中央アメリカの細長い場所にある7カ国の覚え方


世界地図を眺めたときにカナダ、アメリカ、メキシコの位置はたいていの人が分かりそうですが、ベリーズ、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマと続く国々はどうでしょうか。自分も実際に旅するまではっきりしない部分もありました。カリブ海にしか面していないのがベリーズ、太平洋にしか面してないのがエルサルバドル。米ドルが使われているのがベリーズ、エルサルバドル、パナマ。社会主義が強いニカラグアに、アメリカと共同歩調をとる事が多いコスタリカ、パナマ……。国の数だけ、違いがあります。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。3月15日にベリーズに入り、5月18日にコロンビアへ抜けるまで、約3000kmを走りました。旅行記を絡めて、7カ国のことを知って貰えるとうれしいです。

こちらが中米の7カ国。

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◆ベリーズ
首都:ベルモパン
人口:約32.4万人
通貨:2ベリーズドル=1米ドル(固定)
走行距離:約277.63km
滞在日数:5日間

メキシコ以南には7ヶ国ありますが、ベリーズだけが旧イギリス植民地です。それ故に公用語は英語。人口の少なさも際立つ小さな国家で、黒人の比率が高いのも特徴でした。アメリカ大陸にはパンアメリカンハイウェイという南北を縦断する道路があるのですが、北アメリカ大陸ではベリーズだけ通っていません。中米でも極めて異色な国がベリーズでした。

通貨ベリーズドルにエリザベス女王の姿があるのもイギリスの影響です。


このベリーズドルは2対1で米ドルと固定されています。3ベリーズドルの物を買うのに、2米ドル(4ベリーズドル)を払えば、1ベリーズドルがお釣りとなるので、少し混乱します。


メキシコからベリーズに入ったのですが、路面が悪くて少し苦労しました。


家の前で遊ぶ子どもたちを発見。


こちらの子どもたちはいい笑顔を見せてくれました。


ベリーズ第二の都市であるオレンジウォーク(Orange Walk)中心の公園。


なんだか怪しい乗り物。


オレンジウォークの夕焼けがオレンジ。


ちょっと立ち寄った場所で「椰子の実」をご馳走に。


「ここにはライダーやチャリダーが良く止まっていく」と話してくれた店のご主人。


以前掲載した記事「『カリブ海の楽園』ベリーズのキーカーカーで「一人ビーチ」を楽しんできました」の通り、自転車を置いて、カリブ海の島にも遊びに行きました。


グアテマラとの国境サンイグナシオ(San Ignacio)の中心。意外としっかりしていて驚き。


こういった木造の建物に旧イギリス植民地を感じるのですが……。


グアテマラ国境の近くで、大勢のツーリストが森の奥へと消えていきます。


待っている人がまだこんなに。ベリーズは観光にも力を入れていました。


◆グアテマラ
首都:グアテマラシティ
人口:約1471万人
通貨:ケツァル
走行距離:約750.02km
滞在日数:17日

グアテマラはメキシコの次として覚えやすいのではないでしょうか。約1471万人を抱える域内最大の人口は存在感も十分です。ユカタン半島の「チチェン・イッツァ」や「ウシュマル」の遺跡はグアテマラのジャングルに眠る「ティカル」の遺跡とマヤ文明として繋がっています。物価が安いのも魅力で、ケツァルテナンゴ(Quetzaltenango)やアンティグア (La Antigua Guatemala) ではスペイン語学校に通う旅行者も多いようです。

