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アメリカ陸軍、中近東を舞台にした異文化コミュニケーションの訓練ゲームを開発


新兵採用のための広報用ゲーム「America's Army」や、元々訓練用ゲームとして開発されたものが、アレンジされて市販された「フル スペクトラム ウォリアー」など、アメリカ陸軍はかなりの予算をゲーム開発に利用していますが、今度はイラクやアフガニスタンといった中近東エリアでの異文化コミュニケーション訓練を行うためのシミュレーターを開発中なのだそうです。

詳細は以下。
Game Lets Soldiers Train in a Virtual Iraq or Afghanistan - UT Dallas News

New Pentagon Sim Teaches Troops to Play Nice | Danger Room | Wired.com

今回、テキサス大学ダラス校の研究チームが開発したFPCT(First Person Cultural Trainer)は、イラクやアフガニスタンのコミュニティを再現したシミュレーター。プレイヤーはコミュニティ内を移動しながらその内部の人間関係を把握、コミュニティの中で起こっている問題を明確にして人々と共にそれを解決していくという流れになっています。


プレイヤーは人々が自分のことをどう思っているかも分からず、誰がコミュニティのキーパーソンなのかも分からないという状況におかれます。また、きちんと行動しなければコミュニティ内での評判が悪くなる上、一部の村人は他の村人よりもうわさの影響力が強いため、誰がキーパーソンなのかをしっかり見極めないといけないシビアな面もあります。現在はまだプロトタイプですが、陸軍訓練教義コマンド(TRADOC)と共同で完成版を開発しているとのことです。

一人称視点で訓練は展開します。


現地の建造物をなるべくリアルに再現。


自分の振る舞いによって村人全体の反応が変わるため気をつけないといけません。


このような実地訓練を行うための施設は既に存在しています。しかしイラクやアフガニスタン出身の俳優を何人も集め、現地の地形や集落を再現する必要があるため新設・維持には費用の問題があり、一度にたくさんの人数を訓練することも出来ません。また、戦地の状況は常に変化しており、それに合わせた訓練を提供することが効率のよい訓練のために必要ですが、物理的な施設では頻繁な変更は不可能。コンピューターゲームはこれらの弱点を補完するものとなりそうです。

一部のゲーマーは「ゲームの隙をつくことは誰にでも可能だし、村人に好かれるようなセリフを選ぶのと、それを実際に言えるようになることはまったく違う」と批判。また「このような軍用訓練ゲームは、どのようなタイプのものであろうと戦争を実際のものとは違った無害なもののように見せかける恐れもある」という声もあります。

アメリカ陸軍は、陸上自衛隊の約3倍強となる約50万人を擁しているため、その訓練のための予算や手間もまた膨大なものになります。これまでにも訓練用ゲームの開発に48億円の予算を確保するなど巨額の費用を投じていますが、これらの予算は、ゲームのほうが実際に訓練を行うよりも安くつくと判断してのことでしょうか。

異文化コミュニケーションのみのシミュレーターのため、途中で村人の誰かが爆弾を体に巻き付けて……という展開にはならないと思われますが、村人の好感度を上げつつ目標を達成というのは、何か日本のギャルゲーのノウハウが生かせそうな気がしなくもありません。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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