試食

お店のパンケーキをお菓子作り初心者がおうちで再現してみたら、あまりにも険しい道のりでした


フワフワぷにゅぷにゅ食感のパンケーキを焼き上げるお店VERY FANCYに行ってフレンチパンケーキを食べに行ったらお店のパンケーキがおうちで再現できるというVERY FANCYのハッピーになれる! パンケーキレシピなる本を発見したのが6月前半のこと。読者プレゼントにできるかな?と思いレシピ本を買ってきたのですが、試しにGIGAZINE編集部でもお店の味を再現しようということになり、バレンタインにチョコレートを溶かして固めて「手料理!」と言ってしまうほどの腕前を持つ編集部員がチャレンジしてみたら、そこにはお店のパンケーキまでの険しい道のりが待っていました。

VERY FANCYのパンケーキレシピが本になりました! | VERY FANCY
http://veryfancy.me/info/a-cookbook-veryfancys-pancakes

これが購入したVERY FANCYのハッピーになれる! パンケーキレシピ


レシピ本は全94ページ。これくらいの分厚さです。


ペラッとめくって目次を見てみると「はじめに」「読者モデル・田中里奈ちゃんが『VERY FANCY』を訪問」の次に「CHAPTER 1・基本の生地の焼き方」として「材料について」「基本の道具」「パンケーキミックス粉の作り方」「生地の作り方」「基本の焼き方」が書いてあり、「CHAPTER 2・スイーツパンケーキ」の中にはプレーン・ミックスベリー・アップルシナモン・キャラメルバナナ・ナッツ・ブルーベリーナッツ・フレンチ・紅芋モンブラン・モンブラン・レモン・スノウ・抹茶・ほうじ茶・カカオ・ティラミスといったお菓子っぽいパンケーキの名前が並びます。「CHAPTER 3・お食事パンケーキ」にはチーズ&ソーセージ・ベーコン&チェダー・シーザーサラダ・チリビーンズ・エビアボカドバーガー・ホットドッグの作り方があり、「CHAPTER 4・コラボレーションパンケーキ」にはフードコーディネーターSHIORIさんの考案したコロコロハンバーグカレー・クラムチャウダー・ミルクティーパンケーキ・BBQチキンプレートや、田中里奈さんがアイデアを出したまいたけトースト風パンケーキ・オレオ風パンケーキ・豆乳クリームパンケーキ・ピザ風パンケーキ、料理人青山有紀さんが考案したクロックマダム風パンケーキ・手巻きパンケーキ・フルーツとカスタードのキャラメリゼパンケーキ・おもち入り大福パンケーキなどのレシピ名が並んでいます。


VERY FANCYのパンケーキは基本の材料としてどんなものを使っているのか、ということの説明や……


基本の道具として必要な計量カップ・計量スプーン・へら・泡立て器・フライ返し・お玉・粉ふるい・フライパン・ボウルなどにどんなものを使っているか、という説明も。


基本的なパンケーキの作り方は写真付きなので、分かりやすいです。


そして各パンケーキのレシピはこんな感じ。写真が大きく、作り方は文章が中心で、いくつかポイントの写真が載っています。


スイーツパンケーキのページを見てみると、まるごと1本の焼バナナを載せた「キャラメルバナナ」


和風パンケーキに「抹茶」


インパクトのある「カカオ」など。


お食事パンケーキにはハンバーガーのような「エビアボカドバーガー」


田中里奈さんがアイデアを出した「ピザ風パンケーキ」


青山有紀さんが考案した、パーティーにもってこいの「手巻きパンケーキ」などがありました。


ということで、まず始めに行うのがパンケーキミックス粉作り。薄力粉80g・ベーキングパウダー5g・塩ひとつまみ・バターミルクパウダーもしくはスキムミルク20gを用意します。これで大体6~7枚分。


それぞれの材料を量って……


密封容器に入れて振って混ぜればパンケーキミックス粉はできあがり、と超簡単です。


続いて、生地を作っていきます。牛乳90ml・卵2個・グラニュー糖10g・ベリーファンシー(VF)パンケーキミックス粉105g・カッテージチーズ90gを用意します。


卵2個は卵黄と卵白にわけておきます。


まずは卵黄と牛乳を泡立て器でしっかり混ぜます。


そこにVFパンケーキミックス粉を入れます。この時、ドバドバッと粉を入れてもいいのですが、ダマが気になる場合は粉ふるいを使ってもOKとのこと。


まぜまぜ。


続いてカッテージチーズを入れます。カッテージチーズは裏ごしタイプを使うとのことですが、近所のお店にうらごしタイプがなく、調べたところ室温に戻してから網などで裏ごしすれば大丈夫そうだったので、しっかり裏ごしして大きな塊がないものを使っていきます。


