中国は5万5000kmに及ぶ分散AIネットワークを構築している

中国で巨大な分散型AIコンピューティングプール「未来網絡基礎設(CENI)」」が開設したと中国の国営メディアが報じました。この高速光ネットワークは中国の40都市にまたがり、総距離は赤道の1周よりも長い約5万5000kmにも及ぶと言われています。
从699天到1.6小时,数据上演“极限穿越”,我国信息通信领域首个国家重大科技基础设施投运
https://www.stdaily.com/web/gdxw/2025-12/04/content_441822.html

China Launches 34,175-Mile AI Network That Acts Like One Massive Supercomputer
https://gizmodo.com/china-la%E3%80%80unches-34175-mile-ai-network-that-acts-like-one-massive-supercomputer-2000698474
中国の国営メディア「科技日報」が報じた内容によると、2025年12月3日、貴州師範大学分校にある500m電波望遠鏡「中国の天眼」の共同研究センターにあるデータゲートウェイを、「未来ネットワーク試験施設(CENI)」のネットワークで動かしたとのこと。中国の天眼が観測した天文データは約72TBあり、従来のインターネットを使って別の大学のデータセンターに移行するには699日かかっていましたが、CENIにより約1.6時間でデータの移行が完了したそうです。
中国における技術分野の最高研究機関である中国工程院に所属する、未来ネットワーク実験施設プロジェクトの主任責任者である劉雲傑氏は「このシステムの最大の利点は効率性にあります。AI大規模モデルのトレーニング、遠隔医療、産業用インターネットなど、極めて高いリアルタイム性が求められるシナリオにおいて革命的な存在となります」と述べています。
中国の天眼を用いた実験と同じ日に、CENIは南京で国家検定を通過し、正式に運用を開始しました。

CENIは10年以上にわたる計画と建設を経て、中国全土40都市をカバーし、光伝送の総距離は5万5000kmを超えていると発表されています。CENIは24時間365日稼働し、128種類の異なるネットワークを同時に動かすことができるほか、同時に4096種類の異なるサービスのテストも同時に実行できるそうです。
AI分野においても、CENIは強力な貢献をすることが見込まれています。劉氏は「数千億のパラメータを持つ大規模モデルを複数のドメインにまたがって学習させるには、50万回以上の反復処理が必要です。CENIでは、1回の学習反復処理にかかる時間はわずか16秒程度です。さらに、施設の決定論的ネットワーク機能を無効にし、干渉フローを導入すると、反復処理時間は1回あたり20秒以上も急激に増加します。つまり、決定論的ネットワークを導入したCENIを用いることで、大規模モデルの学習を数か月短縮できることになります」と語りました。
また、中国は2014年に策定した主要科学インフラ整備計画の中で、「東数西算(東のデータ、西のコンピューティング)」というプロジェクトを発表しています。これは、中国西部の資源豊富な地域と、中国東部のデータや開発の需要が高い地域を結ぶことを目的としたものです。CENIはさまざまな分野にオープンな支援を継続的に提供していく姿勢を示しており、最先端分野における広い地域の連携を実現することも期待されています。
科技日報は「CENIは、中国のデジタル化とサイバー強国の構築を加速させ、技術の自立レベルを向上させるための継続的な推進力となります」と述べています。
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