AppleがARメガネ/ヘッドセットの開発をキャンセル、開発チームは解散ずみと報じられる
by Bud Helisson
AppleがAR/VRヘッドセットを開発していることは2017年以降ウワサされており、2019年に入ってからは「製品化間近」ともいわれていました。しかし、ここにきてAppleがAR/VRチームを解散させ、開発がキャンセルされたとDIGITIMESが伝えています。
Apple Reportedly Canceled Development of its AR Glasses | Digital Trends
https://www.digitaltrends.com/mobile/apple-ar-glasses-cancelled/
DigiTimes: Apple Has Temporarily Stopped Developing AR/VR Headsets, Team Disbanded in May [Updated] - MacRumors
https://www.macrumors.com/2019/07/11/apple-ar-glasses-reportedly-terminated-digitimes/
DIGITIMESの報道はAppleの正式な発表に基づくものではなく、関係者筋から得た情報によるもの。関係者によると、2019年5月にAppleのAR/VRヘッドセット開発チームが解散し、メンバーは他のプロダクトの開発メンバーとして配置されたそうです。このニュースを受けて、「目指すARメガネの軽さを実現できなかったのではないか」「5Gネットワークの必要性が壁になったのではないか」といった推測が行われています。
Appleのティム・クックCEOは2016年のインタビューで「ユーザーを体験に没入させ閉じ込めるVRは非常にクールですが、時間とともに商業的な注目度は低くなっていくでしょう」と語っており、2人の人間が「ここに座って話し合う」ということと「ここに無いものを2人で見る」ことを可能にするARの特性こそが、商業的な成功をもたらすものだと語っていました。
「ARはVRよりも成功を見込める」とAppleのティム・クックCEOは考えていることが判明 - GIGAZINE
2017年にはAppleが完全新開発の「ARヘッドセット」を開発中であること、ARヘッドセット開発のVrvanaを30億円超で買収したことが報じられました。その後、2019年に至るまでARメガネ/ヘッドセットの実現に向けて開発が進行中でした。
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2019年3月にはApple製品の予測で定評のあるアナリストのTF International Securitiesのミンチー・クオ(郭明錤)氏が「AppleのARメガネは製品化に近い段階にあり、2020年にはリリースされる可能性がある」と述べていましたが、DIGITIMESの報道はその予測とは逆をいくものです。
2019年6月にはAppleの製品デザインの数々を手がけてきたジョナサン・アイブが独立して新会社を設立することが報じられましたが、その少し前にMicrosoft HoloLensを手がけたAvi Bar-Zeev氏もAppleを退職しています。DIGITIMESはAR/VRチームを率いたBar-Zeev氏が退職したことでプロジェクトの続行が困難になったものとみています。
ただし、開発のキャンセルが一時的なものなのか、それとも永久に開発がストップするのかは不明であり、Appleが開発をキャンセルしたという情報自体が今後否定される可能性もあります。なお、記事作成時点では、AppleはAR/VRプロジェクトに関してコメントを発表していないとのことです。
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