ダマにならないようにしっかりかき混ぜます。


別のボウルを用意し、卵白とグラニュー糖を入れ、ツノが立つまで泡立てます。


「ハンドミキサーを使ってもOK」とのことですが、ハンドミキサーがないので、とにかく手でガッシガッシとかき混ぜます。


卵白のツノがピンと立ってすぐにおじぎをするくらいまで泡立てればOKです。


パンケーキのタネが入っている方のボウルに泡立てた卵白を半分ずつ2度に分けて入れ……


泡をつぶさないように泡立て器でサックリと切るように混ぜます。


続いて焼きの作業。フライパンを強火で170度くらいまで熱します。


濡れたふきんの上にフライパンを1度置き、フライパンの熱を落ち着かせます。こうすることで生地への火の入り具合が均一になるそうです。


バターを5gほど入れ……


生地をお玉ですくい溶けたバターの上に落とすように流し入れます。少し高い位置から落とし入れると溶けたバターの熱で生地が自然に広がりきれいな円形になります。


ふつふつと表面に気泡が現れ、フチが薄いキツネ色に変化してきたら……


裏返し。裏返したらパンケーキは押さえずにふっくらと焼き上げます。裏側も薄いキツネ色になったら……


完成!……と思ったのですが……これは……。


横から見るとペチャンコで「クレープかな?チャパティかな?」という感じだったのですが「いやいや食べると案外ふわふわかも」と思い、食べてみました。市販のパンケーキミックスを使うよりも優しくリッチな味わいはあるのですが、食感が、まるで分厚めのクレープ。ドイツ生まれのパンケーキ「ダッチベイビー」に近いような気もするし、おいしいのですが、フワフワぷにゅぷにゅのパンケーキとは別モノです。


卵白の泡立てが足りなかったのか?それともタネと混ぜすぎたのか?ということで、反省を生かしつつ再度チャレンジ。パンケーキミックスを作り……


牛乳・卵・カッテージチーズと一緒に混ぜていきます。


レシピには「別のボウルに卵白とグラニュー糖を入れ、ツノが立つまで泡立てる」とだけあったのですが、調べてみたところ、お菓子作りが好きな人たちからすると当たり前すぎて省略されていたのか「氷水で冷やしながら泡立てる」「砂糖は白く泡だってから少しずつ加える」という2点を知ったので、氷水でしっかり冷やしつつ泡立てていきます。


白く泡だったところで少しずつグラニュー糖を加えていきます。


しっかりモコモコの卵白が完成。


パンケーキのタネに卵白を加えて、今度は泡をつぶさないように、ものすごくザックリと混ぜてみました。


そして初回と同じく、ぬれ布巾で一回冷ましたフライパンでパンケーキを焼いていきます。


焼き目がついて裏返すと、今度はものすごく膨らんでいます。ワクワク。


お店で食べたフレンチパンケーキを再現しよう、ということで、「French(フレンチ)」というレシピに従って卵液を作っていきます。1人分・3枚のレシピなのですが、フレンチ液のレシピは「卵1個・牛乳350ml・グラニュー糖35g・コンデンスミルク16ml・生クリーム50ml」と、かなり大量なので、フレンチパンケーキのレシピは基本的に1度に大量にパンケーキを焼く時用っぽいです。


フレンチ液に先ほど焼いたパンケーキを浸します。なお、「何分浸すか?」ということは書いていないのですが、前回フレンチ・パンケーキを焼いた時にあまり浸しすぎると型崩れを起こしたので、一晩浸しっぱなしということにはせず、5分ほどで引き上げます。


無塩バターを入れたフライパンで中火で焼きます。


完成したら次はお皿に盛りつけていくターン。


生クリームにグラニュー糖とキルシュワッサーというチェリーのお酒を加えてフレッシュクリームを作成します。


そしてフレッシュクリーム・アイスクリーム・バナナ・ローストくるみをパンケーキにトッピング。


粉砂糖とメープルシロップをかけます。


これで完成。


ローストしたくるみのほろ苦さと食感がバナナやバニラアイスと絶妙なバランスを保ちます。


フレッシュクリームもすごく「プロっぽい……!」とテンションが上がる味なので、これ1つでお店っぽさがかなりアップします。


パンケーキと一緒に食べてみると、生地のボリュームもしっかりあり、これだけ豪華なトッピングなのでまずくなるはずがありません。おいしい、確かにおいしいのですが、お店で食べたパンケーキよりも、どちらかというとモチモチ寄りで、パンケーキにフォークを入れた時の「ふわっプニュッ」とした感覚や食べた時のフワフワさは今一つ足りない……という現実が立ちはだかります。


断面を見ても大きな気泡がある以外の場所はミッチリと生地が詰まっておりフワフワさが感じられません。


もう一度レシピの写真を確認してみたところ、「もしかすると、今度は卵白の混ぜ加減がザックリ過ぎたのでは?」という疑念がよぎります。


いろいろ考えてみたところ、タネと卵白を混ぜなさすぎたので、1枚のパンケーキに白身だけが焼けた部分とタネだけが焼けた部分があり、卵焼きと固めパンケーキの集合体のような感じになっていたのでは、という結論が出ました。ということで、3度目の挑戦。


卵黄と牛乳をしっかり混ぜた中にVFパンケーキミックス粉をふるい入れます。


やはりレシピ通りに裏ごしタイプのカッテージチーズを使わねばならないのか?ということで、今度は電話でお店に尋ねまくり電車で買ってきたカッテージチーズの裏ごしタイプを使っていきます。


