コラム

期間工の給与明細を一挙公開、工場で1年間働くとこれだけ稼ぐことができる


働きたくありませんでした。今もなお、口癖のようにつぶやいています。「働きたくない」。でも、生きていくためにはお金が必要でした。だけど、学歴も職歴もありません。それでも、それなりにお金を稼ぎたい。そんな無茶なお願いをかなえてくれる仕事が日本にはありました。

こんにちは、自転車で世界一周をした周藤卓也@チャリダーマンです。150カ国と13万1214.54kmを旅した日々は過去の話。その旅が仕事にならないかと試した時期もありましたが、そうはうまく風吹くことなくタイムオーバー。その状態で踏みとどまったって、いつまでもやらないことは目に見えていました。そんな環境を変えたくて、期間工として働きに出ることにしました。きついという評判からすぐに辞めてしまうかと心配ばかりでしたが、何とか続いています。そこで気になるのはお金の話。期間工で1年働くとこれだけの金額になります。

◆工場で働く


2017年9月から、東京の田舎にある工場で自動車関係の期間工をやっています。当初はメーカーからの直接雇用を目指していましたが、あまりに履歴書が真っ白なせいか、どうにもこうにも採用されません。連戦連敗で意気消沈していた中、「派遣会社を通したら変わるかも」と試してみたら一発採用。それはそれで大いに戸惑います。いろいろ心配しましたが、やってみないと始まりません。物は試しにと上京して働きだして、そして未だに続けています。ずっとレールから外れた人生を歩んできたのですが、今さらながら社会の歯車として生きています。

仕事はブルーカラーの肉体労働です。ライン稼働中は手を止める暇がないくらい忙しくなります。夏は汗だくでした。決して楽な仕事ではありません。しかしその分、しっかりとお金をもらえます。入社祝い金、皆勤手当、慰労金制度があるので、1年通して働くとかなりの額になりました。資格も技術もない私が、まとまったお金を稼ぐには期間工くらいしか選択肢がありませんでした。自転車日本一周を終えた19歳のときも期間工は考えました。でも、やりませんでした。楽な方に逃げました。そうした心残りもあったので、ずっと期間工をやらなければと思っていました。


東京で働くことにしたのは、紙の出版という目標を諦めきれなかったため。これも未だに難しい状況ですが、上京したおかげで日刊ゲンダイの「王様の週末」というコーナーやインターネット放送の「電話占いマヒナ 今すぐあやかりたい!幸せ術」で取り上げていただくことができました。

150カ国走破 チャリダーが教える世界のサイクリングコース|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/229948


ゲスト:周藤卓也 電話占いマヒナ 今すぐあやかりたい!幸せ術 #51 | FRESH LIVE(フレッシュライブ) - ライブ配信サービス
https://freshlive.tv/mahina_ayakari/218902

また、いずれ福岡でゲストハウスを開くつもりだったので、どうせ働くなら九州の外でと思っていました。今のうちにと休日に時間をみつけては国内を観光しています。

◆給与明細
工場の勤務は8時間を基本として残業。働き始めた頃は繁忙期だったようで、毎日1時間程度の残業がありました。その月の生産計画台数によって残業は変わります。今はそんなに忙しくないので残業も控えめです。基本は週5日労働。しかし、これも台風や部品欠品で丸1日ラインが稼働しなくなると、別の週の土曜日に埋め合わせとして休日出勤(休出)が発生します。残業も休出も割増賃金になります。また、1週間ごと日勤と夜勤が入れ替わります。夜勤時の深夜労働は割増賃金です。日勤のときは朝4時頃に起床、夜10時頃に就寝で、夜勤のときは朝5時頃に就寝、昼11時頃に起床しています。働き始めて1年以上経ちましたが、無遅刻無欠勤を続けています。

そんな期間工の給与はこのような形になります。

・一期目


・2017年9月
【勤怠】
出勤:21日
休出:2日

勤務:166.25時間
残業:28.09時間
深夜:47.00時間
休出:15.84時間

【支給】
基本給:23万2750円
残業手当:4万9158円
深夜手当:1万6450円
休出手当:2万7720円
寮費補助:1万7000円
通勤手当:3880円
実習差額:-3万9980円

【控除】
寮費:3万7000円
寮雑費:3860円
社会保険料:3万4520円
源泉徴収:7220円

【合計】
総支給:30万6978円
総控除:8万2600円
支給額:22万4378円

働き始めてから2週間は研修期間となっていて通常より低い時給でした。実習差額としてマイナスになっています。給与明細にマイナスがあると訝しんでしまいますが、総支給額がかさ増しされることもなく、正しく処理されているようでした。

