ハードウェア

第7世代Intel Coreプロセッサ「Kaby Lake」のデスクトップ版CPUが登場、前モデルと性能変わらずとの評価に


2017年1月3日に第7世代Intel Coreプロセッサー「Kaby Lake」のデスクトップPC向けCPUがIntelから正式に発表されました。Intelの公式発表と同時にKaby Lake世代のCPUのレビュー記事が解禁されましたが、新CPUの性能は第6世代Coreプロセッサー「Skylake」シリーズからめぼしい性能向上はない、という結果になっています。

Intel Kaby Lake Core i7-7700K, i7-7700, i5-7600K, i5-7600 Review - Tom's Hardware
http://www.tomshardware.com/reviews/intel-kaby-lake-core-i7-7700k-i7-7700-i5-7600k-i5-7600,4870.html

Power and Overclocking - The Intel Core i7-7700K (91W) Review: The New Out-of-the-box Performance Champion
http://www.anandtech.com/show/10968/the-intel-core-i7-7700k-91w-review-the-new-stock-performance-champion/11

Intel Core i7-7700K Kaby Lake review: Is the desktop CPU dead? | Ars Technica
http://arstechnica.com/gadgets/2017/01/intel-core-i7-7700k-kaby-lake-review/

Intel Core i7-7700K review: Kaby Lake debuts for desktop - ExtremeTech
https://www.extremetech.com/extreme/241950-intels-core-i7-7700k-reviewed-kaby-lake-debuts-desktop

Intelはこれまでプロセスルールの微細化と新アーキテクチャによる機能向上を交互に行う「チック・タック」戦略を採ってきましたが、2016年3月に、微細化・機能向上に加えて「最適化」を追加する3ステップ戦略に変更することを明らかにしました。このため、Kaby Lake世代では前世代のSkylakeシリーズと同じく14nmのプロセスルールを維持したままで最適化を行うことになりました。


Intelの公式発表の後、Kaby Lake世代CPUの情報解禁が行われ、多くのIT系メディアでKaby Lake世代のハイエンドモデル「Intel Core i7-7700K」を中心とした性能テストの結果が公開されています。

MSIのマザーボード「Z270 GAMING M7」、8GBのDDR4-3400メモリ、簡易水冷CPUクーラー「Liqtech 240」という環境でテストしたTom's Hardwareのレビューでは、Skylake世代のハイエンドCPU「Intel Core i7-6700K」を7700Kと同等の周波数までOCした状態を含めたベンチマーク試験を行っています。

Cinebench R15のシングルコア性能はこんな感じ。7700Kと6700Kの性能差は誤差のレベルで、周波数通りの性能となっています。


CADソフト「ptc Creo 3.0」でも体感できる性能差はなさそうです。


Solidworks 2016のテストでは、Core i5モデルの比較も確認でき、Core i7同様に性能差がないことがわかります。


ExtremeTechのベンチマークテストでは、システム全体の消費電力は周波数の高い7700K環境の方が6700K環境よりも省電力なことが確認できます。


ただし、ベンチマークソフトによってはフルロード状態では6700K環境の方が消費電力が低い場面も見られ、必ずしもKaby Lakeの方がSkylakeよりも省電力とは言えない模様。


Skylake世代からの性能向上がほとんど感じられないKaby Lakeですが、OCしやすいことが指摘されています。ASUSのマザーボード「ROG MAXIMUS IX Extreme」を使ったArs Technicaのテストでは、簡単に5GHzのOCに成功。周波数に応じた性能アップを果たしています。


簡単に5GHzにOCできるというレビューが見られる中で、AnandtechによるOCCTを使った負荷テストでは、4.8GHzで温度が95度まで上昇し、コア電圧が1.425V必要な5GHzではオーバーヒートしたとのことで、CPUには個体差がありすべてのCore i7-7700Kが低発熱なCPUということではなさそうです。


いずれのレビュー記事でも「Kaby Lake世代のCPUはSkylake世代のCPUからほとんど性能向上していない」という評価を受けており、大方が「ライバルAMDの次期CPU『Ryzen』の登場が待たれる」という指摘をしています。つまり、Ryzenの性能次第でIntelがRyzenに対抗してKaby Lake世代のCPUの価格改定を行うことが期待されている、というわけです。大半のレビュー記事が「Kaby Lake世代のCPUへの移行はコストを考えるとメリットが少ない」という評価で一致しており、Ars Technicaにいたっては「6年前に登場した第2世代Intel Coreプロセッサー『Sandy Bridge』ユーザーでさえ、新しいSSDやGPUへのアップグレードを考えた方がいいかもしれない」という辛辣な評価となっています。

なお、AnandtechがまとめるKaby Lake世代のCPUリストは以下の通り。今後は、Core i3で倍率ロックが解禁されたCore i3-7350Kなどの下位モデルの登場が控えています。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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