見た目は網で裏ごししたカッテージチーズと同じように見えますが……。


ダマにならないよう、しっかり混ぜます。


そして卵白の泡立て作業。


ツノがお辞儀をするくらいの泡立て具合に。


混ぜすぎて泡をつぶさないように、しかし卵白とタネが分離状態になるほどは混ぜなさすぎないで、という絶妙な具合で混ぜます。


1度熱を冷ましたフライパンに……


バターを引き、タネを落とし入れます。


そして、ここで注意するのが、いつもパンケーキを作っている要領でお玉をボウルに入れてしまわないこと。無意識でボールにお玉を入れると、知らず知らずのうちにどんどん泡をつぶしてしまい、最終的に1回目のようなペチャンコのパンケーキが仕上がるわけです。


今度はほどよく混ざっており、かつ泡がつぶれてベターッと生地が広がってしまうこともなく、ほどよいモリッと感です。


気泡が出てフチがキツネ色になってきたところで裏返して、しばらく焼きます。レシピ集によると、1枚にかける焼き時間は火加減にもよりますが1分半から2分程度。


完成。仕上がりを確かめるべく、ナイフとフォークでカットしていきます。緊張の瞬間……。


焼き上がりを食べてみると、ものすごいフワッと感。スキムミルクの優しい味わいとカッテージチーズのリッチさはもちろんですが、いつものパンケーキとは全く違うフワフワプニュプニュとした食感です。断面を確認してみると、全体的に小さな気泡がたくさんあり、これまでで一番柔らかでした。ものすごくお店に近い仕上がりで思わず「これだ!」と歓喜の声を上げたほど。


横から見てみると、2度目のようなこんもりとした膨らみはありませんが、適度に膨らんでいることが分かります。


ということで今度はプレーンパンケーキを使い、フレンチパンケーキではなく、ホワイトチョコレートムースを使った「Snow(スノウ)」というパンケーキに挑戦します。牛乳60ml・生クリーム60ml・ホワイトチョコレート80g・板ゼラチン3gを用意。


まずは生クリームをスジが出てくるくらいに泡立てます。


板ゼラチンは水でふやかしておきます。


ホワイトチョコレートと牛乳をボウルに入れ、湯煎してホワイトチョコレートを溶かします。


こんな感じで、かなりなめらかな液体状になるまで混ぜ混ぜ。


ふやかしたゼラチンを取り出して……


ホワイトチョコレート&牛乳のボウルに入れ、塊がなくなるまでしっかり混ぜます。レシピには書いていないのですが、お菓子作り初心者なら失敗しそうなのでメモしておくと、混ぜきったらボウルをお湯から取り出し、あら熱を取ります。なぜかと言うと……


ここに泡立てた生クリームを投入するから。「ここで湯煎から取り出して……」という指示がないため完全にレシピ通りにつくると湯煎にかけながら生クリームを混ぜることになってしまうので、レシピが「目分量でプリンを作ったら茶碗蒸しのような何かになった」というような超初心者向けに作られていないことは確かです。


完全に混ざったものを冷水で冷やし、さらに冷蔵庫にしばらく入れておくと、こんな感じのムースになります。


次は、しっかり冷ましたパンケーキの上にスライスしたイチゴとホワイトチョコムースを置き、さらにパンケーキを重ねて……という盛りつけ作業。ムースは常温に出すだけで溶けてくるほどの柔さなので、少しでもパンケーキに熱が残っていると、あっという間にデロデロに溶けてしまいます。パンケーキが完全に冷めてから盛りつけましょう。


一番上の生地のさらに上にホワイトチョコムースと焦げ目をつけたマシュマロをトッピングし、上から粉砂糖をふりかけます。


ようやく完成しました。見た目はすごくそれっぽい。


試食してみると、ホワイトチョコムースは生クリームよりも軽く、くどくないので、イチゴの酸味と絶妙に合わさってパクパク食べられます。これはかなりお店の味に近いのでは……!という仕上がりで、パンケーキもふわっとモチッとしているのですが、やはり冷ました分少し固くなっており残念。しかし熱いまま盛りつけるとムースが溶けてグロテスクなことになるので、なかなか盛りつけが難しいところです。


お店レベルのフレンチトーストが完成する「大好き! フレンチトースト」はとにかくレシピ通りに作業すると写真通りのものが作れる、幻のカルピスバターを使ったレシピ「バターマニア」はレシピに載っていない材料が完成品写真に使われている、など、レシピ本にはさまざまな特徴があります。VERY FANCYのハッピーになれる! パンケーキレシピのレシピはお菓子作り初心者にはやや厳しめですが、日頃からお菓子を作る人にとってはアレンジが広がること間違いなしで、ホワイトチョコムースやフレッシュクリームはそれだけでお店の味に近くする力を持ち、Amazonレビューには「レシピに載っているグラノーラバターがおいしい」と高評価でした。なお、レシピ本の価格はAmazonで税込1296円です。

Amazon.co.jp: VERY FANCYのハッピーになれる! パンケーキレシピ: VERY FANCY: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4800225647


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in 試食, Posted by darkhorse_log

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