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業務メールから受けるストレスは「緊急案件ではありません」と書いてあるだけで軽減されるという研究結果


メールはいつでもどこでも連絡を取れるようにする便利なテクノロジーですが、重要なメールの場合は「すぐ返事しなきゃ」とせかされているように感じることがあります。イギリスのロンドン・ビジネス・スクールとアメリカのコーネル大学の共同研究によって、業務メールから受けるストレスは文末に「緊急案件ではないので、対応はいつでも大丈夫です」と書いてあるだけで軽減されるということが明らかになりました。

You don’t need to answer right away! Receivers overestimate how quickly senders expect responses to non-urgent work emails - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0749597821000807

This Simple Fix Can Reduce Everyone's Email Stress, According to a New Study
https://www.sciencealert.com/we-need-to-email-better-to-reduce-stress-in-the-workplace-study-finds

The Curse of Off-Hours Email - WSJ
https://www.wsj.com/articles/the-curse-of-off-hours-email-11633147261

ワーク・ライフ・バランスを整えるためにはキッチリと仕事のオンオフを切り替えることが重要だと言われていますが、「勤務時間外のメール」は仕事とプライベートの境界線を曖昧にします。直近では勤務時間外のメールは驚くほど心身にとって有害だという研究結果も報じられており、ヨーロッパでは勤務時間外にデジタル機器をオフにして仕事の連絡を拒否しても良いという「つながらない権利」が推進されています

勤務時間外のメールは驚くほどに有害だと判明 - GIGAZINE


こうした状況の中、ロンドン・ビジネス・スクールとコーネル大学の共同研究チームが新たに、業務メールの文末に「緊急案件ではないので、対応はいつでも大丈夫です」と記すだけでストレスを軽減できるという研究結果を発表しました。

研究チームは計4004人の被験者をランダムに「送信者」「受信者」という2グループに振り分け、架空の「勤務時間外の業務メール」をやりとりしてもらうという実験を複数回にわたって実施。やりとりされた業務メールに関して、送信者側には「どれだけ早い返信を期待していますか?」と、受信者側には「どれだけ早い返信を期待されていると思いますか?」と質問しました。


その結果、送信者側が期待していた返信時間に比べて、受信側が求められていると考えた返信時間は36%も短いと判明。続く実験では業務メールをやりとりする際の想定シチュエーションなどに手が加えられ、2回目の実験では緊急性がないとわかっているメールでも受信側が早く返信しなければならないと考える傾向が、3回目の実験では勤務時間外のメールならば緊急性があってもなくてもほぼ同様に扱われる傾向があると判明。4回目の実験では受信者側は勤務時間中に送信されたメールも勤務時間外に送信されたメールも同様に扱うという傾向が、5回目の実験では受信側は送信側が想定していたよりも多くのストレスを感じると報告することが明らかになりました。

上記の結果を元に設計された最終試験では、勤務時間外のメールは「すぐに返信しなければ」という気持ちを呼び起こし、ストレスを与えることが確認されましたが、同時に「いつ何をして欲しいか」を明確に記すことでストレスを軽減できることが示されました。


一連の結果から、研究チームは「勤務時間外に送信する業務メールに緊急性がない場合は、『すぐに返信しなくても大丈夫です』と記すことでプレッシャーを軽減できます」と主張。今回の研究結果について、「期待されてないにも関わらず『勤務外でも対応しなければならない』とプレッシャーを感じてしまうような不健康な職場文化を抑制するのに役立ちます」と語っています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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