取材

メキシコの食事情は美味しさを追求を重ねまくっていて充実しすぎ


メキシコといったらタコスが有名ですが、それだけではありません。トルタス、トスターダス、ゴルディタス、エンチラーダス、パヌーチョスと次々と出てくるメニュー……といってもこれらは軽食で、本格的な料理も別にあります。日本と同じようにメキシコのおばちゃんが作った素朴な味には懐かしさを感じました。年季の入った食堂の雰囲気もたまりません。そして食後にはデザート。日本の人がスイカに塩をかけるように、メキシコの人も香辛料をかけて甘さを引き出していました。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。アメリカではハンバーガーばかり食べていたので、メキシコ料理は新鮮でした。トマト、アボカド、チーズ、鶏肉、アイスクリーム、パイナップル、ヨーグルトと、自分の嗜好にも合っていました。

一つの食堂にこれだけのメニュー。


こちらも。


アフリカでは選択肢のなさに涙しましたが、メキシコの食事情は充実していました。メキシコの主食はトウモロコシの粉を薄く延ばして焼いたトルティーヤで、日本でいう白ご飯のように、料理を頼むとホカホカのトルティーヤが必ず付いてきてました。タコスを始めとした軽食類にもトルティーヤが使われています。

◆軽食

タコス(Tacos)はメキシコ料理の代名詞。でも料理というよりはファストフードで、食堂や屋台で気軽に食べる庶民の味です。安くて外れもないので、迷ったときはタコスを頼んでいました。


焼肉、キャベツ、トマト、アボカドとボリュームのあったタコス。こちらは1つ10ペソ(約82円)


こちらはあっさり。


内臓系をはさんで。


鶏肉のタコスは5枚で30ペソ(約245円)


お好みでソースやレモンをかけてください。


タコス以外にも次々と「~ス」というメニューが、次々と出てきて興奮してました。基本はトルティーヤ。たいていタコスもメニューの一つで、調理法方が違うだけで中身は似ています。「タマレ」「フライドポテト」「トウモロコシ」とメニューを一つに絞った屋台も街には出ていました。

メキシコ風のサンドイッチがトルタス(Tortas)です。トマト、アボガド、レタス、肉をはさんで25ペソ(約205円)


ハンバーガーと一緒にトルタス。


グアダラハラの市場にあった一つ38ペソ(約310円)のジャンボサイズは胃が苦しくなるほどに。


1枚10ペソ(約82円)のトスターダス(Tostadas)は揚げてパリッとしたトルティーヤにキャベツや鶏肉が載っています。トマトソースが具材と合っていて、あっさりとした一品でした。


1枚8ペソ(約65円)だったケサディーヤ(Quesadilla)はトルティーヤにチーズや鶏肉で挟んで焼き上げます。とろけたチーズが何ともいえません。


ケサディーヤを油で揚げたらエンパナーダス(Empanadas)に。トルティーヤに包まれた具材は熱々で1枚8ペソ(約65円)でした。


タコスのトルティーヤを揚げたらパヌーチョス(Panuchos)になるのでしょうか。パリパリとした皮に具材が乗っています。


もっちりとした食感のゴルディタス(Gorditas)、見た目より量があります。


トルティーヤに鶏肉、キャベツ、チーズをのせてトマトソースとマヨネーズをかけた45ペソ(約365円)の「エンチラーダス(Enchiladas)」には食が進みました。


トウモロコシの葉っぱが多かったタマレ(tamale)もユカタン半島ではバナナの葉っぱを使用。焼いてあったので外側はパリッと、鶏肉が入ってました。一般的には蒸すケースが多いようで、メキシコ以南の中米の国々でもみかけます。


コンビニで簡単に手に入るのがホットドッグ。ソーセージをはさんだ後に、タマネギとトマトはお好みで。


屋台で揚げていたフライドポテト。一緒にソーセージもカリッと揚げています。


ただポテトチップスもチリソースとレモンで市販品より美味しく。


こちらは街で行商しているトウモロコシのカップ。粉チーズ、マヨネーズ、レモンと手がかかって、クリーミーな味で一杯10ペソ(約82円)


◆料理

基本は貧乏旅行なので、形式ばったレストランなんかには入りません。足は自然と人込みの方へ。市場の中へ。そういった食堂ではおばちゃんが料理を作っています。そこで出てきた飾らない料理に、メキシコの家庭の匂いを感じました。

