元Appleエンジニアが全自動で食材を見分けて調理するスマートオーブン「June」を開発
庫内に入れた食材の種類・重さ・温度を自動で判別して、最適な調理方法を提案し料理してくれるという全自動オーブンが「June」です。Juneの開発には、元AppleエンジニアのNikhil Bhogal氏と、Appleで製品販売を担当していたMatt Van Horn氏が携わっています。
June — the computer-based oven that thinks like a chef
https://juneoven.com/
Former Apple engineers have built a $1,495 oven that can identify your food | The Verge
http://www.theverge.com/2015/6/9/8751947/june-oven-identify-your-food
全自動調理が可能なオーブン「June」の詳細は、以下のムービーなどを見れば分かります。
June Intelligent Oven - YouTube
これが「June」。どことなくMac製品のような丸みを帯びたフォルムをしています。
本体の右側にはタッチパネルと……
くるくると回して操作するツマミがついています。
Juneが1台あれば、「温める」「焼く」「ローストする」「煮る」などさまざまな調理が可能。
Juneは庫内の食材を自動で見分けてくれます。例えばクッキーの載ったトレイを入れると……
Juneが食材をクッキーだと判別して、「ピロリロリン♪」という音と共にタッチパネルにイラストが表示されました。
食材に合わせて適切な調理温度と時間も自動で算出してくれるので、あとはスタートボタンを押すだけでOK。JuneはCPUにNVIDIAのクアッドコアTegra K1プロセッサを搭載しています。
Juneには、その他にフルHDカメラや、食材の重さを自動で量るデジタルスケール、調理の進み具合をモニターする独自の技術「Food ID」が搭載されていて、庫内の様子を常にチェック。
21インチの巨大なガラス窓を通して調理の進行度合いをいつでも確認できます。
Juneはオーブンであるにも関わらずWi-Fi機能を搭載していて、iPad/iPhone向けに用意された専用アプリを使って、庫内のカメラから送られてくる画像をリモートで確認可能。
クッキーがぷくーっとふくれていく様子をiPhoneから確認しつつ、調理時間を長くしたり、調理をストップしたりすることもできます。
庫内に搭載されているLEDライトのおかげで、食材が明るく照らされてアプリからハッキリと見えるわけです。
さらに、iPhoneを数回タップして操作するだけで……
調理中のムービーを、Instagramなどの外部サービスと共有可能。
そうこうしている間にクッキーが完成。「冷蔵庫の中に食材をぽいっと放り込んでおくだけのような気軽さで料理を作ることができます」とのこと。
続いて、厚切りのお肉に下味をつけて、Juneに入れるだけで……
Juneがステーキの調理を開始して、お肉の焼き加減を提案してくれます。
さらに、普通に調理すればかなりの時間と労力が必要なローストチキンをJuneで作っていくことに。
ここでは専用の温度計が活躍。
チキンにぶすっと突き挿します。
調理中は温度計が肉の内側の温度を測り続けて、Juneが適切な温度でチキンを加熱。
調理が終了すればアプリに通知が来るので、調理の間にキッチンを離れていても安心です。
外はカリカリ、中はジューシーなローストチキンが完成。
調理の流れとしては、「1:トレイに食材を載せて、温度計を挿す」「2:Juneが食材の種類・重さ・温度を判別して調理方法を提案」「3:調理中も食材の様子を常にモニターして料理を作ってくれる」というようになっています。
また、「全自動オーブンと言っても、何を作ればいいか悩んでしまう……」という場合は、June専用に作られた何千ものレシピが参考になります。
ピザや……
香ばしく焼いたサーモン。
野菜のグリルなど、メジャーな料理のレシピは全て網羅しているとのこと。
Juneの詳細なスペックは以下の通りです。
・サイズ:幅22インチ(約56cm)×高さ13インチ(約33cm)×奥行き18インチ(約46cm)
・容量:1立法フート(約28L) (9インチ(約23cm)×13インチ(約33cm)以内のクッキングシート、11インチ(約28cm)×16インチ(約41cm)以内の皿を使って調理可能)
・重さ:45ポンド(約20kg)
・ディスプレイ:5インチ(720×1280)、視野角160度、LEDバックライト
・操作方法:静電容量方式のタッチパネル、回転式つまみ
・Wi-Fi規格:802.11 a/b/g/n 2.4/5 Ghz 対応
・CPU:NVIDIA Tegra K1 Quad-Core ARM Cortex-A15 2.3 GHz
・GPU:192 NVIDIA CUDA cores
・RAM:2GB DDR3 1600MHz
・カメラ:1920×1080、30 FPS
・重量センサー:ロードセル4機
・その他センサー:温度計、光センサー
なお、Juneは2016年春の一般販売を目指していて、記事作成時点では公式サイト上で1495ドル(約18万5000円)で予約を受付中。発送先はアメリカ国内限定となっており、海外向けの販売については現在検討中とのことで、ココから登録しておけばアップデート情報をゲットできるようになっています。
・関連記事
世界初の自動で一流シェフ並の料理を作ってくれる「ロボットキッチン」が登場 - GIGAZINE
料理の時間を大きく短縮しつつおいしい朝食や夕食を作れるようになる「Mellow」 - GIGAZINE
コンロの火加減をレシピ通りに自動調節してくれて料理の失敗がなくなる「Meld」 - GIGAZINE
ボタンを押して放置するだけで極上料理が完成するという真空調理器「Anova Precision Cooker」を使ってみた - GIGAZINE
フリーズして動かなくなったMacBook Proをオーブンで焼いて復活 - GIGAZINE
・関連コンテンツ