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殺人無人機「キラードローン」の歴史と未来

By UK Ministry of Defence

Amazonはドローン(無人航空機)による配達の実現を目指しているなど、一般的にも使われるようになってきているドローンですが、もともとは軍事目的に開発されているもの。対戦車ミサイルなどで武装したドローンは「殺人無人機(キラードローン)」と呼ばれており、イラク戦争などで実戦に投入され、多くの民間人を巻き添えにしていることが報道されています。そんな殺人無人機の歴史と、開発が行われている新型ドローンについてNew York Postがまとめています。

The ultra-lethal drones of the future | New York Post
http://nypost.com/2014/05/17/evolution-of-the-drone/

13年の間に無人航空機(ドローン)は、最新の軍事技術として航空機専門誌で特集されたり、有名なドラマシリーズや、ゲーム「Call of Duty」で使われるなどして年々知名度を上げています。これらの無人航空機は、戦争の兵器として使われるようになったことから「殺人無人機(キラードローン)」と呼ばれています。

「捕食者」の名を持つ「プレデター(RQ-1)」は、1980年代にペンタゴンの国防高等研究計画局(DARPA)で製造が開始された軍事用無人航空機です。各種センサーを搭載し、当初は監視目的の無人偵察機として開発されたものですが、2001年のアフガニスタン紛争において、CIAが対戦車ミサイル「ヘルファイア」で武装。タリバンアルカイダに対して史上初の殺人無人機による攻撃・殺害が実施されました。

By ファイル:MQ-1 Predator unmanned aircraft.jpg - Wikipedia

CIAとアメリカ空軍は、プレデターを改良して操作性・検出能力・射撃能力が向上した殺人無人機「リーパー(MQ-9)」を開発。無人航空機は、アメリカ軍が持つその他兵器と比較しても強力な兵器に数えられます。リーパーもヘルファイアで武装しているほか、レーザー誘導爆弾やスティンガー空対空ミサイルを搭載することが可能。

By cryogenic666

プレデターおよびリーパーは、機体にパイロットが搭乗する必要はありませんが、自動操縦ではなく遠隔操作が必要。アメリカ軍は積極的に無人航空機を導入していますが、目標を攻撃するために対戦車用ミサイルなどが用いられるため、対象以外の無関係な人々を巻き添えにしてしまう危険性を備えています。なお、リーパーを操作して目標を攻撃する様子が以下のムービーで見られますが、かなり高高度からの攻撃が可能であることがわかります。

MQ-9 Reaper UAV Predator - YouTube


現在も開発が続けられている次世代ドローンは、国家の警戒防空域をすり抜けることや、高高度からの原子力施設の発見や、テロリストリーダーの暗殺も可能になると見られています。V2ロケットなどの弾道ミサイルが何千発も使われた第二次世界大戦時代に代わって、何千台もの無人航空機が兵器として使用される「ドローン戦争」が起こるのも遠い未来ではない、とNew York Postは警告しています。

なお、プレデター・リーパー以外の無人航空機としては、1984年にDARPAがエイブラハム・カレムと契約して誕生した「アンバー」や、1998年に音速のステルス偵察機「ブラックバード(SR-71)」が退役したことに伴って、ペンタゴンが高高度監視を可能とする非武装機「グローバルホーク(RQ-4)」と、ステルス技術が使われた「ダークスター(RQ-3)」の2機の高高度滞空無人機プロジェクトを開始。グローバルホークはイラク戦争で実戦に投入されています。

By ファイル:Lockheed SR-71 Blackbird.jpg - Wikipedia

2013年にアメリカ軍が新型無人ステルス偵察機「RQ-180」と、マッハ6の極超音速無人偵察機「SR-72」の開発に取り組んでいるとAviation Weekに報道されていますが、ペンタゴンは両機の存在を否定。さまざまな種類が開発されているドローンですが、ペンタゴンは長期間にわたって、完全自律型の武装ドローンの使用は許可していないと主張しています。


また、アメリカ空軍の研究組織「空軍研究所」は、「M.A.V」と呼ばれるマイクロ技術を使った「鳥型」「昆虫型」の無人機に関するアニメーションムービーを2009年に発表しており、以下から見ることができます。

US Air Force Flapping Wing Micro Air Vehicle - YouTube


マイクロドローンは主に上空から目的地周辺に散布して配置されます。


虫型ドローンはこんな感じ。


電線に止まっているのは鳥型ドローン。


クローズアップすると頭部が可動式のカメラになっており、停車している白バンを監視しています。


対象者を発見すると……


本部へ遠隔で情報が送信され、カメラの映像から人物を特定。


操作は小型のコントローラーを介しています。


車が移動を始めると、首回りのプロペラが回転して浮遊し、鳥と同じく羽を羽ばたかせて飛行追尾を開始。


虫型ドローンは鳥型よりもさらに小さく……


2対のウィングによって無音のホバリングが可能。ドアが開くまで待機するなど、細かい操作で対象者を監視しています。


小さな虫型ドローンは集団で移動することもできます。


また、監視以外にもこのようにスナイパーの背後に忍び寄り……


爆発してスナイパーに気付かれることなく殺傷しました。リスクの少ない自爆攻撃が可能というわけです。


虫型ドローンのコンセプトモデルの実機も完成済み。実用化には至っていないものの、監視や爆薬の搭載による攻撃など、汎用性の高いマイクロドローンはアメリカ軍の最終的な目的になっているだろう、と予想されています。

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