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リモートワーク環境を実り多きものにするためのポイントをまとめたガイドブックをTrelloが公開


自宅など会社以外の場所をオフィスとして利用して仕事をする「リモートワーク」の活用が広がりを見せていますが、導入を検討していてもまだまだ慣れない環境であることや、必要なツールやノウハウの不足が原因でうまく導入に踏み切れないという人や会社も多いはず。そんな人のために、チームにおけるタスク管理ツールを提供しているTrelloが重要なポイントや使えるツールを解説するガイドブック「How to Embrace Remote Work」を無料で公開しました。

The Best Advice For Remote Work Success From 10 Global Teams [Free Guide]
https://blog.trello.com/remote-work-team-success-guide

(PDF)Trello-Embrace-Remote-Work-Ultimate-Guide.pdf


「リモートワーク」と聞いて多くの人が思い浮かべるのが「我が社のシステムでは機能しない」「理論的には優れているけど、リモートで働いている人は会議に来られず、全ての情報を共有できない」「サボってるんじゃないか」といった不安や、「いちど試してみたが、あまりうまくいかず、リモートで働いていた人は皆辞めてしまった」といった失敗事例です。しかしTrelloにいわせると、そのような心配や事例は「思い込み」やプロセスの失敗によって引き起こされているものであり、リモートワークに適した社内環境を築き上げることでうまく導入することができるとのこと。


◆神話その1:「リモートワーカーはサボる」
リモートワークにまつわる「神話」の一つが「リモートワーカーは怠け者」だというもの。確かに、周りの目が届かない環境にいる人に対しては「ちゃんと仕事してるんだろうか」という心配が疑いに変わることもあります。しかし、どのような環境であれマネジメント側が明確な目標と締め切りを与えていなければ、人は怠惰になってしまうことがあるもの。きちんとした仕事を行ったことを評価する環境があれば、人はどこにいても生産的になれる、としています。ここでは、完全リモート環境でBufferの仕事を行っているHailley Griffisさんの言葉、「ベッドに入ったまま仕事しない」が挙げられています。


◆神話その2:「きちんと仕事していることを連絡してくるかどうかは、その人次第」
リモート環境で仕事をしている側の心情としては、「ちゃんと働いていますよ」ということを伝えるためにアピールしなければならないという強迫観念にとらわれることも。そのような気持ちを持つことで、本来は必要ない不安な気持ちにさいなまれ、落ち着いて仕事ができない環境ができあがってしまいます。これは「リモートワーカーは普通の人とは違う」という思い込みによって生まれている弊害であり、今後リモートワークが社内で一般化すれば徐々に解消されることになるはず。


◆神話その3:「リモートワーク=社内文化の破壊」という思い込み
リモートワークに否定的な人が挙げるものの1つが「チーム意識がなくなってしまうではないか」という心配とのこと。たしかに、廊下ですれ違ったり、給湯室で顔を合わしたりした時の立ち話はできなくなるかもしれませんが、きちんと整えられた環境があればリモート環境でもそのようなコミュニケーションは確保されるとのこと。ビデオ会議を活用してチーム全体が顔を合わせるのと同じ環境を用意することで、従来と同じようなチームの連帯感を持つことは可能であるとしています。


◆神話その4:「リモートワーカーは何時でも連絡が取れる」という思い込み
自宅などが仕事場になっているリモートワーカーに対しては、「家にいるんだから、いつ連絡してもすぐに対応できるはず」という決めつけにも近い思い込みが多くの場合で見受けられます。しかしこれは実際には必ずしも正解ではないとのこと。リモートワークで成功している事例の多くでは、勤務時間を明確に区切ることを徹底しているといいます。そうすることでリモートワーカーは仕事とそれ以外の時間を明確に区別でき、適切なお昼休憩をとることも可能になります。Atlassianでリモートワークを行っているSarah Goff-Dupontさんは、「リモートワークは深く集中して仕事することができますが、それだけ疲労がたまります!そのため、散歩したり、家族に電話をかけたり、ペットの世話をしたりする5分間の休憩を確保してください。金曜日に仕事を終える時に、疲れ果てて何もできなくなるような事態に陥らないように自分自身のケアをしっかりしてください」と記しています。


