Appleが道路の「ドライバーには見えない部分」をARで表示する技術の特許を出願
Appleは「Titan」と呼ばれる自動車開発プロジェクトを進行中ですが、新たに自動車向けのAR技術に関する特許を出願していることが分かりました。AppleのARディスプレイは安全性を高めるための、現実的な提案であるように見えます。
United States Patent Application: 0180089899
Apple working on AR displays for the driver and passengers of a self-driving car
https://appleinsider.com/articles/18/04/05/apple-working-on-ar-displays-for-the-driver-and-passengers-of-a-self-driving-car
Appleが出願した特許技術は「Adaptive vehicle augmented reality display using stereographic imagery」と呼ばれるAR技術を採用したディスプレイです。内容は、地図データやユーザーがクラウドベースの地図アプリに登録した情報などをあらかじめメッシュ状に3Dデータ化し、自動車の移動に合わせてARとして情報活用するというもの。
このAR機能搭載ディスプレイがフロントガラスなどに採用されることによって、山間部など前方の道路を目視できない条件でも、ARとして道路を透過表示することが可能になります。また、山間部だけでなく、雨や霧で視界が悪い状況でも、ARによって道路情報を補うことで、より安全なドライブが可能になりそうです。
この技術は、もちろん人間の視覚補助として機能しますが、カメラやレーダーなどの各種センサーの補助としても活用できます。自動運転技術では、高性能なカメラやレーザー装置「Lidar」などのさまざまなセンサーを組み合わせて外界の状況をリアルタイムで検出することが求められますが、霧や大雪などの視界不良の状況下では、センサーがうまく機能しないという問題があります。今回のAppleが特許出願した技術は、各種センサーのデータを補う役割も果たせるものとして、自動運転技術への応用も期待できそうです。
・おまけ
Appleは2018年3月にも道路上のジェスチャーを認識する技術について特許を出願しています。この技術は、信号機の故障などによって警察官らが道路交通整理する場面を想定しているものだと考えられます。
Appleの特許出願の動きからは、自動運転車の開発が着々と進んでいることがうかがえます。
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