フライトシミュレーターファン必見、身近な材料で自作できる人力モーションコックピット「JoyRider」
実際のパイロットの育成に使われるような画面に合わせて動くモーションコックピットはフライトシミュレーターのファンなら一度は欲しいと思う物ですが、これを塩化ビニル樹脂の水道管など身近にある材料で安価に作ってしまったフライトシミュレーターファンがいます。仕組みはあっけないほど簡単ですがかなりの臨場感が楽しめそうです。
詳細は以下
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Oregon州のエンジニア、Ken Hillさんは大のフライトシミュレーターファンで是非モーションコックピットが欲しいと常々考えていましたが、値段のあまりの高さにあきれて自作することを思い立ち、できあがったのがこの「JoyRider」ホームセンターで簡単に手に入る塩化ビニール樹脂の水道管をつなぎ合わせてモーションコックピットを実現しています。
YouTube - Ultimate Joyrider Flight Sim
JoyRiderの魅力に取り憑かれたファンの一人、Doc Hollowayさん
Docさんが組み上げた鉄パイプ版JoyRiderシステムの全景
人力ですが片手で楽に動き、かなり傾く
操縦桿の根元のジョイント部分。ここがテコの支点となります。
操縦桿を押す力をテコで増幅してコックピットを動かす仕組み
攻撃を受けたときにコックピットが振動するといったシミュレーターソフトからのフィードバックが得られないなどの欠点はありますが、ムービーを見る限りそんなことが気にならないくらい楽しそう。なんといっても安価に作れるのが最大の利点。塩化ビニール樹脂の水道管を組み合わせて作れば500ドル(約4万5千円)以下で組み立てられます。詳細なPDF形式のマニュアルが15ドル(約1300円)で販売されており、組み立てる時間の無い人には完成品のDreamflyerも2800ドル(約25万円)で販売されています。
塩化ビニル樹脂なので簡単に切ることができます
台車のキャスターを利用して
軸を設置しています
この軸を利用してロール(錐揉みの動き)方向のフレームを吊る
イスを固定するゴンドラをフレームに吊ったところ。地球ゴマのような感じ
水道管による作例。必要なスペースはほぼ畳1枚分ほど
ジョイスティックにゴンドラの動きを伝える部分
特殊な機材は一切なし。ホームセンターにある物だけで作ることができます
市販バージョンのDreamFlyer
また、このJoyRiderの基本構造を利用してフィードバック機能を付加したかなり究極に近いコックピットを自作してしまった人もいます。ギリシャのThanosさんはJoyRiderと車のワイパーのモーターをワイヤーで連結。汎用のコックピットコントローラーX-Simulatorと組み合わせてこのコックピットを作り上げました。
ワイパーのモーター
ゴンドラのフレームにワイヤーを巻き、これをモーターで巻き取ってゴンドラを動かす
ワイヤーの動きがよく分かる動画
YouTube - Full motion Flight Sim + TrackIR4 Pro on a F16
カーレースゲームでも使用できます。画像は左カーブですがコックピットは右に傾き体の筋肉を緊張させることで右方向への遠心力があるように錯覚させるというわけ
YouTube - FMS on LFS using X-sim, Few laps in XF-GTR
高価なものでは以下のようなコックピットがありますが、これらの動きとくらべてもまったく負けていません。
エンタテイメント向けとしては究極のモーションコックピット・セガR-360。約1500万円
YouTube - Recreativa R-360 de Sega
Eurocopter社のヘリコプターSuper Puma Mk2のシミュレーター。下部の油圧アクチュエーターがコックピットを動かしています。JoyRiderにはできないヨー(水平方向の回転)の動きが再現できますが価格は数千万円レベル。普通の人には手が出ません
YouTube - How much motion in full motion Simulator
FREX GP社のレーシングシミュレーターゲーム専用のモーションコックピットSimconMOTION。22万3千8百円
YouTube - SIMCONMOTION
JoyRiderはPCに限らずゲーム機にも接続できるのでエースコンバットシリーズなども楽しめそうです。あえてファミコンの「トップガン」などを動かすというのも面白いかも。Thanosさんは「通常の人力版JoyRiderなら5日ほどでできる」としており、長期休暇中の工作のネタに最適ではないでしょうか。
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