取材

豪快な花火と職人技が楽しめて多くの感動が味わえる「赤川花火大会」を見てきました


花火大会は、地元のお祭りやイベントで打ち上げられる小規模なものから、観光資源・興業として開催される大規模なものまでさまざまなものがあります。全国各地で開催されている大規模な花火大会の中でも、花火好きの人たちがお勧めする花火大会の1つが赤川花火大会です。いったい、赤川花火大会ではどのような花火が上がるのか実際に行ってみてきました。

赤川花火大会 百華繚乱 ~夜空に重なる一人一人の物語~」
https://akagawahanabi.com/


会場は、山形県鶴岡市赤川河畔 羽黒橋〜三川橋間です。


広大な河川敷一帯が会場となっており、1人用の椅子席から6人用の桟敷席など、さまざまな種類の有料席と無料エリアが用意されています。


18時30分頃の有料席側の様子。


飲食の屋台だけでなく、公式グッズの売り場も人気で順番待ちの列ができていました。


赤川花火大会の公式キャラクター「赤川はなぶう」の関連グッズは売り切れになるほどの人気商品です。


赤川花火大会は、全国デザイン花火競技会という花火競技会と……


オープニングやエンディングなど5つの大型スターマイン(連続打ち上げ)を組み合わせた構成となっていました。


花火開始直前、スタッフが円陣を組んで気勢をあげる姿を目撃。この花火大会への意気込みを感じます。


19時15分、カウントダウンが終わると同時に花火の打ち上げが始まりました。WANIMAの「アゲイン」が流れ一斉に花火が開くと、会場からは「わー」と歓声が上がります。


オーニングを担当したのは、アルプス煙火工業株式会社です。オープニングは、前回のデザイン花火部門で優勝した会社が担当することになっています。


一斉に小花が開く千輪も数が多く、ここでも会場が沸きました。


曲の盛り上がりに合わせて、花火も豪華になっていきます。


最後は一斉に花火を咲かせてオープニングを締めます。このオープニングを見ただけで「この花火大会に来て良かった」と感じさせるくらいの豪華なオープニングでした。「このオープニングを担当したのは、アルプス煙火工業した。皆さん大きな拍手をお送りください」というアナウンスが流れ「この花火の演出はどの花火会社が作ったのか」を観覧客にしっかり伝えます。


赤川花火大会オープニング「赤川花絵巻」は、以下のムービーで確認できます。

オープニング「赤川花絵巻」【赤川花火大会2019】 - YouTube


大型スターマイン・競技大会を6社程・大型スターマイン……という構成でプログラムは続きます。競技大会は、デザイン花火の部と割物花火の部があり、スターマインを競うデザイン花火の部では、幅は小さくなりますが、各花火会社が趣向を凝らしたスターマインを打ち上げます。有限会社安藤煙火店「エール ~春への光~」


割物花火の部では、尺玉を1発ずつ合計2発上げてその玉がうまく開いたかどうか、デザインはどうだったかなどの内容を競います。単純な競技に思えますが、1発の花火の芸術性を追求した職人技が1番堪能できる競技です。新田煙火店「昇り曲導付四重芯変化菊」


5社の競技花火が終わると、続いては株式会社磯谷煙火店によるドラマチック花火「葵の御紋 ~鶴岡参上~」です。「夜空にちりばめられた宝石のような花火と音楽のコラボレーションで心温まるクリスマスイヴが楽しめる『ISOGAI花火劇場』を見てきました」で繰り広げられた花火劇場と同じく、物語と花火がコラボレーションした内容となっています。葵の御紋ということで、水戸黄門のテーマが流れ物語は始まります。


声劇と合わせて花火が上がります。鶴岡を訪れた御一行は、地元の名産だだちゃ豆が悪代官に独占され、庶民が食べられないと聞いて調査を始めます。


悪代官と庄屋との悪巧みの会話が繰り広げられ「お主も悪よのぉ」とおなじみのセリフに合わせて小判が舞いました。


そこへ御一行が登場、チャンバラで悪者たちを懲らしめた後、「この紋所が目に入らぬか」と三つ葉葵の紋所が打ち上がります。「ははぁ」とひれ伏す悪代官たち。


悪代官たちからだだちゃ豆を取り返し、みんなでたらふく食べました。


エンディングは再び水戸黄門のテーマに合わせて豪勢な花火が上がり、ドラマチック花火は終了です。


ここで、煙がはけるのを待つ時間があるのですが「お手持ちのうちわなど、一斉に空に向かってあおぎましょう」とアナウンスが流れ、観覧客全員で空をあおぎ煙を飛ばす演出がありました。このように観覧客も参加する形で花火大会を楽しむ演出があるのは、思い出にもなり面白いところです。