通貨ケツァル。オレンジ色の50ケツァル紙幣と赤の10ケツァル紙幣は間違えやすいです。


これからの日本のためにも知っておきたい中米における格差社会の現実」で遭遇したデモで待ち呆けている間に子どもと遊んでいました。


こちらも。


グアテマラ北部ジャングルの奥深くにあったティカルの遺跡。さながら高層ビルのようです。


現代のコンクリートの街並みのように、マヤ文明は石造りの街並みを作っていました。


「MAYA TOUR」はグアテマラ人愛用の自転車。前後キャリア、空気入れ、ウォーターボトルまで付いた充実仕様。


ティカル遺跡の基点となるサンタ・アナ(Santa Ana)の宿で捕まえた男の子。


女の子もおちゃらけて。


幼女なのに大人びた表情に。


こうしてみんなとワイワイがやがや。


こちらはグアテマラの道中で。


朝ごはんの屋台を出していたおばさま。


グアテマラシティの100km東にあったサナラテ(Sanarate)という街。


ある程度の町には「Despensa Familiar」というスーパーマーケットが必ずありました。


通りの頭上には看板。


弱虫なんて言わせない、グアテマラでみかける鶏(ニワトリ)がカッコイイ」で書いたとおり、ニワトリの姿が目につくのがグアテマラです。


夕暮れ時にサッカーを楽しむ子どもたち。


もっと小さい子どもたちは遊具ですね。


グアテマラシティを通過する予定をショートカット。乾季のグアテマラは景色が痩せています。


標高1362mのハラパ(Jalapa)を通過してエルサルバドルへ。北部は低地だったのですが、南部は山がちです。


オレンジに塩と胡椒みたいなのがかけられていて美味い。


マンゴーカップ。


パイナップル、スイカ、マンゴーとフルーツを補給。


ミルクセーキにシナモンが利いたようなマンハールという飲み物。


ユカとチンチャロポネ。ジャガイモのようなユカに、豚の皮を揚げたものだと思うのですが……。


メキシコのトルティーヤは機械式で薄く延ばした物がほとんどでしたが、グアテマラは手作業で作られた厚めのものばかりでした。


厚めのトルティーヤで具材を包み込んだこんな料理も。


◆エルサルバドル
首都:サンサルバドル
人口:約623万人
通貨:米ドル
走行距離:約294.68km
滞在日数:5日

グアテマラの次に入国したのがエルサルバドルでした。細長い中米諸国で太平洋側にしか面してない唯一の国です。九州の半分ほどの国土しかないので、人口密度も中米最大となっています。グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアの4カ国は政治的にも結びつきが強く、国境での手続きも簡略化されています。この4カ国の中だと一番発展しているのがエルサルバドルです。ただホンジュラスと並んで治安が悪い空気を感じたので、注意しつつ走りました。

通貨は米ドル。アメリカ本土でも手にすることの無かった1ドル硬貨がエルサルバドルにありました。


主要道を横断したので道路は快適。


パンアメリカンハイウェイの「CA1」。


首都サンサルバドルの中心で一息。


ホンジュラスまで179kmと、すぐに国境までの距離表示が出ました。


山が多くて走るのも大変。


標高2182mのサンビセント火山(Volcan de San Vicente)、開拓された裾野まで一望できて息を飲みました。


道中の商店で休憩。


ちょっと仲良くなった商店のおじさんが優しくて。


第三の都市であるサンミゲル(San Miguel)のカテドラル(大聖堂)。


メインストリート。


とても気になったブラジル薬局(Farmasias Brasil)、しかもチェーン店。


1枚4ドル(約400円)のピザ。


3.5ドル(約350円)の牛肉ライス。


◆ホンジュラス
首都:テグシガルパ
人口:約775万人
通貨:レンピーラ
走行距離:約134.39km
滞在日数:1日

大半のチャリダーさんが短い滞在で抜けてしまうのがホンジュラス。逆三角形の国土となっているので、太平洋側のエルサルバドルから入って約135kmでニカラグアに横断しました。カリブ海側はダイビングスポットとして有名ですが、世界一の殺人発生率を抱える国家なので怖いところ。都市としてもサンペドロスラ(San Pedro Sula)が世界一の殺人発生率となっています。1泊2日の走行でしたが、貧富の差を一番感じたのがこの国でした。

通貨レンピーラに硬貨はなく、全部が紙幣。


エルサルバドルとの国境に架かる橋。


橋の上から川を眺めて。


中米縦断中。


途上国では良くあることですが、道路いっぱいに牛が歩いています。


もしかしてジョーズ!?


チョルテカ (Choluteca)で泊まった安宿は130レンピーラ(約660円)。


中米だらだらアイテムの一つハンモック。嫌なことは忘れてユラユラしましょう。


道端でイグアナを売っていました。捌いて食べるらしいです……。


◆ニカラグア
首都:マナグア
人口:約587万人
通貨:コルドバ
走行距離:約365.98km
滞在日数:7日

ホンジュラスの国がニカラグア。冷戦時の社会主義的な革命が原因で、域内で最も貧しい国となってしまいました。だからといって、エルサルバドルやホンジュラスほどに危険を感じないのは不思議なところです。現在でもキューバ、ベネズエラ、エクアドル、ボリビアといった左派政権との結びつきが強くなっています。マナグア湖、ニカラグア湖と二つの大きな湖があって、パナマと並んだ中米における運河候補地の一つでした。中米では珍しく野球の盛んな国でベースボールスタジアムや野球用品店もありました。

通ったルートは平坦な道が多くて助かりました。


道路には日本の援助で架けられた橋も。


ニカラグアギャルに挟まれて。


観光都市レオン(Leon)の夕暮れ。


ニカラグアでみかけた牛は馬に乗ったカウボーイスタイルのおっさんに追われていました。興奮した牛は道脇の男性に狙いを定めて突進。男性は咄嗟に岩影に逃れて、辺りのざわめきは安堵の声に。いつもはおとなしい牛ですが油断はできませんね。