◆コミュニケーションとコラボレーションについて
リモートワークを取り入れるチームのコミュニケーションには「相手に対する心づかい」と「バーチャルオフィス環境に対する適応」が要求されます。離れた場所どうしでコミュニケーションする場合には、同じ部屋の中にいるときのような「ニュアンス」は相手に伝わりにくいということを念頭におかなければなりません。EvernoteのBeat Buflmann氏は「チームと個人の要望が取り入れられた『行動規範』を定めておくことが重要です。どのような場合にチャットを使うのか?なぜメールを送るのか?電話をかけるのはどんな時か?このような問いに対する答えは、共同で作り上げられ、チーム全体の努力と個人の努力のすりあわせが反映されたものである必要があります」と記しています。


あなたの質問に対する相手の答えが「はい」だけの素っ気ないものだったとしても、それは必ずしも相手が関心を持っていないというわけではありません。自分がオフィスに座って仕事している状況であっても、相手は打ち合わせに急ぐ道中で、長い返事を書いている余裕がないのかもしれません。リモートで働く場合には、相手があらゆる状況にいる可能性を考慮することが重要です。また一方で、相手に対して自分がどのような予定で行動しているか、どのような状況にいるのかを伝えることも重要となってきます。思い込みから生じる疑心暗鬼な状況を作るぐらいなら、少々面倒くさく感じるぐらいの頻繁な状況報告があった方が物事はうまく進みます。


相手に対して情報を発信するタイミングを考える際にも、上記と同じようなことがいえます。一刻を争うような重要な情報を伝える必要があるならば、チャットなどのリアルタイムツールを使うべき。一方、それほど急を要さない情報であるならば、Trelloのようなタスク共有・管理ツールに情報を上げておけば、それぞれが都合の良いタイミングで目を通してもらえるはず。自分が仕事をしているように、相手も仕事の最中であることを考慮し、その時に適したツールを使い分けるのもリモートワークを成功させる重要なポイントです。


◆チャットとビデオ会議を使い分ける時に理解しておく「4つの真実」
相手にコンタクトをとるツールにはそれぞれの特徴があります。このアドバイスの中では、以下の4つの点をよく理解しておく重要性を挙げています。そしてもし、問題が起こった時には、お互いが顔を合わせて話し合えるビデオ会議を活用すべきとも記しています。

1.ツールによっては個人の意図思いやりが見えなくなってしまうことがある。チャットでのやりとりを行う際には、向こう側に自分と同じように感情を持つ人間がいることを忘れないように。
2.建設的なフィードバックを伝えたい時は、ビデオ会議を使って自分の意図が伝わるようにすべき。
3.チャットは声や感情の要素が伝わりにくいので、自分が「議論」だと思っている場合でも相手には「口論」と受け取られている可能性がある。
4.問題が解消されないまま長引くことで、恨みの感情が醸成されることがある。デジタルでのコミュニケーションがまずいものになった場合、誤解と傷ついた感情を生みだすことがある。


◆会議の重要性
近年の風潮では「会議は悪しき習慣」と捉えられることが多いものですが、チーム全体が目的を共有しているのであれば効率的なものになり得ます。Litmusのマーケティング部門バイスプレジデントのJustine Jordan氏は、全員の協力体制を機能させるためのカギとなるルールとして「全員が同じ部屋にいる場合以外は、全ての会議はビデオ会議にすること」とし、ビデオ会議を成功させるためには「全員に性能の良いヘッドセットを支給し、品質の良いインターネット回線を確保すること。また、会議に参加する際のエチケットを取り決め、自分が話していない時はマイクをミュートすることや、必ずカメラは接続された状態にしておくことなどを徹底すること」を挙げています。


また、会議の際には全員が平等に参加し、声を聞いてもらえる環境を作ることが重要。そのためには、会議を行う前に業務とは関係ない話題で場を和ませることも効果的です。場合によっては、簡単なゲームのようなものを取り入れたり、社内のゴシップ話で盛り上がるのも「連帯感」を作り出す上においては効果があります。


会議は、誰か一人が延々と話し続けるような状況に陥ることがありますが、これは避けるべきもの。これを防止するためには、Trelloのようなツールを使って全員が平等で、かつ構造的な環境を作り出す方法があるとのこと。