競技花火が行われた後、この大会3つ目の大型スターマイン、市民花火「The Gratest Rock × Fireworks Akagawa」が始まりました。「気温3度の極寒に耐えながらの花火鑑賞、『第111回長野えびす講煙火大会』は満天の花火の星が光り輝く見事な花火大会でした」の株式会社紅屋青木煙火店が担当します。QUEENの「We Will Rock You」が流れ、下から吹き上がる花火が右左とリズムに合わせて上がります。


続いて「ボヘミアン・ラプソディ」が流れます。ゆったりとしたアカペラパートから。


ギターソロパートに入る直前に咲いた千輪。幅広くワイドで豪華な花火が次々と上がります。


オペラパートやロックパートでは、下からメロディーに合わせて次々と吹き上がりました。吹き上がる花火も種類が豊富で、止めどなく連続で打ち上がるため爽快です。


最終パートの終わりに銅鑼が鳴り響く場面では、最大限の幅で錦冠を開かせ豪快な締めとなりました。


市民花火「The Gratest Rock × Fireworks Akagawa」は、以下のムービーで確認できます。

市民花火「The Gratest Rock × Fireworks Akagawa」【赤川花火大会2019】 - YouTube


続いて競技大会の後、4つ目の大型スターマイン・希望の光「照らす。その先へ」が始まりました。担当は「光が動き虹色に輝く、想像を超える花火が打ち上がる『神明の花火』を見てきました」の株式会社マルゴーです。ONE OK ROCKの「Wasted Nights」が流れ、色とりどりの花火が次々と上がりました。


中盤から後半にかけては、得意の時差式花火が連続で上がります。


白飛びする程、密度の濃い花火が打ち上がり締めとなりました。


競技花火から、デザイン花火の部の優勝は株式会社北日本花火興業の「GENESIS ~創世への賛歌~」が選ばれました。2020年の赤川花火大会のオープニングは北日本花火興業が担当するということになります。


割物花火の部優勝、株式会社丸玉屋小勝煙火店の「昇り曲導付四重芯変化菊」「市松文様花」です。


最後は、エンディングの大型スターマイン「ephemeral bloom」です。この花火を担当したのは「約480mもの大輪を咲かせる二尺玉を17発も組みこんだ超特大スターマイン『NTN超特大仕掛』を桑名水郷花火大会で見てきました」の有限会社伊那火工堀内煙火店でした。フジファブリックの「若者のすべて」が流れ花火が打ち上がります。


前半は、ゆっくりと落ち着いた雰囲気で「この花火大会の終わりが近づく切なさ」を感じさせる演出となっていました。


終盤、時差式花火の連打が始まり会場も盛り上がります。


曲の終わりとともにワイドな展開のトラ(下から虎の尾のように上がる花火)と錦冠が上がりました。会場からは拍手も起こりますが、少しもの足りない終わり方だなという感じです。すると……


Superflyの「bloom」が流れ始め、会場の幅いっぱいの花が咲きました。


端から端まで花火が次々と上がります。


終盤、八方咲きの花火が現れた際には会場から「おぉ」と歓声が湧きました。


最後の締めの錦冠では、この日最大の歓声と拍手が湧きます。周には「凄い」「最高」と感想を漏らす人もいました。


有名な花火会社の大規模な花火を見ようとすると、それぞれの花火会社が担当している大規模な花火大会に行かないと見られないものなのですが、この赤川花火大会ではそれら多くの花火大会を集めてきたようなボリューム・感動が味わえ、まさに花火大会のベストアルバムといった内容です。積極的に花火会社を紹介したり、SNSでの宣伝を観覧客に促すなど「新しい時代の花火大会」という印象でした。

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in 取材,   動画, Posted by darkhorse_logmk

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