こちらも中米でだらだらしたい時にはお勧めのユラユラ椅子。癖になるほどにユラユラできます。


コーンアイスは10コルドバ(約42円)。


この顔がトレードマークの「Rojita」は、ニカラグアで愛される赤い炭酸ジュース。


◆コスタリカ
首都:サンホセ
人口:約472万人
通貨:コロン
走行距離:約657.39km
滞在日数:12日

ニカラグアの次がコスタリカ。中米のスイスと呼ばれるほど、ツーリスティックな国で観光客にも人気です。「豊かな(Rica)海岸(Costa)」と国名の由来となった美しい海だけでなく、火山やナマケモノといった山と観光資源にも恵まれています。ただ物価も中米のスイス。日本やアメリカよりも高い食料品や外食代には泣きました。日本では「軍隊を持たない国」として有名ですが、首都には警察官がガチガチに巡回していて、そこまでのんびりしてないのは確か。

「ナマケモノ」の姿もあるコスタリカの紙幣。


街中にある公衆電話は先進国と変わりません。


男の子たち。


メキシコ資本で可愛い顔したシロクマの「Bimbo」がコスタリカにも。


首都サンホセの広場。


コカコーラ地区。


繁華街のストリート。


この壁画に中米を感じました。


中米にはこんなおばちゃんが結構います。


サンホセには中華街も。


サンホセで見つけた掘り出し物の宿は1泊14ドルで朝食付き。ベッドが3つも並んでいる広い部屋に、ワイファイもあって快適でした。


宿のオーナーはアイーダさん。


サンホセの郊外に「Casa Manga」というカフェを発見。


こんな建物の外観で。


悟空に見守られながらお茶でもしませんか。


マクドナルドのドナルドではなくて、KFCのカーネルサンダース。


物価の高いコスタリカで唯一満足できたスーパーマーケットにあるカフェテリアの2200コロン(約450円)セット。


1つ25円位と袋のアイスは安かったので、よく食べていました。


サンホセを抜けると峠越えが始まります。


そこまできつくはありませんが、だらだらと上って標高3300mを越えました。コスタリカ最高峰で富士山よりも高い標高3820mのチリポ山の脇を通っています。


峠を越えたらパイナップル畑が広がっていました。


デルモンテ(Del Monte)の畑になります。


こちらはパーム油が採れるアブラヤシの畑。


◆パナマ
首都:パナマシティ
人口:約340万人
通貨:1バルボア=1米ドル(固定)
走行距離:約533.39km
滞在日数:17日

コスタリカから入ったパナマが中米最後の国で、南米大陸に続きます。アメリカの後押しもあって、1903年にコロンビアから分離独立したのがパナマです。アメリカによるパナマ運河建設の目的もありました。独立から影響を受けているので、小さなアメリカといった印象。巨大なスーパーマーケットにホームセンター。ホステルで使っていたマグカップも思い返せばアメリカ仕様の巨大サイズ。黒人や中国系といった人種構成もアメリカを見ているようでした。首都パナマシティには高層ビルが立ち並び、中米とは思えないほど発展しています。

この旅の90カ国目がパナマとなりました。


雨季に突入したパナマでしたが、そこまで天気は崩れることなく走り抜けました。


「中米のシンガポール」も夢ではない経済発展で確実に変わりつつあるパナマについて」で紹介したパナマ運河。


パナマシティには高層ビルが立ち並んでいます。


パナマシティを歩いて。


パナマとコロンビアは陸続きなのですが、ダリエン地峡というジャングルに道路は通ってないので、陸路での移動はかなり難しいです。1.飛行機、2.ヨット、3.モーターボートと3つの選択肢があったのですが、時間と都合を考えて飛ぶことにしました。


自転車をズタ袋で梱包。


ついに最後の大陸になる南米へと渡ります。


◆まとめ
ベリーズ:イギリス植民地、公用語が英語、通貨が米ドル、国土がカリブ海側だけ面している、域内最小の人口
グアテマラ:域内最大の人口、ティカルの遺跡、物価が安い、メキシコと繋がりが深い
エルサルバドル:通貨が米ドル、国土が太平洋側だけ面している、人口密度が高い
ホンジュラス:国土が逆三角形、殺人発生率
ニカラグア:域内でもっとも貧しい、ニカラグア革命、左派政権、野球
コスタリカ:中米のスイス、ナマケモノ、物価が高い
パナマ:通貨が米ドル、コロンビアから独立、パナマ運河、中米のシンガポール、小さなアメリカ。

チャリダーマン視点で、こんな感じです。

中央アジア、旧ユーゴスラビア、西アフリカと同様にはっきりしなかった中米ですが、自分はもう忘れることはないでしょう。それぞれの国を記号として覚えるよりも、特徴や歴史を絡めると忘れるないと思うのですが、いかがでしょうか?

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

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