寮費は実質2万円ということで、1万7000円分の補助が入って3万7000円を寮費で引かれる形となっています。寮雑費は洗濯機、冷蔵庫、布団のレンタル代。

・2017年10月
【勤怠】
出勤:20日
休出:2日

勤務:158.34時間
残業:31.59時間
深夜:66.00時間
休出:15.84時間

【支給】
基本給:22万1676円
残業手当:5万5283円
深夜手当:2万3100円
休出手当:2万7720円
入社祝金:5万円
寮費補助:1万7000円
通勤手当:3880円

【控除】
寮費:3万7000円
寮雑費:3860円
水道光熱費:5847円
社会保険料:3万4795円
源泉徴収:1万3280円

【合計】
総支給:39万8659円
総控除:9万4782円
支給額:30万3877円

初回の入社祝金が含まれています。

・2017年11月
【勤怠】
出勤:22日
休出:2日

勤務:174.17時間
残業:28.67時間
深夜:62.00時間
休出:16.25時間

【支給】
基本給:24万3838円
残業手当:5万173円
深夜手当:2万1700円
休出手当:2万8438円
入社祝金:5万円
皆勤手当:6万円
寮費補助:1万7000円
通勤手当:3880円

【控除】
寮費:3万7000円
寮雑費:3860円
水道光熱費:4335円
社会保険料:3万5025円
源泉徴収:1万9500円

【合計】
総支給:47万5029円
総控除:9万9720円
支給額:37万5309円

3ヶ月ごとに皆勤手当が支給されます。この皆勤手当は途中に欠勤が1日でもあるか、遅刻・早退が合計2回を越えると支給なしになるという、かなり厳しい条件でした。6ヶ月を過ぎると有休が発生するので、万が一のときはカバーできると派遣元に聞いたと思っていましたが、直近だとそのような有休の使い方はあまり好ましくないとの話。とりあえず保留にしたので、万が一になった場合には交渉しないといけません。

2回目の入社祝金が含まれています。

・二期目


・2017年12月
【勤怠】
出勤:20日
休出:1日

勤務:158.34時間
残業:17.42時間
深夜:46.67時間
休出:7.92時間

【支給】
基本給:22万1676円
残業手当:3万485円
深夜手当:1万6335円
休出手当:1万3860円
更新手当:10万円
寮費補助:1万7000円
通勤手当:3880円

【控除】
寮費:3万7000円
寮雑費:3860円
水道光熱費:8405円
社会保険料:4万8809円
源泉徴収:-2万5790円

【合計】
総支給:40万3,236円
総控除:7万2284円
支給額:33万952円

3ヶ月の初回契約を延長して一定期間在籍することで発生する更新手当が含まれています。

・2018年1月
【勤怠】
出勤:18日
休出:01日

勤務:142.50時間
残業:19.09時間
深夜:40.34時間
休出:8.25時間

【支給】
基本給:19万9500円
残業手当:3万3408円
深夜手当:1万4119円
休出手当:1万4438円
寮費補助:1万7000円
通勤手当:3880円

【控除】
寮費:3万7000円
寮雑費:3860円
水道光熱費:7485円
社会保険料:3万4447円
源泉徴収:6340円

【合計】
総支給:28万2345円
総控除:8万9132円
支給額:19万3213円

年末年始の長期連休があるため、もとから6日稼働の週がありました。あらかじめ決まっていた土曜日出勤でも週6日勤務となるので割増賃金が発生していました。

・2018年2月
【勤怠】
出勤:20日
休出:1日

勤務:158.34時間
残業:22.75時間
深夜:50.67時間
休出:8.09時間

【支給】
基本給:22万1676円
残業手当:3万9813円
深夜手当:1万7735円
休出手当:1万4158円
皆勤手当:6万円
寮費補助:1万7000円
通勤手当:3880円

