実は女性よりも男性の方が恋愛関係を重視しているという研究結果

多くの大衆文化では、男性よりも女性の方が恋愛に重きを置いていると描かれがちであり、どちらかというと男性の方が恋愛に依存しないイメージを抱いている人が多いはず。ところが、査読付き学術誌のBehavioral & Brain Sciencesに掲載された論文では、実際には女性よりも男性の方が恋愛関係を重視しているという研究結果が報告されました。
Romantic Relationships Matter More to Men than to Women | Behavioral and Brain Sciences | Cambridge Core
https://www.cambridge.org/core/journals/behavioral-and-brain-sciences/article/romantic-relationships-matter-more-to-men-than-to-women/52E626D3CD7DB14CD946F9A2FBDA739C

Men value relationships more and suffer more from breakups than women
https://www.psypost.org/men-value-romantic-relationships-more-and-suffer-greater-consequences-from-breakups-than-women/
人間関係を描いたさまざまな映画やドラマ、小説といった物語では、女性はパートナーに感情的に依存しやすい一方、男性は自立的で感情的に控えめだというステレオタイプが描かれがちです。こうしたステレオタイプは大衆文化だけでなく、学術研究にも影響を及ぼしているとのこと。
今回、ドイツのフンボルト大学で心理学を研究するアイリス・ワーリング氏らの研究チームは、心理学・社会学・進化生物学などの学際的な研究を利用して、恋愛関係が男性と女性に与える影響について包括的な分析を行いました。
その結果、研究チームは「平均すると女性よりも男性の方が、感情的なサポートや親密さをロマンチックなパートナーに頼っている」と結論付けました。男女における恋愛関係の捉え方の不一致は、男性が恋愛関係以外で感情的な支えとなる友情や家族愛を育む可能性が低いのに対し、女性は恋愛関係以外でも親密さやケアをもたらす広範なネットワークを築く可能性が高いからだと、研究チームは主張しています。

研究チームは自分たちの主張を裏付けるものとして、以下の「恋愛関係における4つの発見」を解説しています。
◆1:男性は恋愛関係からより多くの利益が得られると期待し、恋愛関係を育む意欲が高い
研究チームによると、男性は女性と比較して「恋愛関係が自分の幸福感を大きく改善する」と考えがちだそうです。これは、男性には感情や親密さのニーズを満たす選択肢が少ないことが、理由のひとつだとのこと。実際、独身男性は独身女性よりも積極的にパートナーを探す傾向があるほか、男性は女性よりも恋愛関係を理想化しがちで、「一目ぼれ」などの概念を信じやすく、関わり始めて間もない頃に告白する傾向があると報告されています。
◆2:男性は女性と比較して、恋愛関係から得られる精神的・肉体的なメリットが大きい
恋愛関係は男性に感情的なサポートを提供し、それが人生の満足度の向上やメンタルヘルスの改善、身体的な健康状態の改善につながります。独身男性は独身女性に比べてうつ病やストレス、孤独感を覚える割合が高く、平均余命が短いなど、健康に悪影響を及ぼすリスクが高いことが示されています。一方、独身女性は独身男性よりも広範な社会的ネットワークを築きやすい傾向があるため、恋愛関係がなくても健康上の利点が得られやすいそうです。

◆3:男性は女性と比較して別れを切り出す可能性が低い
研究チームの調査では、離婚の約70%が女性によって始められたものであり、男性より女性の方が婚姻関係を終わらせる可能性が高いことがわかりました。男性は女性よりも恋愛関係に依存しやすいため、別れることのコストや感情的サポートの喪失が、別れることのメリットを上回っていると認識しやすいのではないかと考えられています。
◆4:男性は恋愛関係が解消された後、女性よりも大きな感情的・心理的苦痛を経験する
男性は別れを経験した後、女性に比べて強い孤独感や苦しみ、人生の満足度の低下を報告する傾向があるとのこと。また、別居や死別によってパートナーを失った後の死亡リスクが高まるなど、より深刻な身体的健康への悪影響があると報告されています。研究チームは、男性は感情的なサポートの源として恋愛関係に依存している一方、女性は別れた後に友人や家族にサポートを求める可能性が高く、これが回復力につながっているのではないかと主張しました。

心理学系メディアのPsyPostは、「男性は幼い頃から自立と感情的な抑制を優先するよう社会化されているため、友人や家族と深く協力的なつながりを築く能力が制限されます。その結果、ロマンチックなパートナーが、男性の生活における感情的な親密さとケアの唯一の提供者になることがよくあるのです。この力学が、男性が恋愛関係のため懸命に努力し、その中にいることでより多くの利益を得て、関係が終わると深く苦労する理由を説明しています」と述べました。
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