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GoogleがAndroidのアップデートを迅速に配布すべくスマホメーカーに強硬手段をとる

By TechStage

Androidの次期OSとなる「Android N」のプレビュー版がすでに公開されており、2016年内に正式にリリースされる見込みです。しかし、Androidの最新バージョンが公開されても、すぐにアップデートできるのはGoogleのNexusシリーズであり、それ以外のスマートフォンは各メーカーの更新を待つ必要があります。最新のアプリを使ったりセキュリティを強固に保ったりするためにも最新バージョンへのアップグレードが必要である中で、Googleは更新への対応が遅れがちのスマートフォンメーカーに対して圧力をかけて最新バージョンへの早急な対応を促しているようです。

Google Steps Up Pressure on Partners Tardy in Updating Android - Bloomberg
http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-05-25/google-steps-up-pressure-on-partners-tardy-in-updating-android

Google once again tries to put pressure on OEMs and carriers to update Android phones
http://www.neowin.net/news/google-once-again-tries-to-put-pressure-on-oems-and-carriers-to-update-android-phones

Androidの正式版最新バージョンは、2015年10月にリリースされた「Android 6.0 Marshmallow」ですが、リリースから7カ月以上経過した2016年5月2日時点での使用率はたった7.5%しかありません。使用率が最も高いのはAndroid 4.4 KitKatで、2013年に公開されたにも関わらず、未だに使用率が32.5%もあります。


対して、Appleが2015年9月に公開したiOSの最新バージョン「iOS 9」の使用率は2016年5月9日時点で84%。これを考えると、Android 6.0 Marshmallowの「7.5%」という数字がいかに低いかがよくわかります。


Appleはハードウェアとソフトウェアの両方を自社で開発しており、最新OSを既存のiPhoneに合わせることが容易にできるため、最新のOSが発表されたらすぐにでもダウンロードすることが可能です。一方で、GoogleはAndroidの開発を手がけていますが、ハードウェア自体はSamsungやソニー、HTCといった企業が開発しており、Googleが最新バージョンのOSを各企業に配布しても、最新のAndroidをハードウェアに合わせるのには時間が必要で、その後に携帯電話のキャリアによるテストを経てユーザーに配布できるようになります。なお、このキャリアによるテストはAppleの場合でも同様です。

最新バージョンの配布が遅れると、端末のセキュリティに問題が起こります。2015年にStagefrightの脆弱性が発見された後、Googleはセキュリティパッチを毎月配布するようになりましたが、セキュリティパッチはNexusシリーズにはすぐに配布されるものの、他のスマートフォンは開発しているメーカーがセキュリティパッチをスマートフォンに適応させてから配布する必要があり、各メーカーでパッチの配布状況が異なるため多くのAndroidスマートフォンで脆弱性が残っているとされています。また、キャリアの中にはセキュリティを優先しない企業があり、ユーザーにパッチがなかなか配布されないこともあるそうです。

このような事態に怒りを感じるユーザーは当然おり、オランダで消費者グループが多くのデバイスに対するアップデートを放棄しているとしてLGとSamsungを相手取り訴訟を起こしたケースがあります。また、アメリカの連邦通信委員会が携帯電話のキャリアやメーカー、そしてAppleとGoogleに「どうすればアップデートを迅速に配布できるようになるのか」、聞き取りを行ったこともありました。

Bloombergが報じたところによれば、こういった状況を打破すべくGoogleは今までよりも強制的な処置をとっているとのこと。端末が最新のセキュリティパッチを受け取っているか、OSが最新バージョンになっているかをメーカー別にランク付けしたリストを作成し、各メーカーと共有した上で、リストの公開についてメーカーと協議がなされたそうです。このリストが公開されれば、どのメーカーが積極的にアップデートに取り組んでいるかいないかが公にされるわけで、アップデートをおろそかにしているメーカーにとって大きな痛手になります。

By Rob Bulmahn

Googleは強硬手段をとるだけではなく、自社でもアップデートのプロセスを短縮化するための対応をとっています。例えば、「Allo」といった最新アプリをスタンドアロンとしてリリース予定で、アプリがスタンドアロンとして提供されることで、Googleはキャリアのテストを経ることなくアプリのアップデートを配布可能になります。また、Instant Appsなどの最新機能を、2012年にリリースされた「Android 4.1 Jelly Bean」以降のバージョンに対応させる予定です。

Googleは「Android N」のプレビュー版を2016年3月に公開済み。これは例年よりも公開が早く、メーカーはより早く端末の調整に当たることができます。Android Nの正式版が公開されたとき、今回はNexusシリーズでない他の端末でも早い段階で最新OSを使えるようになる可能性が出てきています。

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