吉野家初の非常用保存食「缶飯」が登場したので食べ比べてみた
牛丼チェーンの吉野家から、同社初の「常温ですぐに食べられる」非常用保存食の「缶飯」が登場しました。具材だけでなく高機能玄米の「金のいぶき」も入っているため、1缶で1食をまかなえるアイテムとなっています。記事作成時点で公式通販は完売となっているほど注目を集めている缶飯のサンプル品を吉野家から提供してもらうことができたので、どんな味わいに仕上がっているのか実際に食べて確かめてみました。
吉野家“初”、非常用保存食『缶飯』を開発!5月31日より6種販売開始!
(PDF)https://www.yoshinoya.com/wp-content/uploads/2019/05/28193521/news_20190529.pdf
缶飯は「牛丼」(オレンジ)「豚丼」(黄色)「牛焼肉丼」(濃ピンク)「豚生姜焼丼」(茶色)「焼塩さば丼」(水色)「焼鶏丼」(薄ピンク)の6種類用意されています。
缶のサイズはこれくらい。直径は約8.5cmで手のひらに収まるくらいのサイズ感です。
側面には高機能玄米協会の認定マークがあります。
◆牛丼
そんなわけで1缶ずつ食べてみます。まずは缶飯牛丼から。吉野家のオレンジ色を基調としたカラーリングで、一番「らしい」見た目となっています。
原材料を見てみると、牛肉、タレ、玉ねぎと牛丼らしい材料が並びます。内容量は160gで、賞味期限は約2年8カ月先でした。
1缶当たりのカロリーは289kcalで、炭水化物は29.6g、たんぱく質7.7g、食塩相当量1.3g、脂質15.5gです。
天面にはフタの開け方が書いてあるので……
これにならってパカリ。
中身はこんな感じで、牛肉の脂分が白く固まっています。
吉野家でお持ち帰りしてきた並盛の牛丼と見た目を比べるとこう。たしかに牛丼を缶詰にしたような見た目。
茶色の玄米が使われているため、米と牛肉の境目が見えづらいですが、しっかりお肉も入っています。
玄米はこんな感じ。しっかり水分を含んでいてべちゃっとしているのがわかります。
「常温ですぐに食べられる」ように作られたのが缶飯ということで、常温のまま食べてみます。玄米にはしっかりと牛丼のつゆが染みこんでおり、牛肉と一緒に食べなくても徹頭徹尾牛丼味が楽しめます。常温だと牛肉の脂分が白く固まっており、この脂が玄米部分にまでほんのり染みこんでいるので、脂っぽさが気になる人は気になるかも。なお、缶詰じゃない牛丼と食べ比べてみると、ベースのつゆはたしかに同じで基本的には「ザ・吉野家の牛丼」といった味わいなのですが、玄米と白米で米の印象が全然違ったり、缶飯の方は牛肉の存在感が小さかったりと、全く同じ印象というわけではありません。
缶詰なのでしっかりと火が通っており、お肉はポロポロと崩れて存在感は割と希薄。それに対して玄米はしっかりと水分を吸っているため、ぺちゃっとした食感です。味は濃いめなので「非常食だけど、お水が欲しくなるような味わい」という意見もありました。
吉野家でもらってきた紅ショウガをトッピングしてみましたが、紅ショウガの印象が強くなりすぎてしまうのでナシでも良さそうです。
◆豚丼
続いて黄色の缶飯豚丼を食べます。
原材料は以下の通りで、ジンジャーパウダーやジンジャーペーストなどが使われており、本家の豚丼に使用されているゴマは含まれていません。
1缶当たりのカロリーは264kcal、炭水化物は30.4g、たんぱく質6.7g、食塩相当量0.9g、脂質12.8gです。
中身はこんな感じ。牛丼よりも肉がしっかりと識別できます。
缶飯牛丼と比べると味は薄めで、玄米がより多くの水分を吸っています。豚肉の風味がかなり弱めで一瞬何を食べているのかわからなくなるレベル。味付けのパンチが弱く、缶飯牛丼と比べるとものすごく物足りなく感じました。
また、吉野家の豚丼とも比べてみたのですが、本家はゴマがトッピングされていますが缶飯には入っておらず、味付けもまったく別もののように感じました。
◆牛焼肉丼
3つ目はピンク色の缶飯牛焼肉丼。
原材料は以下の通りで、タレには醤油、砂糖、みりんのほかに、りんご果汁が使われています。
1缶当たりのカロリーは288kcal、炭水化物31.7g、たんぱく質8g、食塩相当量1.1g、脂質14.4g。
中を開くと色味は缶飯牛丼よりも濃いめでした。
食べてみると缶飯の牛丼・豚丼よりも風味が強く、焼き肉のタレ風のフルーツ由来の甘みをしっかりと感じられます。焦がした醤油のようなゴマのような香ばしいかおりが1口目から広がり、この香りの印象がとにかく強め。玄米は牛丼・豚丼よりも水分が少なめになっていました。
◆豚生姜焼丼
4つ目は茶色の缶詰に入った豚生姜焼丼を食べてみます。
原材料には豚肉・玉ねぎのほかに、りんご果汁や味噌が含まれています。
1缶当たりのカロリーは275kcal、炭水化物33.6g、たんぱく質7.4g、食塩相当量1.1g、脂質12.3g。
中身はこんな感じで豚肉と玉ねぎを確認できます。
食べてみるとしょうがの風味をしっかり感じられ、牛丼・豚丼よりも玄米がもべちゃついていないのがグッド。他の缶飯よりもハッキリとした味わいで、一発で生姜焼き風の缶詰であることがわかります。
缶の中にはしょうががたっぷり入っているようで、玄米の中に繊維を発見できました。
◆焼塩さば丼
水色の缶飯が焼塩さば缶。
原材料は玄米・さば・食塩のみと、いたってシンプル。
1缶当たりのカロリーは222kcal、炭水化物25.9g、たんぱく質9g、食塩相当量1.5g、脂質9.1g。
見た目はこんな感じ。塩さばには焼き目がしっかりとついています。
食べてみるとさばの身はしっかりと厚みがあり、食べ応えもあります。玄米は水分を多く含んでいてぺっちゃりしていますが、脂があまり溶けていないのか常温でも食べやすく、さばのうま味も染みこんでいるのでグッド。玄米だけでいえば1番食べやすく感じました。
◆焼鶏丼
ピンク色の缶は焼鶏丼。
原材料には醤油、みりん、砂糖のほかに、豆板醤が含まれています。
1缶当たりのカロリーは273kcal、炭水化物39.5g、たんぱく質10.2g、食塩相当量1.5g、脂質8.2g。
中身はこんな感じ。鶏肉がゴロッと入っています。
食べてみると甘辛めのクセのある強い香りが口の中に広がり、缶飯の中で1番香りが強いかもという印象。鶏肉はパサついていますが厚みがあるので牛肉や豚肉よりも存在感は高めで、「肉を食べてる」感があります。
豆板醤も入っており、唐辛子のようなものも見つけられましたが、辛味はほとんど感じません。
なお、吉野家初の非常用保存食である「缶飯」は、吉野家公式の通販ショップで販売中。缶詰の種類に関わらず6缶セットで税込4860円で販売されています。
吉野家の非常用保存食「缶飯」シリーズ│吉野家公式通販ショップ
https://e-shop.yoshinoya.com/shop/e/ekanmeshi/
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