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人体比率・骨格構造・関節可動域まで人間を模したヒューマノイドロボットとは?


世界には多数のロボットが存在し、バク宙可能な人型ロボット痛みを感じて反応することができるロボットなど、より実際の人間に近しいロボットが誕生しています。そんな中、日本の東京大学情報理工学系研究科・情報システム工学研究室が、「人間の動き」だけでなく骨格から関節の可動域に至るまであらゆる要素を人間に近づけたヒューマノイドロボットを開発しています。

Design principles of a human mimetic humanoid: Humanoid platform to study human intelligence and internal body system | Science Robotics
http://robotics.sciencemag.org/content/2/13/eaaq0899

This humanoid robot works out (and sweats) like we do (or should) | TechCrunch
https://techcrunch.com/2017/12/20/this-humanoid-robot-works-out-and-sweats-like-we-do-or-should/

2017年12月に研究者がScience Robotics上で発表した研究論文には、従来のヒューマノイドロボットの限界は「従来の工学・機械・エレクトロニクス・情報学に基づいて設計されているところ」と記されています。そこで、情報システム工学研究室の研究グループは人間の身体構造である筋骨格構造や感覚神経系、脳における情報の処理方法などを模倣し、より人間に近しいヒューマノイドロボット「Kenshiro(ケンシロウ)」を設計しています。


ケンシロウは、 人体比率・骨格構造・筋肉の配列・関節の可動域などを、可能な限り人間のものに近づけています。


例えば全身のパーツの比率が人間の数値に近くなるように調整されており、パーツのサイズだけでなく、各パーツの重量まで人間の数値と近くなるように設定されています


骨格構造も人間のものを模倣しており、体の真ん中を通る曲線状の脊柱や、胸・膝・骨盤などもそれぞれ金属・機械のパーツを用いて再現しています。


人間の筋肉の配列をまねし、機械の筋肉となるバネなどを配置している模様。


各関節部の可動域も人間と同じように設定しており、足は左右70度ずつ開脚可能であるところや、首は前方向に78度・後ろ方向に83度曲げられるなど、かなり細かく人体の動きを模倣しています。


ここまで徹底して人間の構造をまねしていますが、例えば「重い物体を持ち上げるロボット」を開発するだけならば、ここまで細かい模倣は不要です。しかし、今後ますますヒューマノイドロボットが増えていき、人間とロボットの共存が求められるようになった場合に、人間と同じ構造の「人間のように動くロボット」はより重宝されるはずとTechCrunchは記しています。

なお、ケンシロウは2012年から開発が進められており、身長160cm、体重51.9kgで日本の平均的な13歳の男の子をモデルにしているそうです。


ケンシロウと同じ理論の下で作られた、1世代後のヒューマノイドロボット「Kengoro(ケンゴロウ)」は、2016年にアメリカの電気工学技術の学会誌である「IEEE Spectrum」上で紹介されており、GIGAZINEでも記事化しています。

汗をかいて熱を逃がすことで11分間連続腕立て伏せができるロボット「ケンゴロウ」 - GIGAZINE


ケンゴロウは2016年から開発されているという新型のヒューマノイドロボット。身長は167cm、体重は56.5kgとリアルな人間と同じような身長・体重をしています。


ケンゴロウには、アルミニウムをレーザー焼結させたスポンジのように高い浸透性を持った多孔質素材フレームが用いられています。ケンゴロウの動力となるモーターが発熱して「体温」が上がった際、このスポンジのような多孔質素材フレームに水を注入することで、水がにじみ出てモーターの熱を抑えることが可能となります。これがケンゴロウにとっての「汗をかく」状態。全身の構造だけでなく、汗をかくという生理現象までまねしてしまっているわけです。

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in ハードウェア, Posted by logu_ii