◆ツールを使いこなすことの重要性
リモートワークを成功させるためには、ツールを使いこなすことが重要です。同僚が目の前に座っているわけではない「バーチャルオフィス」で仕事をうまく回すためには、その状況に自分やチームが適応する必要があります。この文書では、ジャンル別に便利なツールをいくつか紹介しています。


・チャットツール
チャットコミュニケーションのツールとして挙げられているのが、SlackStrideの2つ。Zapierでは、Slackを使うことで透明性の高いコミュニケーションを実現し、リモートワークの成功に役立てているとのこと。


・ビデオ会議ツール
前述のように、チャットに並ぶ重要なツールがビデオ会議ツールとなります。ここで挙げられているのは、Zoomappear.inの2つです。


・協働&進捗把握ツール
プロジェクトやチーム全体の状況を把握し、今やるべきタスクを把握できるようにするためのツールとしては、Trelloが挙げられています。トヨタの「カンバン方式」をベースにしたタスク管理が可能で、タスクの「見える化」ができるのが大きなメリット。


・コミュニケーション&ドキュメンテーションツール
情報の伝達と文書化を行うためのツールとしては、社内向けにはConfluenceが、そして社外向けとしてはGoogle ドキュメントが挙げられています。


◆「リモートチーム」のカルチャーを作るために
スタッフがバラバラになるリモート環境を作る際に懸念されるのが、「チーム文化」がどうなってしまうのかという心配です。従来は1カ所に人が集まることでチームが形成されていましたが、その大前提を覆すリモートワークに不安が募らないわけがありません。リモートチームの文化を作る上で大切なこと、それは「意志があること」だとのこと。共通の関心事を見つけ、有意義な会議を行い、個々人の目線を互いに理解することで、オフィス環境では自然と生じていた文化を創り上げようという気持ちが大事になってきます。強いリモートチームを作るために重要なことは「『全員が従うべきルール』が定められ、社内のスタッフ全員に受け入れられていること」と「全員がコミュニケーションを取り続けられようにするために、健康的な会議システムやイベント、行動を行うこと」が挙げられています。


「全員が従うべきルール」の一例としては、以下の5つが挙げられています。
1.「共感」がすべて:誤解が生じることを防ぎ、前向きな環境を作るためには互いのことを考え合う空気が必要。
2.透明性をもって他者と接する:重要な情報は必ず全員に共有されることを確実にし、チャットのログやビデオ会議の録画を誰にでも見られる状態で公開すること。
3.非同期コミュニケーションを受け入れる:リモート環境にいると相手とは異なるタイムゾーンにいることもあることを理解する。特に、時間ぎりぎりに返事を求めたりすると、望む答えがもらえなかったりする。
4.「構造化」を心がける:仕事を進めるにあたっては、プロセスの確立や構造化を旨とし、会議においては事前にアジェンダを用意する。
5.「それぞれ違うが平等である」という意識を持つ:普段からお互いの顔を合わせないリモート環境の場合、全員が等しく評価される仕組みが重要。


人にそれぞれ外交的な人と内向的な人がいるように、チャットなどのツールが得意な人と不得意な人がいます。また、チームが大きくなりすぎて全員の顔が見えなくなってしまうことも。そんな場合でも、全員がうまくコミュニケーションを行える環境が重要です。そんな時は、会社全体でオープンに情報を共有できるTrelloの「Town Hall」機能の活用や、全スタッフからランダムでペアを作って会話する機会を作ることで風通しを良くする「ミスター・ロジャーズ」と呼ばれる試みを試してみるのが効果的かも。


時には、メンバーが集まって一緒に時間を過ごすことも重要といえます。しかし、従業員全員を旅行に連れて行くのは多くの費用がかかります。そこでTrelloでは、会社全体を休みにして各拠点の社員がビーチに集い、リモートスタッフには幾ばくかのおこづかいを支給するイベントを開催しているとのこと。そして共通のハッシュタグを全員に与え、Trelloのボードにイベントの感想や写真を投稿してもらうことで、次回の「Town Hall」の際に全員でイベントを振り返ることができる仕組みを取り入れているそうです。


そしてガイドブックの最後のページには、実はこの文書は北米大陸の西と東に分かれて住む二人の人物によって作成されたことが記されていました。

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