【控除】
寮費:3万7000円
寮雑費:3860円
水道光熱費:1万964円
社会保険料:3万4722円
源泉徴収:1万1290円

【合計】
総支給:37万4262円
総控除:9万7836円
支給額:27万6426円

大雪によるラインの乱れで休日出勤が発生していました。

・三期目


・2018年3月
【勤怠】
出勤:22日
休出:1日
有休:1日

勤務:174.17時間
残業:18.17時間
深夜:57.59時間
休出:7.92時間

【支給】
基本給:24万3838円
残業手当:3万1798円
深夜手当:2万157円
休出手当:1万3860円
寮費補助:1万7000円
通勤手当:3880円

【控除】
寮費:3万7000円
寮雑費:3860円
水道光熱費:7011円
社会保険料:3万4591円
源泉徴収:8050円

【合計】
総支給:33万533円
総控除:9万512円
支給額:24万21円

家族イベントにつき、有給休暇を1回使用しています。

・2018年4月
【勤怠】
出勤:20日

勤務:158.34時間
残業:14.75時間
深夜:48.34時間

【支給】
基本給:22万1676円
残業手当:2万5813円
深夜手当:1万6919円
寮費補助:1万7000円
通勤手当:3880円

【控除】
寮費:3万7000円
寮雑費:3860円
水道光熱費:8276円
社会保険料:3万4455円
源泉徴収:6440円

【合計】
総支給:28万5288円
総控除:9万31円
支給額:19万5257円

・2018年5月
【勤怠】
出勤:19日

勤務:150.42時間
残業:4.92時間
深夜:37.92時間

【支給】
基本給:21万588円
残業手当:8610円
深夜手当:1万3272円
皆勤手当:6万円
寮費補助:1万7000円
通勤手当:3880円

【控除】
寮費:3万7000円
寮雑費:3860円
水道光熱費:5594円
社会保険料:3万4540円
源泉徴収:1万2940円

【合計】
総支給:31万3350円
総控除:9万3934円
支給額:21万9416円

3ヶ月ごとの皆勤手当が支給されています。

・四期目


・2018年6月
【勤怠】
出勤:21日

勤務:166.25時間
残業:15.75.時間
深夜:51.75時間

【支給】
基本給:23万2750円
残業手当:2万7563円
深夜手当:1万8113円
寮費補助:1万7000円
通勤手当:3880円

【控除】
寮費:3万7000円
寮雑費:3860円
水道光熱費:8108円
社会保険料:3万4497円
源泉徴収:6940円

【合計】
総支給:29万9306円
総控除:9万405円
支給額:20万8901円

・2018年7月
【勤怠】
出勤:21日
有休:1日

勤務:166.25時間
残業:14.59.時間
深夜:47.34時間

【支給】
基本給:23万2750円
残業手当:2万5533円
深夜手当:1万6569円
寮費補助:1万7000円
通勤手当:3880円

【控除】
寮費:3万7000円
寮雑費:3860円
水道光熱費:5111円
社会保険料:3万4487円
源泉徴収:6810円

【合計】
総支給:29万5732円
総控除:8万7268円
支給額:20万8464円

・2018年8月
【勤怠】
出勤:18日

勤務:142.50時間
残業:9.67.時間
深夜:44.42時間

【支給】
基本給:19万9500円
残業手当:1万6923円
深夜手当:1万5547円
皆勤手当:6万円
慰労金:46万3600円
寮費補助:1万7000円
通勤手当:3880円

【控除】
寮費:3万7000円
寮雑費:3860円
水道光熱費:8750円
社会保険料:10万748円
源泉徴収:3万1799円

【合計】
総支給:77万6450円
総控除:18万2157円
支給額:59万4293円

1年間継続すると「一旦慰労金」が支給されます。金額は、出勤日数に基準単価をかけた額です。

◆1年間の総支給額
9月:30万6978円
10月:39万8659円
11月:47万5029円
12月:40万3236円
01月:28万2345円
02月:37万4262円
03月:33万533円
04月:28万5288円
05月:31万3350円
06月:29万9306円
07月:29万5732円
08月:77万6450円

12ヶ月分の給与明細の総支給額を合わせると454万1168円となりました。

しかし、寮費補助があるので、1万7000円×12ヶ月の20万4000円分は額面だけ多くなっています。実はお世話になっている派遣会社にはもう一つの給与体系があって、そちらは時給が高い代わりに慰労金などの手当はなし。でも、寮費が無料という話なので向こうのほうが稼げるのではないかという疑念があります。「何とかなりませんか」とクレームはいれましたが「何ともなりません」という回答しか引き出せず、かといって転職も難しいので深く考えないようにしています。こういうことが予想できたので、働き始める前は派遣ではなく直接雇用を狙っていました。

