年収1500万円未満の家庭の学生は学費がタダという超名門大学とは?
アメリカのスタンフォード大学が、経済的に恵まれない学生を支援するべく従来からある学費補助制度をさらに拡充し、家庭年収が12万5000ドル(約1500万円)未満の学生の授業料を無償にすると発表しました。スタンフォード大学の学費援助プログラムは学費が無料になるだけでなく、学生にアルバイトを求めるなど、なかなかユニークな内容になっています。
Stanford offers admission to 2,144 students, expands financial aid program
http://news.stanford.edu/news/2015/march/new-admits-finaid-032715.html
スタンフォード大学は2019年度が始まるまでに、家庭年収が12万5000ドル(約1500万円)未満の学生の授業料を無償にすることを決定しました。これは、従来は10万ドル(約1200万円)だった上限年収を引き上げたもので、より多くの学生が授業料を払うことなく勉強できることになります。なお、スタンフォード大学の授業料は年間約4万ドル(約480万円)です。さらに、従来は家庭年収が6万ドル(約720万円)未満の学生は寮費などの下宿代も無料になっていたところ、この上限年収も6万5000ドル(約780万円)に引き上げられる予定です。
スタンフォード大学のジョン・エッチメンディ学長は、「我々の最優先事項は、優秀な学生が経済的状況に左右されることなく、スタンフォード大学を選べるようにすることです。我々の学費援助プログラムはその理念を実現するためのものであり、中流階級を含む多くの家庭が子どもの学業のために負債を抱える必要はなく、学生が勉学に打ち込めるようになるはずです」と制度の趣旨を説明しています。
なお、スタンフォードの学費援助プログラムでは、学費援助を受ける学生は、夏期休業中にアルバイトやインターンをすることでお金を稼ぎ、年間5000ドル(約60万円)をスタンフォード大学に返還することが求められています。ここからは学業だけでなく社会貢献についても大学生活の重要な要素と考えるスタンフォード大学の方針が読み取れます。なお、この返還は家族の援助を受けるのもアリとのことで、学生は純粋に研究に打ち込むことも可能なようです。
By CollegeDegrees360
スタンフォード大学はシリコンバレーの近くにあるという地の利を生かしてアメリカでは今やハーバード大学をしのぐ人気を誇ります。卒業生にはGoogle創業者のラリー・ペイジ&セルゲイ・ブリン、Yahoo!の創業者のデビッド・ファイロなどシリコンバレーの著名人も多く、そうそうたる卒業生による多額の寄付によって、スタンフォード大学が学費援助プログラムを充実させていることは想像に難くありません。どうやら「卒業生の活躍によって次世代のリーダーがスタンフォード大学で新たに育まれる」という好循環が生まれていそうです。
・おまけ
東京大学の「学生生活実態調査」によると、家庭年収が450万円未満の東大生の割合は年々増加する傾向にあり、2013年には3分の1を超えたとのこと。世界中で優秀な学生の奪い合いが避けられないグローバル時代においては、学生の学業を支援する学費免除などの制度のさらなる充実が求められそうです。
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