Appleの自動車開発に変化の兆候か?自動車本体からソフトウェアにシフトする可能性が報じられる
By Lenore Edman
もはや「公然の秘密」として人々に知られるようになったAppleによる自動車開発は当初の予定よりも1年遅れの2021年に発表が延期されるとも報じられていましたが、ここに来てさらに変化の兆しが現れています。Bloombergが報じたところによると、Appleでは自動車本体の開発と平行して、自動車用ソフトウェアの開発にもリソースを向け始めていることが明らかになっています。
Apple Hires BlackBerry Talent With Car Project Turning to Self-Driving Software - Bloomberg
http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-07-28/apple-taps-blackberry-talent-as-car-project-takes-software-turn
Apple is reportedly shifting its focus from the electric car to self-driving software | The Verge
http://www.theverge.com/2016/7/28/12315648/apple-project-titan-electric-self-driving-car-dan-dodge-hire
Bloombergが報じた内容によると、AppleはかつてBlackBerryの自動車向けソフトウェア部門を率いていたダン・ダッジ氏を引き抜いています。ダッジ氏はカナダ生まれのスタートアップ「QNX」社を立ち上げた人物で、2010年にBlackBerryに買収された後はBlackBerry端末のソフトウェアや、自動車メーカー向けの各種ソフトウェアを開発する業務を担当していたとのこと。
このダッジ氏を抜擢したのが、かつてAppleのハードウェアエンジニアリングを担当し、2016年7月にはAppleの自動車開発プロジェクト「Titan(タイタン)」を率いることになったボブ・マンズフィールド氏。プロジェクトを統括する人物がまずソフトウェアのエキスパートを引き抜いたことから、Appleはソフトウェアの開発にシフトするのではという見方が広がっています。ダッジ氏が在籍していたQNXは、フォードやフォルクスワーゲン、ダイムラー(ベンツ)といった自動車メーカーに車内エンターテインメントとカーナビゲーション関連のソフトウェアを提供したいたことも、その見方を裏付けるものとなっています。
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仮にAppleがソフトウェア開発に注力した場合、車体の製造は既存の自動車メーカーと提携することになると見られています。AppleはBMWやダイムラーといったメーカーとソフトウェアに関する交渉を行っており、実はこの提携話が暗礁に乗り上げているともいわれています。そこで、マンズフィールド氏が白羽の矢を立てたのがダッジ氏だった、というまことしやかな見方も流れているとのこと。
とはいえ、Appleが自社による自動車開発を諦めたというわけではなさそうで、むしろ現実は車体とソフトウェア両方の開発を平行して進めている段階とも見られています。事実、Appleはフォードでアルミ製ボディの製造に関わっていた複数の人物を引き抜いていることからも、車体の開発にヒトとカネのリソースを注いでいる様子。また、Appleのティム・クックCEOは業績発表会の場で「現在、研究開発の段階にある商品やサービスに対し、多くの投資を行っています。現在の商品を超えるようなプロダクトが多く開発されています」と語っています。
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