雇用先によっては寮費、寮雑費、水道光熱費が掛からないこともありますので、期間工で働く際には十分にチェックしてみて下さい。私の環境ですと、入ってくる額も大きいですが、出ていく額もそこそこにあるので、なかなか思うようにはお金が貯まっていきません。それでも稼ぐことにしか興味がなかった以上、期間工という選択肢しかなかったと思っています。学歴も職歴もなく、資格も技術もない私のような人間でもそれなりにお金をいただけるお仕事でした。

まだ働いているので多くは書けませんが、すべて終わったら自ブログとかで何かしらの情報を発したいところです。働き始める前は私もたくさんの期間工ブログを参考にさせていただきました。

◆休日について


休日出勤があったりもしますが、基本は土日休み。祝日は工場の稼働日であることが多く、普通に働いています。代わりに1年に3回ほど大型連休があります。年末年始、ゴールデンウィーク、お盆休みは約10日前後の連休となるので、日々の労働を忘れ思いっきり羽を伸ばすことができます。私も不完全燃焼ですが大型連休中にはどこかしら遊びにでかけていました。

・年末年始
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・ゴールデンウィーク
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・お盆休み
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1年365日のうち、3分の2が稼働日で、残り3分の1が休日といった感じです。

◆でも、旅を仕事に


「できることなら働きたくない」という労働意欲に怪しい自信を理解しているからこそ、まだ続けています。当初の目標は2年。折り返し地点は過ぎました。でも、あと1年同じことができるとは考えていません。ただ、1日1日の積み重ねが1年になっている可能性はあります。これまでがそうだったようにこれからも。壊れないさじ加減で働くしかありません。週末には心身ともにリフレッシュすべくサウナで汗を流し、勤務中にトイレに行きたくならないように便通を整え、一日一日を消化していくのです。

一方で、また旅に出たいという希望もあります。


2018年4月のツイートですが「もう一度、自転車で世界一周をする」とか、何言ってるんだこいつと今更ながらに思うのですが、また旅に出たいという欲求はずいぶんと前から高まっていました。しかも、人のお金で。私がこれまでの人生で得たことは海外を自由に旅するくらいしかなくて、これを仕事に活かすことができたら最高に幸せだったりします。多分、未だにインドネシア語で買い物できますし、ロシア語のキリル文字もだいたい解読可能です。ほら、アフリカとかも結構旅しましたし、そのような人材は貴重ではないでしょうか。マサラタウンならぬマサイタウンにさよならバイバイしましたし、バケツシャワーだって得意です。

旅を仕事にしたいといっても稼がないと意味がありません。年齢も年齢ですし、いつまでも夢を追いかけていられません。だから、期間工の方が稼げるのであれば期間工を続けるでしょう。ですが、お金って集まるところには集まります。月旅行に出かける人もいます。だから、こうして旅を仕事にしたいと書くのはありな気がしました。可能性だってゼロではないですし。

では、何ができるかといえば……どうなんでしょう。これまでのようにGIGAZINEで記事を書き続けていれば、広告効果はあるのではないでしょうか。スマホメーカーをスポンサーに旅の写真を全部撮るとか、YouTuberをスポンサーにして旅の動画を全部渡すとか、ホテル予約サイトをスポンサーに旅の宿を全部予約するとか、はたまた石油王がお金を出してくれないかと、書いていて恥ずかしくなりますが、また旅することができたらと夢見てしまいます。しかも仕事として。もし旅を仕事にできるような神様がいらっしゃいましたらご連絡下さい。

最初は「もう旅なんてしない」と言っていたのですが、働いたら働いたで、この歳になっても何もない自身が嫌になって落ち込んで、そんな悲しさを飲み込んだままで淡々とした毎日を過ごしていました。期間工を続けたとしたら同じ日々が続いていくでしょう。このままじゃ何のスキルも身につきません。消化試合です。仕方ありません。受け入れてはいます。でも、どこかで今いる世界を変えてみたくて、こんなことを書いてみました。普通にゲストハウス開業を優先させるべきだとは思いますけど、今はともかく海外に行きたかったりします。紙の出版という悲願を達成するには、また何かしら大きなことが必要だったり。現実逃避は否めませんが、言葉にしないと奇跡だって起きませんから。

旅を終え、働きだしてもなお、GIGAZINEでは記事を書かせていただいています。そうした厚意に応えるにはヒットする記事をお届けしないといけません。だからこそ、気になる人は気になるだろう期間工のお金にまつわる話をまとめてみました。旅を仕事へのくだりは前々から胸に秘めていたので、ここしかないと書かせていただきました。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
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DMM講演依頼 https://kouenirai.dmm.com/speaker/takuya-shuto/)

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in コラム, Posted by logc_nt