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芝刈り機エンジンで高度1万フィートを舞う、第一次世界大戦時のドイツ軍戦闘機を手作りで再現した男性


第一次世界大戦時のドイツの単座単葉戦闘機フォッカー・アインデッカーは、プロペラを打ち抜くことなくその回転面を通して機関銃を発射することのできる同調装置を備えた初の戦闘機であり、世界で初めて「標的」から「武器」への変化を遂げた飛行機として高く評価されています。

そのフォッカー・アインデッカーの3/4スケールのレプリカに芝刈り機のエンジンを搭載して、イギリス・エセックスの上空を飛ぶ男性がいるそうです。

詳細は以下から。Meet the Fokker! WW1 replica is hand-built and powered by a mower engine | Mail Online

Dave Stephens氏(41歳)は、アメリカから取り寄せたキットを使って3/4スケールのフォッカーを組み立て、690ccの芝刈り機のエンジンを搭載しました。組み立てや塗装にかかった期間は5ヶ月、総費用は1万4000ポンドほど(約190万円)とのことです。


燃料は普通の自動車を走らせるのと同じ無鉛ガソリンで、満タンで25ポンド(約3400円)とのこと。機体重量はわずか114kgで、最大高度約1万フィート(3030m)、最大時速50マイル(80km/h)で飛ぶことができるそうです。暑い日にはTシャツに目だし帽という軽装でヘルメットもかぶらずに飛行するというStephens氏ですが、「飛行は人々が思っているよりずっと安全なスポーツで、数字を見てみると、乗馬や釣りの方がずっと死亡率が高く危険なのです。生命保険に入った時、空を飛ぶよりずっと危険なことが世の中には山ほどあると気付かされました」と語っています。


Stephens氏のフォッカーの飛行の様子は以下の動画から見ることができます。エンジン音はやはり芝刈り機の音に聞こえなくも……というか、目をつぶって聞くと芝刈り機そのものです。
YouTube - fokker test flight.MP4


第一次世界大戦中の1915年夏、連合軍の軽武装の偵察機に対しフォッカー・アインデッカーが猛威をふるい、イギリスではこれが「フォッカーの懲罰」と報道され、非力な自国の飛行機を「フォッカーの餌食」と呼んでいたそうです。しかし、Stephens氏がこのフォッカー・アインデッカーを作成したのは「子どもの時に持っていたラジコンのフォッカーが大好きだった」という理由で、政治的な思想はまったくからんでいないとのこと。


ちなみに、黒十字のドイツ軍の紋章を機体に使用するにあたってStephens氏がドイツ大使館に連絡を取ったところ、返事の手紙で問題なく許可されたそうですが、「機体にハーケンクロイツの塗装を施した場合、ドイツ領空を飛ぶことはできません」とも伝えられたとのこと。現在ドイツではハーケンクロイツの掲示は犯罪として禁止されているためです。

Stephens氏のフォッカー・アインデッカーはナチスが政権を取る前の1915年の機のレプリカであり、もちろん機体のどこにもハーケンクロイツは無いのですが、興味深いことにStephens氏が所有するもう一機のレプリカ戦闘機マスタングには、連合軍の機であるにもかかわらず、ハーケンクロイツがペイントされています。これは、第二次世界大戦中の米軍のパイロットたちがドイツ機を撃墜した数だけ機体側面にハーケンクロイツを描いていたのを再現しているとのことです。

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in 乗り物, Posted by darkhorse_log

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