2019年05月04日 09時00分メモ

子どもに謝罪する時のコツとは？

子どもを育てる親であっても、時には間違いを犯し、子どもに謝るべき時があります。同年代の大人に謝ることでさえ抵抗がある人は多く、自分の子どもに謝罪することに複雑な心境を覚える人もいるはずですが、謝るべき時に親が謝らないことは子どもに悪影響を及ぼすものです。そこで、6年間の不妊治療の後、養子縁組1回、出産6回を経験し、10歳から23歳までの子どもたちを抱える「子育ての専門家」としてポッドキャストを配信することで有名なCheryl Butler氏が、子どもに謝る時のコツについて解説しています。

How to Apologize to Your Child
https://www.quickanddirtytips.com/parenting/behavior/how-to-apologize-to-your-child

◆1：自分の過ちを認める
子どもに謝るためには、まず自分がした過ちについて認める必要があります。Butler氏は自分が感情的になりやすい性格だと自覚しているそうで、記事を書いた直前にも大学生の息子とケンカしてしまったとのこと。1人暮らしをしている息子はアルバイトと仕送りで生計を立てていましたが、父親と息子が話し合った結果大学最終年にはアルバイトを辞め、学生生活に専念することを決めていたそうです。しかし、そのことはButler氏に伝えられませんでした。

やがて息子は仕送りのお願いをするために電話してきましたが、その電話口で初めてButler氏は息子がアルバイトを辞めたことを知らされて驚きました。息子はButler氏に感謝を伝え、アルバイトを辞めたことを軽い口調で述べたそうですが、Butler氏は簡単に親の負担が増える決断を下したことに対して非難したとのこと。

電話を終えてからButler氏は、数分間心の中で先ほどの会話を思い返してみたそうです。そして、息子の言い分をしっかりと聞く前に自分が息子の考えを決めつけて非難したことを自覚し、今回は自分が謝るべきだと認めました。このように、謝罪をする時には自分が間違ったことをしっかりと認めなくてはなりません。

by Chinmay Singh

◆2：年齢に応じた適切な謝罪をする
自分が謝罪するべきだと認めたら、今度は実際に謝罪する必要があります。大人が謝罪をする際に不快感や抵抗感を覚える理由の一つは、謝罪することを恥だと思う感情があるからです。心理学者のLaura Markham氏は人が謝罪を恥ずかしく思う原因は、「子どものころに無理矢理謝罪させられた記憶」ではないかと主張しています。

Markham氏は、大人が子どもに対しどのタイミングでどのように謝罪するのかを見せることで、謝罪が重要なことであり気分を上向かせるために必要なことだと理解できると指摘しています。つまり、子どもに対する謝罪は教育的にも重要だというわけです。さらに、謝罪する際に相手の落ち度をつい糾弾したくなってしまう気持ちはわかるものの、子どもに対してそのような姿勢を見せるべきではないとのこと。

謝罪する相手が7歳の子どもであり、シチュエーションが「クラブの練習が終わった後に迎えに行くタイミングが遅くなってしまった」というものである場合、親は子どもが寂しくて惨めな気持ちであったことを理解して謝る必要があります。まずは子どもの目を見てしっかりと謝り、次はちゃんと時間通りに来ることを約束した上で、もし付き添いのコーチなどがいればその人にも謝るべきだとButler氏は考えています。

Butler氏のケースでは、すでに息子は大学生になっていましたが、電話を通じてしっかりと謝りました。その際、Butler氏は仕事を辞めたというニュースに過剰反応してしまったことを伝え、息子は「仕事を辞めたのは父親と協議した上での決断だったこと」を改めて説明し、お互いにわかり合うことができたそうです。Butler氏は、「もしも私が早とちりして非難していなかったら、私はその情報をもっと早く息子の口から聞いていました」と述べました。

by Alexander Dummer

◆3：仲直りをする
謝罪が終わったら、今度は亀裂の入った仲を修復しなくてはなりません。Butler氏の場合は、すぐに息子も気持ちを切り替えて部活動の話などを始めたそうですが、親の方から歩み寄るべきシーンも多々あると予想されます。

相手のイライラする箇所について過度に非難してしまったと後悔しているなら、今度は相手のいいところを見つけて認めることが重要だとのこと。謝罪は重要ですが、その後の関係修復はさらに重要かもしれません。

by Josh Willink

◆4：謝り方のヒント
また、Butler氏は子どもに謝る時の方法についていくつかのヒントを提示しています。子どもがスマートフォンを持っているならば、ムービーを撮影してメッセージアプリなどを使って送り付けるというのも一つの手です。ほかにもメッセージをテーブルの上に残しておいたり、食事の際にメッセージを手渡したりすることで、なるべく抵抗感を減らしつつ謝罪する方法もあるとButler氏は述べています。