刑務所や売春宿の室内を真上から撮影した、部屋の持つストーリーが見えてくる写真いろいろ
自宅や借りている部屋の平面図、いわゆる「間取り」は部屋探しの際などに見たことがあるという人が多いと思いますが、実際に住んでいる部屋を家具が入った状態で真上から見たことがあるという人はめったにいないかもしれません。
普通の人にとってはなかなか見る機会のない刑務所の独房や売春宿の個室を、なかなか見る機会のない真上という角度から撮影した、ドイツ人の写真家Juergen Chill氏の作品を紹介します。無人の部屋を、素っ気ないとも思える冷静で客観的な視点でとらえた写真ですが、じっと見ているとその部屋で暮らす人やその部屋で行われる行為、部屋が持つストーリーを想像してしまうのではないでしょうか。
詳細は以下から。http://www.juergenchill.com/photography.htm
Juergen Chill氏は1968年エッセン生まれ。ドイツ各地の刑務所の独房を撮影した「zellen」というシリーズで2007年のヨーロッパ建築写真賞を受賞しています。
「zellen」(2006-2007年)から。
ベッドカバーは備え付けのブルーのものですが、フラットスクリーンのテレビは私物でしょうか。右下にはブラウン管のものも見えます。オレンジのT字カミソリはほかの写真にも見られるので、刑務所で販売または配布されているもののようです。
こちらの部屋の住人は非常に物持ち。壁もポスターでいっぱいです。
OCDじみたほど整然とした部屋。
ほとんど私物が見あたらない部屋。よく見ると棚や床の上にライターやちりとりなどが放置されているので、片付け魔というわけでもなさそうです。入所して日が浅いのでしょうか?
トイレや洗面台がないタイプの独房。
家庭的で居心地がよさそうな雰囲気にまとめられています。刑務所より軽い更生施設のような施設、または刑期の終わりに近い人の部屋なのかもしれません。
売春宿の個室を撮影した「bordelle」シリーズ(2008-2009年)から。
さまざまな道具が用意された部屋。
壁紙などがもともと赤を基調とした内装になっている部屋や、ベッドカバーやカーテンなどで赤を取り入れている部屋が多いようです。
細長い部屋。多くの個室には洗面台が備え付けられているようです。
ぬいぐるみなどを配置しラブリーな雰囲気にまとめられた部屋。
こちらはめずらしく赤の分量が少ない部屋。少し殺風景な感じもしますが、ポスターが売春宿的です。
このほかにもJuergen Chill氏の作品は以下のサイトから見ることができます。
http://www.juergenchill.com/photography.htm
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