AppleのApp Store上に「ブラジルのIPアドレスからアクセスするとギャンブルアプリに変身する偽装アプリ」が60個以上あることが調査で発覚

ブラジルのApp Storeには数十種類の偽装ギャンブルアプリが規制されないまま配信されていることが、Apple関連メディア・9to5Macの調査により明らかになりました。
Investigation reveals dozens of disguised gambling apps on the App Store in Brazil - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2026/07/17/investigation-reveals-dozens-of-disguised-gambling-apps-on-the-app-store-in-brazil/

ブラジルのiPhoneユーザーが、App Storeの「ナビゲーション」「旅行」「天気」などのカテゴリのランキングを閲覧したところ、上位に粗悪なゲームアプリが多数表示されていることに気づきました。これらの粗悪なゲームアプリの多くは、AIが生成した動物のイラストをアプリのアイコンとして使用し、多くは年齢制限が設定されていないため、子どもを含むあらゆる年齢層のユーザーが利用できるような状態でした。この粗悪なゲームアプリは、いわゆる「ジャケットアプリ」と呼ばれるもので、実際はゲームアプリではなく偽装されたギャンブルアプリになっています。
ユーザーからの報告を受けた9to5Macは独自に調査を実施。すると、ブラジルを除く世界中のほとんどどの地域からアクセスしても、App Storeの配信ページに添付されているスクリーンショット通りの「ゲームアプリ」が起動するものの、ブラジルのIPアドレスからアクセスした場合のみ、オンラインギャンブルプラットフォームが表示されることが判明しました。
「偽装ギャンブルアプリ」の一例が、「PotatoPlot Puzzle」という名前のゲームアプリです。App Store上のスクリーンショットは以下の通り。確かにアプリアイコンは生成AIで制作したかのような動物のイラストです。

しかし、ブラジルのIPアドレスからアプリにアクセスした場合のみ、オンラインギャンブルサイトが開きます。

オンラインギャンブルサイトを開く偽装アプリのほとんどは、App Store上に1枚のスクリーンショットしか掲載しておらず、開発者アカウントはブラジルではなくベトナムなどの国でよく見られる名前を利用しているそうです。
偽装アプリのほとんどが類似あるいは全く同じプライバシーポリシーを採用しており、アプリの更新履歴はほとんどなく、ファイルサイズは約15MBしかありません。
さらに、9to5Macは「ギャンブルプラットフォームのフロントエンドとして機能する、シンプルなバイブコードで記述されたアプリを作成するためのCursorエージェントの手順を含む公開GitHubリポジトリを発見しました」とも報告しています。
このGitHubリポジトリによると、各アプリには3~5つの表示可能なインターフェースが含まれており、販売に適した名前と動物をテーマにしたアイコン(ドラゴン、ウシ、ウサギ、ネズミ、トラなど)を使用し、ローカルアプリ・アプリ内ウェブページ・外部ウェブサイトへのリモート制御ルーティングをサポートすることが求められているそうです。
また、このリポジトリにはAppleによる審査時にアプリが「不審なアプリ」としてフラグ立てされるのを防ぐための明確な指示も含まれています。この指示には、「各アプリに固有の起動コードとリモート構成コードを割り当てることで、審査担当者がそれらを同じグループに属するものとして識別しにくくなる」といった内容が含まれているそうです。

Appleは9to5Macが特定した偽装アプリをApp Store上から削除しましたが、その後、無料アプリランキングの上位200位に新しい偽装アプリが登場したと9to5Macは指摘。9to5MacはApp Storeのすべてのカテゴリに調査範囲を拡大したところ、偽装アプリを62個特定することに成功したとも報告しています。
この報告に対して、AppleはApp Storeの安全性を維持するというコミットメントを改めて表明し、「App Storeの審査ガイドラインで認められていない、アプリの真の機能を隠そうとする行為に対して一切容赦しない方針である」とコメントしました。また、Appleは9to5Macの調査報告の前から同様の偽装アプリ25個を特定・削除し、アプリをApp Storeに登録した開発者アカウントを停止したとも説明しています。
これに加えて、Appleは2026年5月に公開された報告書を引用し、2025年に22億ドル(約3600億円)以上の不正取引の可能性を阻止し、37万件以上の不正アプリをブロックし、App Storeの基準を満たさない200万件以上のアプリを拒否したと説明しています。
App Store、2025年に不正取引22億ドル以上を阻止 - Apple (日本)
https://www.apple.com/jp/newsroom/2026/05/the-app-store-stopped-over-2-point-2-billion-usd-in-fraudulent-transactions-in-2025/

ブラジルでは2025年9月に子どもや青少年をオンライン上で保護することを目指とした法律の「ECA Digital」が制定され、2026年3月から施行されています。
このECA Digitalに違反するとして、ブラジルの規制当局であるSEDIGI(国家デジタル権利事務局)とSENACON(国家消費者庁)は、スマートフォン向けの公式アプリストアを運営するAppleとGoogleに対し、未成年者がギャンブルプラットフォームにアクセスできるアプリ、あるいはアクセスを容易にするアプリがアプリストアで配信されているとして両社に警告。
さらに、2026年7月にはブラジル法務省が、AppleとGoogleに対して「ギャンブル機能を隠蔽または変更するアプリをどのように検出するか」「運営者が政府の認可を受けていることをどのように確認するか」「未成年者がギャンブルサービスにアクセスできないようにする方法」などについて説明を求めたばかりでした。
Google e Apple têm cinco dias para esclarecer políticas sobre aplicativos de apostas — Ministério da Justiça e Segurança Pública
https://www.gov.br/mj/pt-br/assuntos/noticias-1/google-e-apple-tem-cinco-dias-para-esclarecer-politicas-sobre-aplicativos-de-apostas

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