リモートワークを行う場合どのような点に注意すれば良いのか?
リモートワークを導入した、もしくは導入を検討している人たちが意見を出し合ってリモートワークの指針を作成し、「Remote only」というサイトで公開しています。
Remote only
https://www.remoteonly.org/
・マニフェスト
「リモートワークをするならこうするべき」という点は以下の通り。
1. 周囲の人ではなく世界中の人を雇う
2. いつ働くかを固定せず、柔軟に決定する
3. 口頭ではなく、テキストでやりとりを行うことで知見を残す
4. 働きながら学ぶのではなく、手順が文字で記載されている
5. 情報は広く公開する
6. 全てのドキュメントを誰でも変更できるようにする
7. 同期的ではなく非同期的なコミュニケーションを行う
8. 労働時間ではなく成果で評価する
9. コミュニケーションの方法が定まっている
・実践におけるヒント
1. 労働者はいつ働いているかを伝える必要がない
2. 長時間労働や週末労働は推奨されないし、したからといって偉いわけでもない
3. タスクはホワイトボードではなくスクリーンショットを使用して管理し、誰がいつみても全体の流れがわかるようにする
4. 仕事に関係ない雑談を推奨する
5. ボンディング(心の触れ合い)を強めるためにグループビデオ通話を行う
6. ビデオ通話を推奨する(特に入社当初)
7. 定期的な全社会議を行い、懇親会などで業務では関わらない社員同士がお互いを知り合えるようにする
8. 「ありがとう」を伝えやすい環境を作る
9. 新人にバディを割り当てることで新人が相談しやすくなる
10.全社員が全てのドキュメントを閲覧・編集できるようにする
11.全てのドキュメントは常に下書きなので未完成でもさっさと共有してしまう
12.情報を書き残しやすいようにしておく
・リモートワークは「何ではない」のか
1. 複数人が働く「メインオフィス」や「本部」は存在しない
2. リモートは「個別に働く」ことを意味するのではなく、コミュニケーションを綿密にとったり一緒に働いたりする
3. 仕事を海外にアウトソーシングするのではなく、世界中から人を雇う
4. マネージメントが不要になる訳ではなく、組織には元来の階層構造が必要だが、インプットではなくアウトプットに注力している
5. それぞれの交流がなくなったりするわけではなく、まだ協力したり会話したりしてチームの一員であると感じる必要がある
・リモートワークによって組織はどう変わるのか
1. 知識が口伝ではなく書き残されるようになる
2. より非同期的なコミュニケーションが増える
3. 会議が短くなり、回数も減る
4. 組織の内外を見通しやすくなる
5. 基本的に全てのものが公開されるようになる
6. 非公式ではない、公式のコミュニケーションが増える
7. 記録として残るものが増えることで、他からの作業の割込やOJTを減らせる
・従業員のメリット
1. 日々の暮らしに柔軟性を持たせることができる
2. 通勤にかかる時間やストレスがなくなる
3. 通勤にかかる費用も浮かせることができる
4. 仕事が中断されるストレスを減らせる
5. 休暇を取らなくても旅行できる
6. 自由に引越ができる
7. ちょっと付き合いづらい同僚ともリモートワークならコミュニケーションが取りやすいという人もいる
8. 入社時の手ほどきがあまりストレスを与えない
9. 家で食事できるので安くて良いものを食べられる
10.国によっては税金が安い
・企業のメリット
1. 「どこに住んでいるか」に縛られずに優秀な人を採用できる
2. 気を散らすものが少ないので従業員がより効率的になる
3. 従業員の会社への忠誠心が高まる
4. オフィスの家賃が不要
5. 賃金が低い地域で雇うと賃金の節約になる
6. 自発的に行動できる人を選択できる
7. 会社を急速に大きくできる
8. 結果に焦点を当てるように推奨することで会議が減り、より多くのアウトプットを得られる
9. 国によっては税金が安い
・世界全体のメリット
1. 通勤がなくなるので環境への影響が減る
2. オフィススペースが節約できるので環境に優しい
3.給料の良い仕事を賃金の低い地域にもたらすので格差が減る
・リモートワークのデメリット
1. 投資家を怖がらせる
2. パートナーが怖がる場合もある
3. 一部の顧客を怖がらせる
4. 一部の潜在的な従業員、特に非技術上級職の雇用者を怖がらせる
5. 入社の手ほどきがより困難になり、新入社員が入社1カ月目に孤独を感じる可能性がある
6. 睡眠をとったり映画をみたりするのと同じ場所で仕事をするのが難しいと感じる人もいる
7. 一部の人のコミュニケーションスキルを下げてしまう
8. 食事を用意する必要がある
・なぜリモートワークが可能になったのか
1. どこからでも高速なインターネットに接続できる
2. ビデオ通話可能なソフトウェアがある(Google ハングアウトやZoomなど)
3. 全ての人がスマートフォンという名のコンピューターをポケットに入れている
4. チャットツールの進歩(SlackやMattermost)
5. タスク管理ツールが優秀(TrelloやGitHub issues、GitLab issues)
6. 提案が来る(GitHub Pull RequestsやGitLab Merge Requests)
7. 静的ウェブページ(GitHub PagesやGitLab Pages)
8. 多くの人が英語を学んでいる
9. 都市の交通渋滞が増えている
「Remote Only」によれば、「リモートな組織の考え方はまだかなり新しいもので、皆さんの参加を通してより良く発展していく」とのことです。
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