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FacebookがEUのデータ保護規則「GDPR」を阻止するため世界中の政治家に根回ししていたことが内部文書流出によってダダ漏れに

by geralt

2018年に施行された新データ保護規則「GDPR」の発行に際し、Facebookが、イギリスのデーヴィッド・キャメロン内閣の財務大臣を務めたジョージ・オズボーン氏を含む世界中の政治家をターゲットとした極秘のロビー活動を行っていたことが判明しました。新たに流出した機密扱いの内部文書によると、Facebookは政治家たちに対して投資やインセンティブを約束しながら、GDPRの制定に反対するよう求めていたといいます。

Facebook asked George Osborne to influence EU data protection law
https://www.computerweekly.com/news/252458229/Facebook-asked-George-Osborne-to-influence-EU-data-protection-law


Revealed: Facebook’s global lobbying against data privacy laws | Technology | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2019/mar/02/facebook-global-lobbying-campaign-against-data-privacy-laws-investment


流出した内部文書によると、Facebookはイギリス・アメリカ・カナダ・インド・ベトナム・アルゼンチン・ブラジル・マレーシア及びEU28カ国の立法者や行政機関に対して極秘のロビー活動を行っていたとのこと。

ロビー活動は、過度な制限をヨーロッパに広く課すGDPRを食い止めるためのもの。Facebookはアイルランドのダブリン・キャンパスに多くの雇用を創出したことから元首相のエンダ・ケニー氏と良好な関係を築いています。そこでケニー氏に対してFacebookはGDPRが「ヨーロッパの雇用・イノベーション・経済成長を脅かす」という旨を主張。流出した内部文書には「私たちは彼らの任期において、EUのデータ保護法が優先事項になるようミーティングで強調しました。首相は、『アイルランドは厳密にいうと中立の立場だが、欧州委員会委員長として大きな影響力を及ぼすことができる』と語りました」と記されていたといいます。

また、Facebookの最高執行責任者であるシェリル・サンドバーグ氏は、キャメロン内閣のオズボーン財務大臣がGDPRについて懸念を抱くようさまざまな試みを行っていたことが文書から判明しています。サンドバーグ氏はGDPRが検討され始めた2013年に世界経済フォーラムが行われたダボスに向かい、オズボーン氏と関係を築き始めました。

by World Economic Forum

サンドバーグ氏はロンドンにある十分な教育が行われていない学校で子ども向けのアプリ構築コースを提供することをオズボーン氏に提案し、喜ばれたといいます。幅広いディスカッションが交わされる中で、オズボーン氏はFacebookがロンドンで働く社員のために迅速にビザを入手できる方法について助言し、East London Tech CityのためにFacebookが投資できるかを尋ねたといいます。これに対してサンドバーグ氏は「現時点で投資はできない」と答えたそうです。

そして、オズボーン氏の11歳の息子が「Facebookのアカウントを何としてでも欲しがっている」という話を聞いたFacebookは、2人をFacebookのオフィスに招待しました。オズボーン氏はComputer Weeklyの取材に対し、「どの子どもがFacebookのオフィスに招待されたのかは覚えていませんが、いずれの子どもも実際には訪れていません」とコメントしています。

内部文書の中でFacebookはオズボーン氏について、「データ保護規則についての議論で、より積極的に主張や提案をさせることもできた」と記しています。また、「私たちはデータ保護規則のコストについての評価に影響を与えたこと、そして、『インパクト評価はコストを過小評価している』とするオズボーン氏の批判を称賛します」と記されていますが、これに対してオズボーン氏は「Facebookとのミーティングの結果として、EUでロビー活動を行うことはなかった」と述べています。

by mohamed_hassan

さらに、サンドバーグ氏は女性経営幹部を促進するためのパーティーに、欧州委員会でGDPRを担当するヴィヴィアン・レディング氏を招いたとのこと。サンドバーグ氏は2013年に「LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲」という女性の働き方についての本を発表しており、本を介してレディング氏とのつながりを作ろうと試みたようです。レディング氏はサンドバーグ氏らが語る「女性のリーダーシップ」という問題を「アメリカ的」だと感じていたそうですが、2人はつながりを強めたとメモには記されています。

しかし、その後にレディング氏とデータ保護規則について話し合った時、Facebookはレディング氏から「Facebookは自らが同意していない部分にだけフォーカスを置いている」という指摘を受けたとのこと。Facebookはレディング氏との関係について「進捗はあったが、彼女と関係を作り出すのは難しい。これは私たちに限ったことではなく、彼女はアメリカ企業のファンではないのだ」と結論を出しています。


このほか、2019年3月時点でFacebookはアカウント作成における最低年齢を13歳としていますが、Facebook幹部たちは欧州委員会のネリー・クルース氏と「子ども向けのFacebookサービス」というアイデアについても話し合ったとされています。クルース氏はFacebookと「親密な関係」にあり、このアイデアついて考えていたそうです。

上記の極秘ロビー活動は2013年に行われた世界経済フォーラムでのミーティングを中心にしたものですが、これは「氷山の一角」に過ぎないとイギリスのニュースメディア The Guardianは述べています。文書にはカナダやマレーシアで行われた活動についても記されており、Facebookは法制定を阻止するために新しいデータセンターを作り出し雇用を創出する約束なども行っていたといいます。

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in ネットサービス, Posted by logq_fa

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