アンサイクロペディアに嘘を言わせなかった男「ハンス・ウルリッヒ・ルーデル」とは?
「アンサイクロペディア」といえば、Wikipediaとは違って執筆者がいたって不真面目でも何も言われないためウソ800どころかウソ1万を超えるレベルにまで到達しており、単に事実が知りたいといったレベルを超えたさまざまなひまつぶしに協力してくれるすてきな百科事典になっているわけですが、やはり秀逸な項目があるわけでして。中でもこの「ハンス・ウルリッヒ・ルーデル」の項目はあまりにもすごすぎ、アンサイクロペディアなのに誇張がほとんど無いという一風変わった内容になっています。
いわく、「朝起きて出撃して朝飯食って牛乳飲んで出撃して昼飯食って牛乳飲んで出撃して夜飯食って牛乳飲んで出撃してシャワー浴びて寝るという毎日を送ってたら、いつのまにか戦車519台を撃破し、世界最強の戦車撃破王になっていた」というのだからすごすぎです。
というわけで、最強の破壊神ルーデル様の活躍を見てみましょう。
まずはこれがWikipediaの記述。
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル - Wikipedia
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル(Hans-Ulrich Rudel, 1916年7月2日 - 1982年12月18日)は、第二次世界大戦中のドイツ空軍の軍人。急降下爆撃機Ju 87 シュトゥーカで歴史上で最も多くの戦車を撃破した撃墜王ならぬ「戦車撃破王」である。フォッケウルフ Fw190での地上支援や空戦もかなりの回数があり、エースの条件とされる「敵機を5機以上撃墜」も満たしている為、第二次世界大戦のドイツ空軍を代表するエース・パイロットの一人にも数えられる。
で、こっちがアンサイクロペディア。
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル - アンサイクロペディア
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル(Hans-Ulrich Rudel、 1916年7月2日 - 1982年12月18日)は、第二次世界大戦の際に活躍したドイツ軍人にして、ソ連人民最大の敵であり、スツーカの悪魔にして絢爛舞踏、そして地上に舞い降りた魔王である。朝起きて出撃して朝飯食って牛乳飲んで出撃して昼飯食って牛乳飲んで出撃して夜飯食って牛乳飲んで出撃してシャワー浴びて寝るという毎日を送ってたら、いつのまにか戦車519台を撃破し、世界最強の戦車撃破王になっていた。
なお航空機撃墜数も9機なので、れっきとしたエースである。間違いなく彼のスコアは世界記録であり今後絶対に更新されることは無いだろう。
確かにほとんど変わりがない。むしろ、アンサイクロペディアの方が以降の記述はかなりわかりやすい。
例えば総合戦績については以下のようになっています。
・出撃回数2530回
・被撃墜回数30回
・戦闘による負傷5回
・ソ連軍によってかけられた賞金10万ルーブル
この10万ルーブルというのがどれぐらいの大金かというと、1940年当時のソ連の労働者の平均年収が600ルーブルほどだそうなので、600ルーブル=300万円と換算すれば20億円に匹敵。たった一人で20億円もの賞金がかかるとは、どれだけの脅威なのかはかりしれません。
特に「すごいよルーデルさん!!」の項目だけでも読む価値があります。一部を抜粋すると以下のような感じです。
飛行中敵の対空砲で撃たれ片足が吹っ飛んでしまったとき、後部機銃手にして相棒のガーデルマンに足が無くなってしまったと言ったら「そんなことはないでしょう。足が吹っ飛んだら、話なんかしていられるもんですか」と言われた。確かによくそんな状態で話していられたな……。
対空砲に撃たれて片足を失い病院送りになった際、珍しく咽び泣く。さすがに片足になったら辛いのだろうと見舞い客が慰めの言葉をかけると、「足はまだ一本残っているからどうでも良い。ソ連の戦車をしばらく撃破出来ないのが悔しい」という事だった。「しばらく」とか言ってる辺り、本人はこの時点でもう既に前線復帰する気マンマンじゃねえか。とにかくソ連が嫌いで嫌いで嫌いで嫌いで嫌いで仕方なかったらしい。何か恨みでもあったのか。あったと云えばあったであろう、赤いクソッタレ共に片足を吹飛ばされたんだから・・・
で、それが余りにも悔しかった為か、義足で復帰したルーデルは休暇中も書類を偽造して出撃し、病院送りになっても病室を抜け出してまで出撃し、やっぱり相変わらずソ連戦車部隊に急降下爆撃を仕掛け続けたという。ちなみにその後、この無断出撃が発覚してルーデルは軍医に怒られるのだが、その発覚した理由というのが本人曰く誰が破壊したのかわからない戦車が多過ぎた為であった。自重しろルーデル。
ある日、対空砲によって撃墜され、後席に座っていたガーデルマン共々重傷を負ったルーデル。ところが彼は自力で陣地へと復帰。先に救出され治療を受けていたガーデルマンを見つけるや否や「休んでいる暇はないぞガーデルマン、出撃だ!!」と言って彼を引っ張って戦場に向かったという。がんばれガーデルマン。ルーデルは自重しろ。
そうして積み重ねたルーデルの戦果が余りにも凄すぎた為、アドルフ・ヒットラーも次々に勲章を贈与していたのだが、とうとう彼に見合う勲章が尽きてしまった。そこで遂にルーデルの為だけに最高位勲章を新設することになり、黄金柏葉剣付ダイヤモンド騎士鉄十字勲章なるとんでもない勲章を受け取った。これを受賞したのは全独逸兵士中、ルーデルのみである。あんたは一体何処の誰が考えた最強主人公なのかと。
なおこの勲章は、ルーデルに続く新たなる英雄が現れることを願い、円卓の騎士に準えて合計12個作られたのだが、こんな奴が12人もいてたまるか。
さすがにこのマンガも真っ青の展開に対してアンサイクロペディアでも泣きが入っており、「こんな嘘くさい事実に対して、これ以上嘘を加える事なんて不可能だよ!」「事実なんだって。嘘じゃないんだ、ほんとだよ。そりゃあスターリンも泣きたくなるってもんでして。」と書かれています。
なお、以下のムービーがどうやらハンス・ウルリッヒ・ルーデル本人らしい。
YouTube - Rudel at the end of the war
あと、以下のページにもいろいろな写真などがまとめられており、検索してみると、海外でもかなりファンがいるっぽいです。
Hans Ulrich Rudel
・関連記事
海外の有名な都市伝説ワースト10 - GIGAZINE
世界最大240メートルの自走車両「バケットホイールエクスカベータ」 - GIGAZINE
ドイツ軍が第二次世界大戦で使った暗号「エニグマ」シミュレーター - GIGAZINE
中国文化とドイツ文化を絵で比較するとこうなる - GIGAZINE
顔と手だけを突き出したドイツのユニークな喫煙所 - GIGAZINE
・関連コンテンツ