メモ

ビル・ゲイツが選ぶ「あなたが見逃したかもしれない2014年のグッドニュース」


マイクロソフトの共同創始者であるビル・ゲイツは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の共同会長として、エイズの感染率低下のため次世代コンドームの開発に出資したり、教科書価格が高騰しているアメリカの大学へオンライン教科書の作成のための資金援助を行うなど、さまざまな活動を行っています。そんなビル・ゲイツがチョイスした「あなたが見逃したかもしれない2014年のグッド・ニュース」が発表されました。

Good News You May Have Missed in 2014 | Bill Gates
http://www.gatesnotes.com/About-Bill-Gates/Year-in-Review-2014

◆1:5歳の誕生日を迎えられる子どもが増加


ビル・ゲイツにとって進歩を確認する最良の方法が「どれほどの子どもたちの死を未然に防ぐことができるか」ということ。5歳の誕生日を迎えられる子どもは以前よりも増えており、2014年を含め42年間連続で子どもの死亡率が減少しています。この問題をグラフ付きで掲載したThe Economistによると、2001年以来、世界中で1360万人の子どもの命が救われているとのこと。

Falling child mortality: The causes of a welcome trend | The Economist
http://www.economist.com/news/international/21620223-setting-goals-helped-save-young-lives-causes-welcome-trend

◆2:エイズ撲滅の大きな一歩


ロイターが公表したデータによると、2013年に初めてHIV治療患者数がHIV感染者数を上回ったとのこと。重要な点は治療を受けている患者からの二次感染率は劇的に低くなるということ。エイズ発症者数グラフは今後下降線をたどると見られており、ビル・ゲイツは「エイズ撲滅宣言まではまだ長い道のりを要するが、これは大きな第一歩です」と話しています。

AIDS campaigners say pandemic has finally reached tipping point | Reuters
http://www.reuters.com/article/2014/12/01/health-aids-idUSL6N0TK0UC20141201

また、HIVが弱体化しつつある、ということも報じられています。

HIVが弱体化し「ほぼ無害になる」日がやって来る可能性があると発表される - GIGAZINE


◆3:ロタウイルスのワクチンを受けた子どもたちの数が過去最高に


ロタウイルスは乳児下痢症・嘔吐下痢症引き起こす疫病のウイルス。先進国では致命的な病気ではないため重要視されにくいのですが、発展途上国においては年間で数十万人の子どもたちの命を奪っています。ゲイツの財団などがワクチンの投与を援助した結果、ロタウイルスによって命を落とす子どもの数は半分に減少したとのこと。ロタウイルスによって年間8万人を亡くしているインドでは、貧しい子どもに対して無料でワクチンを投与するプログラムも決定されました。

Rotavirus vaccine - New and underused vaccines support - Types of support - Gavi, the Vaccine Alliance
http://www.gavi.org/support/nvs/rotavirus/

◆4:結核治療の突破口


結核は2014年現在も世界の主要な死亡要因の1つです。薬物耐性を持つ結核菌は、完全な治療法が確立されておらず、改善の努力は数十年にわたって頓挫しています。そんな中、2014年初頭に発表された新しい投薬治療法が結核に対して有効であることがわかり、ゲイツ財団はこの研究の第三相臨床試験に対して出資を行っています。研究が成功すれば、薬物耐性を持つ結核の完治までにかかる時間を大幅に縮小することができるため、貧しい国々の医療コストを数十億ドルも節約できるとのこと。

Gates Foundation Backing Phase III Clinical Trial Of New TB Drug Regimen | The Henry J. Kaiser Family Foundation
http://kff.org/news-summary/gates-funded-tb-drug-enters-phase-iii-clinical-trial/

◆5:ナイジェリアでのポリオとの闘いの経験がエボラとの闘いでも威力を発揮


ナイジェリアはパキスタン・アフガニスタンと合わせてポリオ常在国とされていますが、ナイジェリアではポリオ根絶のためのインフラ構築を続けており、過去50年間で発症例を6例にとどめています。ポリオのために構築されたインフラはエボラ発生時にも威力を発揮し、現在ナイジェリアにエボラウイルスは存在しないとのこと。これは他国に対してもエボラの優れた対処方法を示す大きな前例となりました。

WHO | Nigeria is now free of Ebola virus transmission
http://www.who.int/mediacentre/news/ebola/20-october-2014/en/index2.html

◆6:ゲイツとメリンダの年次書簡


2014年1月から、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の年次書簡を公表しており、2030年を目標にいくつかの最貧国の健康・農業・金融などの計画についてお知らせを行うとのこと。2015年版以降の年次書簡をいち早く入手したい人は、ブログ末尾にある入力欄からメールアドレスを登録しておくことができます。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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