サイエンス

宇宙の7割を占めるダークエネルギーは存在しないとの研究結果、「本当なら宇宙の常識がひっくりかえる」と専門家


ビッグバンの大爆発で始まった宇宙の膨張は、勢いが衰えるどころか加速していることが知られており、宇宙を加速膨張させている謎のエネルギーは「ダークエネルギー」と呼ばれています。科学者が長年にわたって探究しているにもかかわらず、正体がつかめていないこのダークエネルギーは、実際には存在しないとする説を裏付ける研究結果が発表されました。これは、宇宙はどこも同じで特別な場所はないとする現行の宇宙論を根底から覆しかねない発見だと位置づけられています。

Supernovae evidence for foundational change to cosmological models | Monthly Notices of the Royal Astronomical Society: Letters | Oxford Academic
https://academic.oup.com/mnrasl/article/537/1/L55/7926647

Huge if true – dark energy doesn’t exist, claims new study on supernovas
https://theconversation.com/huge-if-true-dark-energy-doesnt-exist-claims-new-study-on-supernovas-246674

現代の宇宙論の根幹をなすのは、「Λ-CDMモデル」というモデルです。

これは、「宇宙項Λ(ラムダ)」で表されるダークエネルギーと、エネルギーが低い「冷たいダークマター(Cold Dark Matter:CDM)」を組み合わせたもので、このモデルでは宇宙は68.3%のダークエネルギー、26.8%のダークマター、4.9%の通常の物質から成るとされています。


Λ-CDMモデルは標準的な宇宙論モデルとして四半世紀にわたって支持されてきましたが、最新鋭のダークエネルギー分光装置(DESI)の観測結果を分析した新しい研究により、不変だと思われてきたダークエネルギーが時間とともに弱まっている可能性が示されるなど、いくつかの課題に直面しています。また、Λ-CDMモデルの重要な基礎であるアインシュタインの一般相対性理論がそもそも不完全なのではないかという見方もあります。

ダークエネルギーが「進化」しているとの研究結果、「宇宙の終わり」に関する予想を決定づける可能性のある発見 - GIGAZINE


こうした課題から注目が集まっている代替モデルのひとつに、タイムスケープ宇宙論モデル、いわゆる「タイムスケープモデル」があります。この理論と現行の宇宙論の大きな違いは、この宇宙がどこまでも同じであると仮定するかどうかという点にあります。

通常物質やダークマターを含む宇宙の物体は、銀河や銀河団といった形で密集しており、宇宙全体に薄く広がっているわけではありません。しかし、宇宙はあまりにも広大なので、宇宙規模ではこのようなムラはささいなものであり、全体としてみれば物質の分布は均一だと考えられます。

この宇宙の均質性や等方性は宇宙原理と呼ばれており、Λ-CDMモデルもこの原理に根ざしています。

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in サイエンス,   無料メンバー, Posted by log1l_ks

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