私立大学関係者必見、偏差値が高い「名門大学」を作る方法
受験生の総数が全大学の入学定員総数を下回る「大学全入時代」の到来を受けて、各大学は生き残りを賭けた激しい争いを強いられるようになりましたが、そんな中、偏差値が高い「名門大学」を作る方法があるようです。
この通りに大学を改革していけば、大学同士のサバイバル競争に勝ち残れるかもしれません。
詳細は以下の通り。
・生き残る大学≒偏差値の高い大学
大学を語る上で、重要な役割を果たす要素として「偏差値(学力偏差値)」があります。偏差値はランキングという形で公開されるなど、各大学の実力を測る指標として用いられており、大学受験を控えた受験生たちにとって大きな役割を果たします。
また、受験生の大半は大学進学について「○○大学で××を勉強したい」という確固たる目標があるわけではなく、漠然と「△△学部に進学したい」などと思っていることが多いため、仮にA大学の△△学部とB大学の△△学部の両方に合格した場合、たいていが偏差値の高い(実力の高い)大学を選んでしまう傾向があることから、その大学の偏差値が今後の命運を左右すると言っても過言ではありません。そこで偏差値を上げる必要が出てきます。
・偏差値を上げる方法
このように偏差値は受験生にとっても大学にとっても大きな役割を果たすわけですが、ではどうすれば偏差値を上げることができるのでしょうか。その方法を説明します。
1.推薦枠を最大限活用する
以下に示した文部科学省による通達によると、各大学は付属高校からの持ち上がりも含めて入学定員の50%までを推薦枠で入学させることができるようになっています。
平成一六年度大学入学者選抜実施要項について-文部科学省
二 大学の推薦入学の募集人員については、私立大学の附属高等学校からの推薦入学に係るものも含め、学部・学科等募集単位ごとの入学定員に占める割合について、五割をめやすにしながらその範囲において各大学が適切に定めるものとする。
よって系列の付属校の拡充や周辺高校との提携などを用いて積極的に推薦枠を埋めることは、一般入試枠を「狭き門」にすることで倍率、偏差値を上げる一助になるだけでなく、青田買いで囲い込んでしまえるため、安定した学生の確保が可能になり、一石二鳥です。
首都圏や関西圏などで、さまざまな私大が付属高校だけでなく、付属の小中学校を新設したり、周辺高校を系列校として合併しているのも、このようなことを見込んでのことです。
2.入試方式を充実させる
以下に示した代々木ゼミナールの「入試難易ランキング表」の注意書きのように、基本的に各大学の偏差値比較に用いられるのは特殊な選抜方式を除いた、メインとなる「3教科型」の入試日程の偏差値となっています。
はじめにお読みください 代々木ゼミナール
また、特殊な選抜方法(B・C方式などやセンター試験利用の選抜)は除いています。
そのためセンター試験利用型入試や2教科型の「○○方式」、英語重視型の「××方式」、数学重視型の「□□方式」…といった多彩な入試方式を導入してそちらに多くの定員を割り振り、偏差値比較の対象となる入試日程の定員を意図的に減らすことも、偏差値を上げるためには有効です。
また、複数回受験を可能にすることで受験生の人気も高まるほか、私立大学にとって大事な収入源である受験料収入の増加も見込めます。
つまり仮に入学定員が1000人である場合、500人を推薦入学させて、残り500人のうち400人を特殊な入試方式で入学させ、残り100人を偏差値の比較対象となる入試方式で選抜すれば、単純に入学者数を減らして「狭き門」を作って偏差値を上げるのとは異なり、学校経営の基盤となる学生数を維持したまま「(見かけ上の)偏差値が高い名門大学」を作ることができるというわけです。
ただしこの場合、同じ大学の学生であるにもかかわらず学生同士に大幅な学力差が生じてしまう可能性があるので、学生の学力低下が問題となった場合、「行き過ぎた入試改革への反省」「学力低下への懸念」などといった理由を付けて、特殊な入試方式を順次廃止していくのもいいかもしれません。
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