Metaが海底ケーブル計画「Project Waterworth」発表、5万kmの海底ケーブルで5つの大陸を結ぶ世界最長のプロジェクトに

現地時間の2025年2月14日、Metaがこれまでで最も野心的な海底ケーブルプロジェクトとなる「Project Waterworth」を発表しました。Project Waterworthは5つの主要大陸をまたがり敷設され、全長は地球の円周よりも長い5万kmにもおよぶため、世界最長の海底ケーブルとなります。
Unlocking global AI potential with next-generation subsea infrastructure - Engineering at Meta
https://engineering.fb.com/2025/02/14/connectivity/project-waterworth-ai-subsea-infrastructure/
Meta confirms 'Project Waterworth,' a global subsea cable project spanning 50,000 kilometers | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/02/14/meta-confirms-project-waterworth-a-global-subsea-cable-project-spanning-50000km/
Project Waterworthはアメリカ、インド、ブラジル、南アフリカ、その他主要地域に業界をリードする接続性をもたらすための海底ケーブルです。当該地域では「経済協力が強化され、デジタルインクルージョンが促進され、技術開発の機会が開かれることになる」とMetaは説明しています。例えば、デジタルインフラストラクチャーの大幅な成長と投資がすでに見られるインドでは、Project Waterworthがこの進歩を加速させ、インドのデジタル経済促進に向けた野心的な計画をサポートすることができるとのこと。
Project Waterworthのような海底ケーブルは世界のデジタルインフラストラクチャーのバックボーンであり、世界の海洋を横断する大陸間トラフィックの95%以上を占めるデジタル通信、動画エクスペリエンス、オンライントランザクションなどをシームレスに実現することが可能となります。Project Waterworthは世界中のAIイノベーションを推進するために必要な、豊富な高速接続を備えた3つの海底ケーブルを敷設することで、デジタル通信の規模と信頼性を強化することを目論んでいます。
Project Waterworthの海底ケーブルが敷設される予定のルートは以下の通り。アメリカ、ブラジル、南アフリカ、インドなどを結びます。

Metaは過去10年間でさまざまなパートナーと連携してインフラストラクチャーの革新を推進しており、これまで20本以上の海底ケーブルを敷設してきました。海底ケーブルでは一般的に8~16芯のファイバーペアを利用したものが採用されているそうですが、Metaは業界をリードする24芯のファイバーペアを使った海底ケーブルを敷設してきた実績があります。
Project Waterworthではケーブルの耐久性を維持するためのエンジニアリング設計を継続的に進めることで、世界最長の24芯光ファイバーケーブルプロジェクトを構築し、全体的な展開速度を向上させることができるそうです。さらに、この種の光ファイバーケーブルとしては初となるルーティングを展開し、最大7000メートルの深海に敷設された海底ケーブルであっても最大限に活用することができます。加えて、海岸近くの浅瀬など断層リスクの高いエリアでは、強化された埋設技術を使用することで船舶の錨やその他の危険による損傷を回避できるそうです。
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Project Waterworthは次世代の高速海底ケーブルを敷設することで、AIの可能性を解き放つことを目的としています。プロジェクトでは数十億ドル(数千億円)規模の投資が複数年にわたって行われる予定です。
Metaは「AIは、我々が互いに交流する方法からインフラストラクチャーについて考える方法まで、生活のあらゆる側面に革命を起こしています。Metaはこうした革新的なテクノロジーの構築の最前線に立っており、AIが世界中の産業や社会を変革し続ける中で、主要なインフラストラクチャーをサポートするには能力・回復力・グローバルな範囲がこれまで以上に重要であることは明らかです。Project WaterworthではAIやその他の新興テクノロジーのメリットを、居住地や勤務場所に関係なくすべての人が利用できるよう支援できます」と記しています。
なお、Project Waterworthの発表に先立って、ドナルド・トランプ大統領はインドのナレンドラ・モディ首相と首脳会談を実施し、「21世紀の米印コンパクト(軍事パートナーシップ、加速された商取引と技術の機会の促進)」というイニシアチブを立ち上げました。この中には「インド洋の接続性を強化することを支援するため、首脳らは、今年から工事を開始する海底ケーブルプロジェクトに数十億ドル規模の複数年投資するというMetaの発表を歓迎した」という文言も含まれています。
United States-India Joint Leaders’ Statement – The White House
https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/2025/02/united-states-india-joint-leaders-statement/

通信市場調査会社のTeleGeographyによると、Metaはアフリカ大陸を囲む海底ケーブルの「2Africa」を含む、既存の海底ケーブルネットワークの16個に関与しているそうです。ただし、MetaにとってProject Waterworthは初の完全自社主導の海底ケーブルプロジェクトとなり、Metaが単独で所有することとなるルートも存在するそうです。海底ケーブル敷設に携わる大手テクノロジー企業のAmazonやMicrosoftでも、「単独所有ルート」を保有していないことから、Metaのプレゼンスが一気に高まる可能性も指摘されています。
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in メモ, Posted by logu_ii
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