世界で1億台以上売れたあのWiiのコントローラー「Wiiリモコン」の試作機がオークションに登場
任天堂が2006年に発売した据置型ゲーム機の「Wii」は、専用コントローラーの「Wiiリモコン」により、それまでのゲームにはなかった直感的な操作が可能になったゲームでした。世界累計販売台数はなんと1億163万台で、これは任天堂が販売してきたゲーム機の中ではニンテンドーDS(1億5402万台)、ゲームボーイ(1億1869万台)に次いで3番目に多い数字となります。そんなWiiについて語る上で欠かせない存在であるWiiリモコンの試作機が日本のオークションに出品されていたということを、海外メディアが驚きを持って伝えています。
Japanese auction reveals Nintendo’s first Wii remote… for the GameCube | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2018/10/japanese-auction-reveals-nintendos-first-wii-remote-for-the-gamecube/
日本のオークションサイトの中でも古くから人気の高いヤフオク!上に、WiiリモコンおよびWii用のセンサーバーの試作機が出品されました。製品版とは異なり、Wiiリモコンの試作機は有線式で、ゲーム機とコントローラーをつなぐための長いコードが付属しています。
試作機の出品ページは以下の通り。最終的に7万4000円で落札されています。
NINTENDO WII 試作センサーバー・コントローラ... - ヤフオク!
出品ページに掲載されている画像は以下の3つ。
ひとつはWiiを使用する際にTV画面の側に設置して使用するセンサーバーの試作機(下)。実際の製品版は画像上に置かれているもので、試作機からかなりコンパクトになっており、Wii本体と接続するための端子も変更されています。なお、この試作版のセンサーバーはニンテンドーゲームキューブのメモリーカード部分に差して使用するようになっており、ここからこれらの試作機はWii用ではなくニンテンドーゲームキューブ用に開発されたものであることがわかります。
2つ目の画像はWiiリモコンの試作機。コントローラー部分の形状はほぼ同じですが、Wii本体と有線で接続する形式になっていた模様。また、接続端子はニンテンドーゲームキューブのコントローラーで使用された端子と同じです。
3つ目の画像は試作版のヌンチャクコントローラー。試作版のヌンチャクも製品版と非常によく似ていますが、Wiiリモコンと接続するための端子にLAN端子が使用されている点が異なります。
このオークションで3つの試作機を落札したと思われる人物が、Twitter上で試作機3つをニンテンドーゲームキューブに差している様子を公開しています。このツイートによると、取り付けることはできるものの実際に使用することはできないようです。
これがやりたかった!
— スペマRP (@spmrp) 2018年10月27日
Revolution用のリモコン、ヌンチャクを入手しました。
ゲームキューブコントローラーの端子を使っているのでゲームキューブに取り付けることが出来る!(使えないけど…。)#レトロコンシューマー愛好会 pic.twitter.com/6FTaXrET1E
さらに、このツイートを発見したウェイフォルワード・テクノロジズのゲームディレクターであるJames Montagnaさんが、「これはWiiリモコンとヌンチャクの試作機です。任天堂のレボリューションとして発表された際に見てよく覚えています」とツイートしており、Wiiの試作機であるレボリューション用のコントローラーとして開発されたものであることを明かしています。
Wow, it's the prototype Wii Remote & Nunchuk! I remember seeing these back when it was still known as the Nintendo Revolution! https://t.co/wsl6mFXvrc
— James Montagna (@JamesPopStar) 2018年10月28日
Montagnaさんによると、この試作版のWiiリモコンは製品版よりも横幅が広く、縦は短く、背面のBボタンがフラットで製品版の「トリガーのような押しやすい形状」にはなっていないそうです。また、ボタン上の文字にはCentury Gothicというフォントが使用されているなど、細かい部分にもいくつかの差異が存在した模様。
Here's a more advanced Wii Remote prototype. Overall, they're wider than the final Wii Remote + not as long. The B button is flat, and not hooked like a trigger. It uses Century Gothic font for the button labels. How many other differences can you spot? There's quite a few! pic.twitter.com/WlhIvCZoUQ
— James Montagna (@JamesPopStar) 2018年10月28日
さらに、Montagnaさんは2006年のE3で撮影したWiiリモコンの試作機(オークションに登場したものとは異なるバージョンのもの)の写真を投稿。この写真によると、試作機ではWiiリモコンのAボタン下にある+/-ボタンが、一時停止/戻るボタンとなっています。
Never before documented anywhere online that I've seen, so perhaps it's newsworthy; prototype Wii controllers had PAUSE / BACK buttons instead of + / - Buttons! I took these pictures of the controllers Nintendo used at E3 2006. pic.twitter.com/TMl6bkIzXn
— James Montagna (@JamesPopStar) 2018年10月28日
なお、海外メディアのArs Technicaは「これらの試作機はおそらくWiiが完成する前にゲームメーカー向けに配布された開発キットの一部だろう」と記しています。
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