サイエンス

睡眠学習により外国語のボキャブラリーを増やすことができる


睡眠時間はゆったり安らげる癒やしの時間であるものの、「睡眠をもっと生産的にできないのか?」という考えから「睡眠学習」の研究が行われています。睡眠学習は覚醒時の記憶を定着させると言われることが多いものですが、それとはまた別に、睡眠時の言語学習が有用であると研究により示されています。

Learning new vocabulary during deep sleep - University of Bern
https://www.unibe.ch/news/media_news/media_relations_e/media_releases/2019/medienmitteilungen_2019/learning_new_vocabulary_during_deep_sleep/index_eng.html

Implicit Vocabulary Learning during Sleep Is Bound to Slow-Wave Peaks: Current Biology
https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(18)31672-5

従来の睡眠研究は覚醒時の記憶の安定化および強化に焦点を当てており、睡眠中の学習はめったに研究テーマにされませんでした。そんな中、スイスのベルン大学の研究者は、ノンレム睡眠のうち深い睡眠状態にあたる徐波睡眠の段階で新しい言語の語彙を習得できること、また睡眠時に学習した語彙は覚醒後に無意識のうちに検索できることを研究により示しました。


もし睡眠中に覚醒時の記憶を改善することができるならば、新しい情報を初めてインプットする脳の処理も睡眠中に実行可能であるはずであると、心理学研究所の研究者ならびにベルン大学の国際共同研究は考えました。研究では、睡眠中に言語学習の音声を再生することで、弱い記憶を強化し、新たに獲得された情報を既存の知識に埋め込むことを可能にしたとのこと。この実験の結果は、科学雑誌「Current Biology」にオープンアクセスで公開されています。

深い眠りの間、脳細胞は「アップ状態」と呼ばれるアクティブ状態と「ダウン状態」と呼ばれる非アクティブ状態が約0.5秒ごとに交互に表示されます。研究グループは、「アップ状態」の間に再生された音声により、眠っている人が外国語と翻訳語との間に意味的関連を形成できるかどうかを調べました。

by Simon Evans

研究によると、睡眠時に人工言語の単語とその翻訳語を再生したところ、その大まかな関連付けのみを把握できていたとのこと。例えば、眠っている人が「tofer = key」と「guga = elephant」という単語の組を聞いたとき、目を覚ました後、彼らはその単語の正確な意味は訳せなかったものの、「toferは小さいもの」「gugaは大きいもの」ということを「偶然より高い確率の正確性」で分類できたと研究者は述べています。

論文では、睡眠サイクルの「アップ状態」の最中にペアのうち翻訳語、つまり「tofer=key」でいうところの「key」にあたる単語が再生されたときに、脳がその関連付けを行うことが可能だと主張しています。ベルン大学の神経心理学者・MarcZüst博士は、「人間は意識することなく洗練された情報処理を行うことができます。睡眠時の記憶は、あなたがその単語を以前に見たことがないと思うにもかかわらず、あなたが外国語にどう反応するかに影響を与えることができます」と述べています。

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in サイエンス, Posted by log1e_dh

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