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無料で著名ゲームクリエイターの助言をまとめた書籍「ゲームクリエイターが知るべき97のこと」が閲覧可能に

By clarissa rossarola

ゲームの企画から制作までを行う開発者のことをゲームクリエイターと言い、その中にはプロデューサーやゲームデザイナー、シナリオライターやプログラマなどさまざまな職種があります。そんなゲームクリエイターの中から著名な人のアドバイスをまとめた書籍が「ゲームクリエイターが知るべき97のこと」で、ウェブ上から無料で閲覧可能になっています。なお、書籍の内容自体はCreative Commons 3.0のもと自由に使用可能となっています。

ゲームクリエイターが知るべき97のこと
http://xn--97-273ae6a4irb6e2hxjpb5etb3nqtgfpmg22065a.com/

1:「勝手にテコ入れゲーム企画」を考えよう! / 石川淳一(いしかわじゅんいち)
2:誰でもできることから始める / 石倉 力(いしくらちから)
3:プログラマの「ゲーム作り」への情熱 / 石畑 義文(いしはたよしふみ)
4:ゲームクリエイターは何でもできた方がいい / 石原 恒和(いしはらつねかず)
5:君は反省し続ける事ができるか? / 今給黎 隆(いまぎれたかし)
6:お宝と燃料を同時に手に入れよう! / 岩出 敬(いわでたかし)
7:私たちは誰のためにゲームを作っているか / 宇佐見 公介(うさみこうすけ)
8:ピグライフをつくるときに考えたこと / 浦野 大輔(うらのだいすけ)
9:ムダなムダを徹底的に切り捨てる / 益 弘和(えきひろかず)
10:面白さには旬がある / 遠藤 雅伸(えんどうまさのぶ)
11:理論を軽視しないこと / 大垣 真二(おおがきしんじ)
12:限られたリソースの中で~サーバ運用の現場から~ / 大澤 範之(おおさわのりゆき)
13:神は細部に宿りたまう / 大野 功二(おおのこうじ)
14:面白くならなくてもいいから、短時間で作ってみよう / 大前 広樹(おおまえひろき)
15:ゲーム創りを楽しむための3つのポイント / 岡本 征史(おかもとゆきふみ)
16:多様化するアニメーターの役割 / 金久保 哲也(かなくぼてつや)
17:明日を創るゲームテクノロジーへの挑戦 / 大野 功二(おおのこうじ)
18:運命のドア / 金子 晃也(かねこあきなり)
19:チケット駆動開発と自動化 / 粉川 貴至(こかわたかし)
20:テクニカルアーティストが持つ責任 / 亀井 敏征(かめいとしゆき)
21:魅力的なグラフィクスのために心に留めておくべきこと / 川瀬 正樹(かわせまさき)
22:頭の中に完成形は出来ているか / 北村 浩久(きたむらひろひさ)
23:どこまでがゲームなのか、ゲームデザインなのか / 鬼頭 雅英(きとうまさひで)
24:「それを最初に思いついたのは僕だ」で、それがどうした。 / 木下 昌也(きのしたまさや)
25:ユーザー視点を意識しよう / 木本 旬(きもとひとし)
26:リーダーシップとはなんぞや? / 窪 洋一(くぼよういち)
27:UIの「正解」を求めて / 栗城 桂子(くりきけいこ)
28:コンテンツビジネスからコンテンツサービスビジネスへ / 郷田 努(ごうだつとむ)
29:継続的デリバリー / 粉川 貴至(こかわたかし)
30:ゲームのサウンドデザイナーとして / 小塩 広和(こしおひろかず)
31:ゲームの「技術」とは何か / 五反田 義治(ごたんだよしはる)
32:作業フローのクリティカル・パスに効く開発環境 / 後藤 誠(ごとうまこと)
33:チヤホヤされるための努力 / 小林 貴樹(こばやしたかき)
34:チームで試行錯誤する / 小林 俊仁(こばやしとしひと)
35:ユーザー目線・ビジネス目線・クリエイティブ目線 / 齊藤 康幸(さいとうやすゆき)
36:価値の高い人間となるためには / 崎元 仁(さきもとひとし)
37:半歩だけ先を行く「凡人」の仕事術 / 佐々木 久美(ささきくみ)
38:違和感を見逃さない / 佐々木 瞬(ささきしゅん)
39:スケールアウトせよ / 佐藤 良(さとうりょう)
40:世の中から戦争をなくす / 佐藤 類(さとうるい)
41:趣味丸出しの製品づくりのために / 佐野 信義(さののぶよし)
42:普通になった「ゲーム」を作るときに知るべき1つのこと / 椎葉 忠志(しいばただし)
43:ゲームデザイナーがアイデアに困ったときは / 塩川 洋介(しおかわようすけ)