白身魚のソテー。


太平洋側の港町マサトランの市場にあった食堂。年季の入った店内がとてつもなく良い雰囲気で。


メニューなんて無かったけれど、鶏肉を頼んだらこんな感じで一人前。


ユカタン半島の中心都市メリダの市場にて。貫禄のあるおばちゃんが一人で切り盛りしていました。


鶏肉のスープ。何を頼むかよりも「何があるのか」で料理が決まっていた、道路沿いのレストラン。


ハム入りのスクランブルエッグに豆のソースというメキシコ風の朝食。これから峠越えだというのに、何も食べていなかったので駆け込みました。


肉ばかりでなく、魚の料理もあるのがメキシコの嬉しいところ。揚げたり、焼いたり、スープだったり調理方法もいろいろとあって。メニューを見ては値段と相談して、こんな料理を注文していました。自分の目安はだいたい50ペソ(約410円)

「ソパ・デ・マリスコス(Sopa de mariscos)」は魚介類のスープ。白身魚、海老、貝といった具材がスープに。


「カルネ・アサダ(Carne asada)」はメキシコ版の焼肉。


「ビステク・コン・ケソ(Bistek con queso)」は焼いた肉にチーズがかけられていました。


思う存分チーズを食べた「ケソ・フンディード(Queso Fundido)」にはベーコンみたいなのが入ってます。


「カクテル・デ・カマロン(Coctail de camaron)」はメキシコ人に大人気で、各地で見かけました。酸味のあるソースに、何かの強いスパイスが鼻に抜けて奇妙な味わいでしたが……。


「モハラ(Mojarra)」というビッグサイズの白身魚をフライに。中身はホクホク。このお皿で100ペソ(約820円)、この時の宿代は150ペソ(約1220円)です。


「ポヨ・エン・モーレ(Pollo en mole)」は甘いソースにクセがあって馴染めず。


白身魚をガーリックでソテーした「フィレテ・デ・アル・モホ・デ・アホ(Filete de pescado al mojo de ajo)」


「ポヨ・エン・カルド(Pollo en cardo)」はあっさりとした鶏肉のスープ。


「モンドンゴ(Mondongo)」はコクのある内臓系のスープでした。


「鶏の丸焼き」はチェーン店があるくらいメキシコではポピュラーで全部、半分、4分の1と量に合わせて注文します。メキシコシティ周辺では安かったので、何度か食べていました。


テイクアウトした「豚肉のソテー」。


◆デザート

チャリダーマンは甘い物に目がありません。「毎日走っているから」とついつい手を伸ばしてしまう自分ルール。メキシコは甘い物も充実していたので、毎日何かしら口にしていました。

カップフルーツの盛り合わせ。パイナップル、スイカ、メロン、パパイヤに赤いスパイスで甘さが引き立ってました。最初は唐辛子だと思ったのですが、辛くなくてしょっぱいんですよね。


この盛り合わせはだいたい10ペソ(約82円)で、こちらにはココナッツやオレンジも入ってました。


パイナップルにもスパイスをふりかけると甘い、酸っぱい、しょっぱい。


市場でみかけた苺が美味しそう。


このカップの甘い苺が10ペソ(約82円)でした。


メキシコにはアイスクリーム屋がどこにでも。包装された市販品ではなくて、こういったお店の方が好きでした。だいたい一つ10ペソ(約82円)くらい。


ストロベリー味。


ココナッツ味。ココナッツの繊維を噛む度に甘さが広がります。


チョコレートでコーティングされた冷凍イチゴ


自転車でチャリンチャリンと行商していたシャーベット。赤い甘辛いソースをかけると、シャーベットの甘さと混ざり合って味に深みが。


このカップジュースもメキシコでよく見かけていました。アイスクリーム屋さんでも一緒に売っています。


ほのかに甘いココナッツジュース。こちらも10ペソ(約82円)


市場で手作りプリンを発見しました。


こんがりと焼けた表面をパリッと破いたら、スプーンがスーッと入っていきます。柔らかい白いプリンは、口の中でとろけるように甘く。これで1つ10ペソ(約82円)なんて信じられません。


ドーナツ、苺タルト、チーズケーキも食べたかった……。


アイスクリーム屋さんと一緒で、街に必ずあるのがパン屋さん。


たくさんの種類の菓子パンがあるので、選ぶのに迷ってしまいます。


自転車や道端で行商している人も。これだと一個はだいたい3ペソ(約24円)


日本のメロンパンみたいなパンは、どこにでも必ずありました。味もまさにメロンパン。


こんな感じで幾つもの味を重ねて広がるメキシコ料理の世界には魅せられました。美味しさを追求するメキシコ人の情熱には頭が下がります。ポテトチップスやシャーベットといった簡単なものでさえ工夫が必要なんですから。

おかげさまで最近ではマンゴーにすら塩をかけないと物足りません。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com)

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in 取材,   , Posted by logc_nt

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