によって決まることが2005年の研究で指摘されていました。

フェルドマン准教授は、「西洋文化に生きる人の多くが『時間は限られた貴重な商品である』と考えています」と指摘し、「仕事の中断に対して時間的価値を見いだすことができれば仕事の中断をポジティブに受け止める可能性が高くなります」と述べました。なお、仕事の中断時間が短いとポジティブな感情がもたらされる傾向があるそうです。

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また、タイミングだけではなく、「誰によって中断させられたか」という人間関係も感情に大きな影響を与えるとフェルドマン准教授は論じています。自分の作業を止めた人物に対して好意を抱いていると、適切ではないタイミングで中断しても、ポジティブに受け止める可能性があるとのこと。逆に嫌悪する人物や敬意を抱いていない人物によって仕事が中断されると、ネガティブな感情が引き起こされる可能性が高くなります。

フェルドマン准教授は、今回の研究結果を応用すれば、組織的な研修プログラムでは社員に『いつ、どのように、なぜ他人の仕事を中断するのか』ということにもっと注意を払うよう教えることができるようになると主張。「管理職に就く人は、作業中の部下の手を健全に止める方法をモデル化することができます。価値ある仕事のために中断を保留したり、同じ仕事をしている部下にポジティブなフィードバックを提供したりすれば、仕事場の空気も徐々に変わっていくことでしょう」と述べました。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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