44:体験からイノベーションを起こそう / 清水 亮(しみずりょう)
45:バランスの破綻を防ぐゲームデザイン / 下田 賢佑(しもだけんすけ)
46:主観無き開発は無力 / 下田 星児(しもだせいじ)
47:パラダイムシフトと技術 / 辛 孝宗(シン・ヒョジョン)
48:ゲーム制作者にとって大事なもの / 鈴木 健夫(すずきたけお)
49:開発機材との付き合い方 / 砂塚 佳成(すなづかよしなり)
50:テクニカルアートの魂(soul) / Steve Theodore(スティーブ・セオドア)
51:変化は来る、生き残っていくために / 世古口 拓也(せこぐちたくや)
52:オンラインゲームサーバーの開発 / 節政 暁生(せつまさあきお)
53:「伝える」プロデュース / 高木 謙一郎(たかきけんいちろう)
54:ときには匿名で活動してみよう / 高橋 啓治郎(たかはしけいじろう)
55:スピードこそが重要 / 竹内 将典(たけうちまさのり)
56:良い開発環境の作り方 / 多田 航(ただわたる)
57:楽しいと思った事象を構造化し、パターン認識で捉えること / 田中 泰生(たなかたいせい)
58:違和感を大切に / 谷口 勝也(たにぐちかつや
59:シェイクスピアを読め!歌舞伎を観よ! / 塚本 昌信(つかもとまさのぶ)
60:まず、今居る場所で改革せよ / 土田 善紀(つちだよしのり)
61:コミュニティ時代におけるゲームビジネスの一提案 / 土屋 暁(つちやあきら)
62:応用力を高めるために基礎を学ぼう / 五反田 義治(ごたんだよしはる)
63:プロデューサーについて少し話したいこと / 照山 茂行(てるやましげゆき)
64:ミドルウェアを賢く選ぶ / Mark DeLoura(マーク・デローラ)
65:僕が“世界水準”を意識できるようになったきっかけ / 戸島 壮太郎(とじまそうたろう)
66:「モデル検査」のススメ / 長久 勝(ながくまさる)
67:待ち時間を無くせ / 中嶋 謙互(なかじまけんご)
68:ゲームサウンドデザインという世界 / 中西 哲一(なかにしてつかず)
69:ゲーム体験を伝える想像力 / 中村 勲(なかむらいさお)
70:モノ作りの宿命 / 名越 稔洋(なごしとしひろ)
71:もっとプログラムを身近な遊び道具にしたい / 小林 貴樹(こばやしたかき)
72:ゲーム開発はチームワーク / 橋本 祐介(はしもとゆうすけ)
73:ゲームクリエーターは全てを知っていなければならない / 林 洋人(はやしひろと)
74:ゲームプロデューサーが知るべき3 つのこと / 伴 哲(ばんさとし)
75:映像系プログラマが音の世界に飛び込んで / 土田 善紀(つちだよしのり)
76:手放せば、楽になりますよ / 日比野 則彦(ひびののりひこ)
77:専門化を疑うべき時 / 平山 尚(ひらやまたかし)
78:「知識ベースの理解」と「構造ベースの理解」 / 深澤 正俊(ふかざわまさとし)
79:ゲームクリエイターがゲームでないものを作る時代 / 深田 浩嗣(ふかだこうじ)
80:動的言語を併用しよう / 中嶋 謙互(なかじまけんご)
81:VCと付き合う / 深田 浩嗣(ふかだこうじ)
82:自分自身のベクトルを合わす / 藤村 幹雄(ふじむらみきお)
83:インターネットにおけるゲームのインパクト、あるいはその逆 / 藤本 真樹(ふじもとまさき)
84:仕組みが理解できる。それがテクニカルアーティスト / 麓 一博(ふもとかづひろ)
85:ゲームのコントロールをシンプルに / Ryan Payton(ライアン・ペイトン)
86:残念な現場 / 細江 慎治(ほそえしんじ)
87:とあるオンラインゲーム開発会社の話 / 本城 嘉太郎(ほんじょうよしたろう)
88:音楽家的ゲーム考 / 松浦 雅也(まつうらまさや)
89:師匠であるO先輩に教えてもらった事 / 松下 正和(まつしたまさかず)
90:我が社は3Kゲーム / 森川 幸人(もりかわゆきひと)
91:英語学習を「ゲーム」にしよう / 矢澤 竜太(やざわりゅうた)
92:ゲームにおける物理モデル音源の現実と未来 / 矢島 友宏(やじまともひろ)
93:世界は宝の山である / 簗瀬 洋平(やなせようへい)
94:GDCの歩き方 / 林 洋人(はやしひろと)
95:アジャストする力 / 山野辺 一記(やまのべかずき)
96:一回捨てませんか? / 平山 尚(ひらやまたかし)
97:ゲームを通して友人との共通の思い出を生産すること / 吉田 大成(よしだたいせい)

