サイエンス

培養した筋肉を搭載したハイブリッドロボットが開発される


「ロボットに生きた筋肉を接続して動かす」と聞くと、まるでSFの世界みたいに感じる人も少なくないはず。東京大学の研究チームはそんなSF的発想を実現し、生きた筋肉を搭載したロボットを作り出しました。

Biohybrid robot powered by an antagonistic pair of skeletal muscle tissues | Science Robotics
http://robotics.sciencemag.org/content/3/18/eaat4440.full

Watch: A robotic finger uses its lab-grown muscles to lift an object — Quartz
https://qz.com/1293276/watch-a-robotic-finger-uses-its-lab-grown-muscles-to-lift-an-object/

東京大学の竹内昌治教授らの研究チームは、人間の腕の骨を模した樹脂製のパーツに、研究室で培養した筋肉を人間の指と同じ構造で接続したロボットを開発しました。ロボットは実際の腕と同じ拮抗筋構造を持っているとのことで、電気信号を流すことで人間の腕と同じ仕組みで動かすことができます。ロボットは手のひらサイズの小さな水槽の中で稼働します。

培養した筋肉を搭載したロボットが動いている様子は、以下のツイートに埋め込まれたムービーから見ることができます。


これまでにも生きた筋肉を搭載したロボットについては研究されてきましたが、培養した筋肉は短時間で収縮してしまい、長期間にわたって動作し続けることができなかったとのこと。今回研究チームが開発したロボットは水中でしか動かせないものの、実に1週間にわたって機能を保持しています。


ロボットは人間の前腕部に似た構造を持っており、電気信号を流すことで、2本の人工筋肉がそれぞれ相互に連携して伸縮可能。筋肉を伸縮させると、まるで人間の腕のように最大90度まで先端のアームが曲がります。


ロボットを水中に設置された輪に近づけて……


ちょうどいいタイミングで筋肉を収縮させると、輪をロボットアームの先に引っかけることができます。


そのまま輪を持ち上げても、筋肉を収縮させ続けることで輪を落とすことはありません。


少し離れたところにある棒の近くまで輪を移動させ……


再び筋肉を緩めることで、上手に輪を棒に引っかけることができました。


2個のロボットを同時に使うことも可能。


タイミングを合わせてロボットの筋肉を収縮させ……


大きな目標物を引っ張り上げることができます。


竹内教授は今後も生きた筋肉を搭載したロボットの研究を進め、本物に近い義手の開発や研究室における人工の実験体開発などに役立てたいとしています。

・関連記事
自分の臓器のモデルを簡単に3Dプリンターで出力できるようになるかもしれない - GIGAZINE

「学習をほとんど必要としない」義手が開発される - GIGAZINE

ロボットに「皮膚の感覚」を与えて自己再生&再利用可能な「人工皮膚」が発表される - GIGAZINE

タマネギの皮から新しいタイプの人工筋肉を作成することに成功 - GIGAZINE

18歳の高校生が3Dプリンターで父親にオリジナルの義手を製作してプレゼントしたと話題に - GIGAZINE

in ハードウェア,   サイエンス,   動画, Posted by log1h_ik