「世界最悪」といわれるチェルノブイリ原発事故の裏で何が起きていたのかを描いた「Chernobyl」最新予告編が公開中
1986年に発生したチェルノブイリ原子力発電所事故は、人的被害の多さなどから世界最悪の原子力発電所事故の一つとして数えられています。悪夢ともいえる悲惨な事故の中で何が起きていたのか、危機に対処した勇敢な人々の犠牲について焦点を当てた、テレビシリーズ「Chernobyl」の最新予告編が公開されています。
Chernobyl (2019) | Official Trailer | HBO
夜に包まれた窓の向こうに見える怪しい光。
ジャレッド・ハリス演じるソビエト連邦の科学者ヴァレリー・レガソフの、「大事なのは、正義が行われたかどうかだ。世界が正しいものであるかどうかが重要なのだ」というモノローグが流れます。レガソフはチェルノブイリ原子力発電所事故の調査委員会責任者を務めた人物です。
橋の上に集まった人々が眺めているのは……
深夜に起きた爆発の様子。人々は爆発したのが原子力発電所であり、放射能が拡散しており非常に危険な状態だという情報を知りませんでした。「チェルノブイリにおいて、正気などはなかった」とレガソフの言葉が響きます。
ガラスの飛び散る通路を歩く男性。
白衣の男性が急いで走り、非常事態が起きていることをうかがわせます。
ステラン・スカルスガルド演じるボリス・シチェルビナは、会議の場で「チェルノブイリの状態は安定している。放射線は胸部X線と同じくらいだ」と説明します。シチェルビナは当時、チェルノブイリ事故の調査委員会のメンバーでした。
しかし、レガソフは机をたたき、「違う!チェルノブイリは今も燃え続けている」と発言。
燃えさかるチェルノブイリ原子力発電所。
多くの人々が事故を収束させるため、現場に投入されていました。
血を流して悲鳴を上げる作業員の姿もあります。
火災鎮火と放射線遮断のため、ホウ素を混ぜた砂5000トンを投下するヘリコプターも出動。
チェルノブイリ原子力発電所を渋い表情で見つめるシチェルビナと……
双眼鏡をかまえるレガソフ。
「あなたが扱っているのは、これまで地球で起きたことのない事故なんです」と、レガソフがシチェルビナに訴えます。
事故からしばらくの間、チェルノブイリ原子力発電所から10km圏内の近隣住民に対しても正確な情報が与えられなかったため、人々はチェルノブイリ原子力発電所事故の後も普通の生活を続けていました。
しかし、事故発生の36時間後になってようやく避難指示が与えられ……
人々はようやく避難を開始。
「デマの拡散を防ぐため、電話線を遮断する」と言う政府関係者。
チェルノブイリ原子力発電所事故では、多くの作業員が事故収束のために動員されましたが……
事故の処理にあたった作業員にも健康被害が及びました。
事故直後に被爆した人々は3日から3週間で死亡したとのこと。
被爆した男性の面会に来た女性は「会うことはできますが、彼に触ってはいけません」と看護師から言い渡されます。
しかし、うれしそうに笑顔を浮かべる男性を見て……
つい抱擁を交わしてしまいました。
「事故の夜、何があったのですか?」と聞かれた男性は……
「真実を言うと思うかい?ここに真実なんてない」と意味深な言葉を発します。
過酷な現場で作業を続ける人々。
元気そうに女性と抱き合っていた男性は苦しそうな声を上げ、死が間近に迫っているようです。
事故収束のため、勇敢に対処した多くの人々にも焦点を当てています。
レガソフはぽつりと、「狂っている」とこぼしました。
Chernobylは2019年5月6日(月)から、アメリカのケーブルテレビ放送局HBOで公開される予定となっています。
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