例えば、ポケットモンスターシリーズをプロデュースし、株式会社ポケモン代表取締役社長を務める石原恒和氏による「4:ゲームクリエイターは何でもできた方がいい」では、ゲームクリエイターはゲームデザインだけでなく、プログラミングやゲーム音楽など、ゲームを開発する全工程を経験しておくべき、というアドバイスが挙げられています。全工程を体験することで、どんなポジションでもゲーム開発に参加でき、さらに、自分と他の人が担当している領域の位置関係を把握できるため、「自分が何をすることがゲーム開発において重要か」を判断できるとのこと。

By Camilo Durán

石原氏は、ゲームクリエイターの重要な資質として、ただゲームが好きなのではなく、ゲームの何が面白いのか、ゲームを分解して理解する能力を挙げています。また、ゲームクリエイターは、ビデオゲームだけでなくボードゲームやカードゲームからスポーツの競技まで、ゲームに関連するものなら何でも体験すべきとのこと。物理的な遊びと、電視的な遊びを融合させるアイデアこそが、今後のゲームクリエイティブにとって最も重要になるそうです。

同人ゲーム制作から始まり、公官庁システム・CAD/DTPソフトウェア会社などを経てスクウェア(現スクウェア・エニックス)に入社した経歴を持つ土田善紀氏のエッセイ「60:まず、今居る場所で改革せよ」は、転職を重ねてきた土田氏ならではの内容。「もうこんな会社は嫌だ。会社を辞めたい」という現状に不満がたまっている場合に、転職するのではなく、自分や他の社員、もしくは会社を変えることから始めて、今いる職場で改革を起こすべきだと述べています。

By Tim Regan

自分の不満を解消するためにやるべきことにチャレンジして、それでも無理と感じた時には、正々堂々と去るとのこと。これは、ゲーム業界だけではなく他の業界にも同じことが言えそうです。

株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントJAPANスタジオのプロデューサーである伴哲氏は「74:ゲームプロデューサーが知るべき3つのこと」というエッセイを書いていて、エッセイ内で「1:スペシャリストではなく、ゼネラリストに」「2:発言の影響力を自覚する」「3:夢じゃ米は買えない」という3つの具体的なアドバイスを提示しています。

By Loving Earth

特に「3:夢じゃ米は買えない」が秀逸で、「ゲームクリエイターとは夢を語るのではなく、夢を形にする人である」と主張し、ゲームプロデューサーの立場として最も重要なのはビジネスとしての成功であり、「好きなものを作れればいい」という考えは許されないとのこと。開発スタッフが夢を「形」にして、それをプロデューサーが「米」に変える、これこそがプロデューサーの真価になります。

「ゲームクリエイターが知るべき97のこと」は、上述以外にもグリー株式会社の取締役執行役員常務の吉田大成氏や、株式会社バンダイナムコスタジオサウンド部所属のサウンドデザイナーの中西哲一氏など、ゲーム開発に関わるさまざまな人のエッセイをまとめてあり、ゲーム業界に興味がない人でもためになりそうです。

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in ネットサービス,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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