子どもの才能を伸ばすのに重要な5つの要素とは?
By microgen
子どもの教育は両親にとってだけでなく、国家の未来を決定しうるほど重要な問題です。才能は生まれつき人に備わっているものだと思われがちですが、子どもの才能は教育によって伸ばすことが可能です。ネブラスカ大学リンカーン校で教育心理学に務めるケネス・キーウラ教授が子どもの才能を伸ばす5つの手法を紹介しています。
5 ways to develop children's talents
https://theconversation.com/5-ways-to-develop-childrens-talents-111041
「才能は珍しいものだ」と信じている人もいるかもしれませんが、(PDF)思考の六段階モデルなどで有名なアメリカの教育学者のベンジャミン・ブルーム博士は6つの異なる分野において天才を研究した結果として、「世界のほぼすべての人が適切な教育を受ければ成長できる」と主張しています。ブルーム博士によると、「幼い頃から努力を始めること」「専門家の指導」「計画的な練習」「優れた練習環境を持つこと」「子ども自身が熱中すること」の5つの要素が重要になります。
◆1:幼い頃から努力を始めること
才能を開花させるには、何事も幼い頃から始めるべきです。チェスやフィギュアスケートなどの多様な分野で活躍する天才たちを調査したところ、24名のうち22名が2歳から5歳までに英才教育を受けていたとわかりました。
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専門家である親が自ら子どもに英才教育するケースもあります。全米を代表するバレーボール選手であるローレン・クックさんもその1人で、幼い頃から全国選手権でバレーボールを指導していた経験を持つ父親のジョン・クックさんの指導を受けていました。一方で、自分にまったく関わりのない分野に子どもが興味を示した場合にも、我が子に英才教育を施す努力をしてくれる親もいます。アドーラ・スヴィタクさんの両親は作家ではありませんでしたが、幼いアドーラさんに毎日1時間以上も本を読み聞かせて育てたところ、アドーラさんは読書に興味を持つようになりました。
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両親はアドーラさんの本の執筆を促したり、本の出版を手伝ったり、あらゆる協力を進んで行いました。その結果、アドーラさんは11歳までに2冊の本を出版し、世界中で百を超える公演をするほどにまでなりました。
◆2:専門家の指導
専門家の指導を受けさせるために労を惜しまない親もいます。チェスのグランドマスター、ケイデン・トロフさんはわずか3歳のときに父親や兄がチェスをプレイしているのを見て、チェスを学びました。父親はものすごい速度で上達するケイデンさんのために、本を読んだりビデオを見たり努力を重ねます。
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しかし、次第に父親ではケイデンさんの相手にならなくなり、父親はケイデンさんにインターネット越しにチェスのグランドマスターの授業を受けさせることを選択。ケイデンさんの両親は、通常の勤務時間外に投資家に代わって株式や債券を管理するカストディアンとして月に30時間以上働き、ケイデンさんのために1カ月300ドル(3万3000円)の授業料を捻出しました。
◆3:計画的な練習
天才はトレーニングをするとき、必ず目標を立て、決して手を抜くことはありません。水泳のアメリカの州代表選手キャロライン・ティエルさんは「水泳を全く知らない人はプールを数往復して練習が終わりだと思っているかもしれませんが、実際には、思考は全く働かないのに、身体の痛みと息切れと吐き気を超えても泳ぎ続けます。疲れ切って、全身の痛みに苛まれ、モチベーションを探すのが難しくなります」と水泳の練習がいかに辛いかを述懐しています。
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◆4:優れた練習環境を持つこと
ロデオの全米高校選手権のチャンピオンジェイド・アトキンスさんの両親は馬専門の調教師であり、優れた血統の馬や、ロデオの試合のために馬を運搬することができるトレーラーを持っていました。ジェイドさんの家は生まれながらにしてロデオの才能を育むことができるような環境でした。
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しかし、生まれながらにして恵まれた環境にいる人は稀で、優れた練習環境が近くにない場合は、家から離れてでも優秀な練習環境を提供できる場所に行くべきです。テニスの4大大会のうちウィンブルドン選手権と全米オープンを制覇した経歴を持つジャック・ソックさんは週末には片道何時間もかけて隣の州にある、多くの才能ある子どもたちが集まるテニスの専門教室に通いました。両親が手助けしてあげれば、才能ある子どもたちはまるで導かれるように高いレベルの環境に集まり、そういった集まりは才能を伸ばす助けになります。
◆5:子ども自身がのめり込むこと
チェスに熱中していた少年の両親が学校の成績が悪かったことを理由に少年からチェスを取り上げたところ、少年は魂を抜かれたと思えるほど哀れな状態になってしまったそうです。両親に少年がそれほど絶望してしまったか理由を尋ねたところ、「間違いなく、あの子はチェスを物凄く楽しんでいるんだ」と語りました。才能を育てるには、子どもが自ら熱中するということが大切です。
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子どもの才能を伸ばすことに取り組んでいる両親について、キーウラ教授は「練習を押し付ける両親もたくさんいますが、私が調査した両親は、子ども自身が情熱を持って取り組んでいることを見守って手助けすることしかできないと理解していました。何時間も子どもを送り迎えしたり、練習のためにお金を出すのは両親しかできない仕事です。そして何より、そういった両親は自分の子どもを愛し、子どもの願いを叶えてやりたいと思っているからこそ、手助けしているのです」と語っています。
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