ニコンD5500にノイズ低減用冷却ユニットを搭載し天体撮影向けに最適化した「D5500a Cooled」

ニコンのデジタル一眼レフカメラ「D5500」に冷却ユニットを搭載し、センサーフィルターをHα線対応のものにして天体撮影専用に改造した「D5500a Cooled」を、Primaluce Labというイタリアの天体観測機器メーカーが制作・販売しています。
Nikon D5500a Cooled DSLR camera
http://www.primalucelab.com/astronomy/d5500a-cooled-camera.html

D5500はニコンの数あるデジタル一眼レフカメラのラインナップの中ではエントリー向けに属するカメラです。
Primaluce Labの製作したD5500a Cooledは、D5500にイメージセンサーの温度を最高でも27℃までに抑えてノイズを減少させるための冷却システムと、冷却システム作動時の結露を抑えるための結露防止ステムを搭載。バッテリーも熱源となるので、普通のカメラバッテリーは使わず、バッテリースロットに専用アダプタを挿入して電源を供給します。

また、カメラ正面のセンサーフィルターもHα線領域をよく捉えるものに換装。

それぞれのフィルターの透過率を示したグラフがコレ。通常のフィルター(青い線)は、波長が600nmから700nmの間にある「Hα線」のところでは30%ほど。しかし、D5500a Cooled搭載のフィルター(オレンジ色の線)は100%近い値となっています。

実際にD5500a Cooledで撮影した写真はこんな感じになるそうです。

ニコンではデジタル一眼レフカメラ・D810のボディをもとに、光学フィルターの透過特性をHα線対応に変更して天体撮影専用としたD810Aをラインナップに入れていますが、Primaluce Labの人からは「これぐらい徹底的にやってくれればいいのに」と思われているのかも……。ちなみに、D5500a CooledのフィルターはD810A並の性能だとのこと。

価格は2190ユーロ(約25万円)。D810Aはニコンダイレクトで税込41万8500円なので、かなりお安く入手できるということに……。
なお、同様にキヤノンのEOS 700D(日本での機種名はEOS Kiss X7i)を改造した700Da Cooledも販売されています。価格は1790ユーロ(約20万5000円)です。
Canon 700Da Cooled camera
http://www.primalucelab.com/astronomy/700da-cooled-camera.html

Camera raffreddata 700Da Cooled - YouTube
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