ネット上であなたのプライバシーを守る簡単な6つの改善案
By Keoni Cabral
アメリカが国家レベルで人々の情報を監視していたPRISM問題は対岸の火事ではなく、インターネットを使う上でプライバシーが侵害されている可能性は常に存在します。個人レベルでPCやスマートフォンのインターネット通信に対策が必要なのですが、あまり知識がない人は何をどうしていいのかわからないもの。そこでForbesが簡単に導入できる6つのオンラインプライバシー改善案を取り上げ、さまざまなツールがリストアップされています。
These 6 Simple Tools Help Protect Your Online Privacy
http://www.forbes.com/sites/leemathews/2016/11/14/these-6-easy-tools-will-help-protect-your-online-privacy/#26090cff6b57
◆1:いつも使うブラウザを見直す
多くの人がChrome、Edge、Internet Explorer、Safariなどの主要なブラウザを使用しており、いずれも設定によっては安全なインターネットサーフィンを行うことができます。Forbesいわく、これらの主要なブラウザの中でプライバシー面を考慮すると、最も優れたチョイスはFirefoxとのこと。主要なブラウザ以外では、Chromiumをベースにしたブラウザ「SRWare Iron」は、Googleのトラッキング機能をすべてカットしているため、Chromeより安全に使用可能。スタートアップ・Braveが作った新しいブラウザ「Brave」も、広告やトラッキング機能を自動的にブロックするため、通常のブラウザより安全かつ高速でインターネットを利用できるとのこと。
ブラウザによって機能に差があるわけですが、完璧にプライバシーを保護できると言われているのが「Tor Browser」。エドワード・スノーデン氏も「もしTorを使用していないなら、あなたは間違いを犯している」と言っています。Tor Browserはプライバシーを強化する対策的なプラグインなどの提供を行っていませんが、初めてTor Browserが公開された時よりも大幅にプライバシー保護機能が改善されているとのことです。
◆2:正しいブラウザ拡張機能(アドオン)を使用する
仕事などで特定のブラウザを使う必要があり、使っているブラウザを変更できない人も多いはず。そんな場合は、「Disconnect」や「Ghostery Tracker」などの拡張機能を使えば、主要なブラウザの通信の安全度を強化できます。また、電子フロンティア財団の「HTTPS Everywhere」も入れておくと、自動的にHTTPS化されたページにリダイレクトされるようになり、盗聴やウェブベースの攻撃を防ぐことが可能です。
◆3:検索エンジンを変える
GoogleやBingなどの多くのブラウザは、ユーザーの情報を追跡・収集しています。「何かあればネットで検索」という世の中になっており、ネット上の検索量はこの3年で3倍になっているため、検索する場所を変えるだけでも、簡単なプライバシー保護対策になります。プレイバシー保護に優れた検索エンジンとしては、ユーザーを一切追跡しない「DuckDuckGo」や、個人を特定する情報をすべて除去してGoogle検索が使える「StartPage」などが挙げられています。
◆4:メールを暗号化する
多くのメッセージアプリが暗号化をうたっていますが、セキュリティ専門家の調査で「暗号化されていて安全」とお墨付きを得たアプリが「Signal(iOS/Android)」。Signalで送られたメッセージは、もし誰かに傍受されたとしても、解読されることはありません。また、Signalプロトコルベースの暗号化を採用した「WhatsApp」も良い選択と言えるとのこと。
ただし、これらの暗号化通信は相手も暗号化されていないと意味がないため、周りの友人や家族にも、暗号化されたメッセージアプリの使用を呼びかけることが重要です。SignalもWhatsAppも無料アプリなので、誰かにオススメするのは難しくないはずです。
◆5:新しいメールプロバイダーを得る
メールアカウントにコストをかけている人はあまりいないかもしれませんが、よく使うメールアカウントは多くの場合、友人の連絡先や自分の住所などの個人情報にリンクしています。使用しているメールプロバイダーによっては、ターゲット広告のデータ収集のためにメールの内容がスキャンされている可能性もあります。これらの問題を解決するには、月額数ドル(1ドル=約117円)でセキュアなメールボックスを確立できる「ProtonMail」「Tutanota」「Runbox」「posteo」を使えばOK。いずれもプライバシー保護法が強力な国で作られたサービスなので、法律に関連するプライバシー保護問題にも対処できるとのこと。
◆6:VPNを使う
ネットに接続するだけでIPアドレスなどからさまざまな個人情報が把握できるのですが、インターネットプロバイダーは恐ろしいほどにこれらのユーザーのオンライン活動を把握しています。そこでVPNを使うことで、これらの「のぞき見」を防ぐことが可能。VPNとは「Virtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)」を略したもので、本来公的なネットワークを使って仮想的な接続を作り、安全にインターネットに接続できるというものです。VPN接続を構築するサービスには「Private Internet Access」「NordVPN」「IPVanish」などが挙げられており、それぞれ月額料金がかかりますが、Forbesは「ここでケチらないでください。VPN接続は多くのプライバシー保護が得られる優れた投資なのです」と話しています。
なお、Forbesが挙げたアプリやサービスを採用しても、完全なプライバシーとセキュリティが保証されるわけではありませんが、少なくとも正しい方向に進むことができるとのこと。Forbesはインターネットを使う上で「警戒し続ける必要がある」としており、「個人情報を記入する時は信頼できるサイトか検討する」、「何かを投稿する時は『自分が何を投稿するのか』『誰かが見ているのか』を考える」といった、小さな判断の積み重ねが重要であると締めくくっています。
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