メモ

一度も使われなかった上に一般販売されることになった刑務所とは?

By James C Farmer

アメリカのオレゴン州マルトノマ郡は、完成したものの一度も使用されなかったワパト刑務所の売却意向を表明し、正式な買い手をインターネットで募っていました。募集はすでに終了しましたが、マルトノマ郡が公開した文書にはワパト刑務所の値段や内部の様子などの詳細が記載されています。

Multnomah County
https://multco.us/file/33821/download

Want to buy a jail, never used? Submit your proposal for Portland’s Wapato by June 4 | OregonLive.com
http://www.oregonlive.com/portland/index.ssf/2014/06/want_to_buy_a_jail_never_used.html

マルトノマ郡は増加し続ける逮捕者の収容不足問題に対応するため、1996年に525個のベッドを有するワパト刑務所を建設しました。しかしながら、刑務所は完成後すぐに稼働されることなく、しばらくの間放置されることになります。そして、稼働の時期をうかがっている間に犯罪者の数が激減し、ワパト刑務所は実質上稼働する必要がなくなったそうです。


刑務所として使用されることがなくなったワパト刑務所を、マルトノマ郡は刑務所以外の用途を模索して使用しようとしましたが、契約上刑務所以外の用途が認められず、誰にも使われないまま放置されることになります。長い間放置されることになったワパト刑務所が転機を迎えることになったのは、2014年初頭のこと。オレゴン州でワパト刑務所に対する使用制限を廃止する議案が可決され、マルトノマ郡は刑務所の売却を決定。売却にはいくつかの問題が残っていますが、マルトノマ郡はインターネット上で刑務所の詳細を公開し買い手を正式に募集しました。

刑務所の売却価格は買い手との交渉によって決定されるようですが、オレゴン州の地元ニュースサイトOregonLiveによると、ワパト刑務所にかかった建設費は5800万ドル(約60億円)で、年間維持費が約30万ドル(約3070万円)ということを踏まえて見積もると、おそらく約4000万ドル(約41億円)くらいに落ち着くのではないか、と予想しています。

実際に売りに出されていたワパト刑務所。敷地面積は約7万3831平方メートルで、刑務所自体は1万5646平方メートルです。刑務所は工業地帯に位置しているため、住むのには適していなさそう。建物内には、囚人が体を休める予定であったベッドや枕が新品のまま残っており、こちらもそのまま購入者に譲渡されるとのこと。


以下の画像が刑務所内のどの部分に当たるかはわかりませんが、保存状態は良好です。


エレベーターと思わしき設備。当たり前ですが、設備は頑丈に作られています。


面会室のように見えるこちらの施設はかなりきれいです。


広大な敷地の周囲には柵が張り巡らされていて、周囲からの侵入者を防いでくれます。もちろん、中からの逃亡者を防ぐ効果もあります。


敷地には、ほとんど草木が生えていません。青空を見ながらごはんを食べたり、野球やサッカーをして楽しむ事ができそうです。


記事執筆現在、刑務所の買い手募集は終了していますが、マルトノマ郡は応募してきた買い手の詳細について何も発表していません。世界には刑務所をホテルにしてしまったケースもありますが、どういった人が刑務所を購入し、刑務所が今後何に使用されるのか気になるところです。

Hotel Het Arresthuis Roermond
http://www.hetarresthuis.nl/

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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