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「AIデリバリーシステムの導入で160億円超の損害を被った」とピザハットのフランチャイズ加盟店が提訴


近年はさまざまな企業がAIを導入して業務改善を図っており、一部のファストフード店では注文システムにAIを導入したり、キッチンやホールの業務管理を担うAIを導入したりしています。そんな中、大手宅配ピザチェーン・ピザハットのフランチャイズ加盟店が「ピザハットが導入したAIデリバリーシステムにより多額の損害を被った」として、ピザハットに1億ドル(約160億円)超の損害賠償を請求する訴訟を起こしました。

Franchisee files lawsuit against Pizza Hut over mandatory tech
https://www.restaurantbusinessonline.com/technology/franchisee-files-lawsuit-against-pizza-hut-over-mandatory-tech

Pizza Hut Franchisee Sues Over AI Delivery System, Alleges $100 Million in Damages
https://gizmodo.com/pizza-hut-franchisee-sues-over-ai-delivery-system-alleges-100-million-in-damages-2000760645

ヤム・ブランズはピザハットの他にケンタッキーフライドチキンやタコベルなどを傘下に持つ巨大ファストフード企業であり、2021年にAIベースのキッチンテクノロジー企業であるDragontail(ドラゴンテイル)を買収しました。それ以来ヤム・ブランズは、ピザチェーンなどの店舗運営・デリバリー効率・顧客満足度スコアの向上にドラゴンテイルが有効だと主張し、傘下企業にドラゴンテイルの利用を求めています。

ところが、ピザハットのフランチャイズ加盟店であるチャック・ピザ・ノースイーストは、ドラゴンテイルのAIデリバリーシステムの導入を強制されたことが裏目に出たと主張。ドラゴンテイルの使用を強制されたせいで1億ドル以上の損害が出たとして、ピザハットに対する訴訟を提起しました。


チャック・ピザ・ノースイーストはニューヨーク州やニュージャージー州、メリーランド州などのアメリカ北東部で、合計100店以上のピザハット店舗を運営しています。ドラゴンテイルの導入以前はフードデリバリーサービスのDoorDashと独自の契約を結んでおり、マネージャーはDoorDashのタブレットに注文を手動入力していたとのこと。

ところが、記事作成時点ではピザハットが全国規模のフードデリバリー業者との契約を保有し、フランチャイズ加盟店にもドラゴンテイルのAIデリバリーシステムの使用を強制しています。チャック・ピザ・ノースイーストは、ドラゴンテイルのAIシステムの導入によってデリバリーの遅延などが生じており、マネージャーに対する適切なドラゴンテイルのトレーニングも実施されていないと主張しています。


チャック・ピザ・ノースイーストは訴状の中で、「ドラゴンテイルの使用によって配送時間の遅延や商品の温度低下(遅延が原因)、顧客満足度の低下が生じました。具体的には、ラックでの待ち時間が5分未満から最大20分に増加し、配送時間も30分から45分以上に大幅に増加しました。30分以内に配送された注文は約50%に過ぎませんでした」と述べています。

チャック・ピザ・ノースイーストによると、主な問題点はドラゴンテイルの導入によりドライバーがリアルタイムの注文状況や作業の流れなどを把握可能になった点にあるそうです。一部のドライバーはこの情報を利用して、完成したピザをすぐに配達に出す代わりに同じ地域へデリバリーする追加の注文が溜まるのを待つようになり、焼き上がったピザを放置し始めたとのこと。これにより配送時間の遅延が生じているというわけです。

ドラゴンテイルの導入以前、チャック・ピザ・ノースイーストの前年比売上成長率は「+10.19%」を記録していましたが、導入後は「-9.78%」と大幅に下落したと報告されています。

チャック・ピザ・ノースイーストは、「ドラゴンテイルの完全導入前のチャック・ピザ・ノースイーストは2桁の売上増加を記録し、2020年初頭から2024年初頭にかけて、ほぼすべてのピザハットフランチャイズ加盟店を上回り、ブランド平均をはるかに超えていました。ドラゴンテイルの導入後、チャック・ピザ・ノースイーストの業績はシステム平均を大幅に下回りました。最近になって事業運営と変数を分析し、予想外の急激な業績悪化を評価した結果、トップパフォーマーだった頃から事業に唯一大きな変化をもたらしていたドラゴンテイルが、業績低下の原因だったことを発見しました」と述べています。


チャック・ピザ・ノースイーストはピザハットに対し、1億ドル以上の損害賠償に加えて訴訟費用や利息の負担などを求めています。

今回の訴訟はピザハットが苦境に追い込まれる中で提起されました。ピザハットは競争の激化によって売上低迷に悩まされており、ヤム・ブランズは2025年11月にピザハットの売却を検討していることを表明していました。

米ヤム・ブランズ、ピザハットの売却検討 競争激化で売り上げ低迷 | ロイター
https://jp.reuters.com/markets/world-indices/ZQEUP6S525NXXHOT5FICU24ATQ-2025-11-04/

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in AI,   , Posted by log1h_ik

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