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インフルエンザの流行がどれほど危機的状況なのか一目でわかる国立感染症研究所の「インフルエンザ流行レベルマップ」


2024年から2025年にかけた冬はインフルエンザが爆発的に流行しており、12月16日~22日の週に東京都内のインフルエンザ患者数が5年ぶりに都の警報基準を超えたことや、大阪府でも同週に警報基準に達したことなどが報じられています。厚生労働省の国家機関である国立感染症研究所は全国約5000の定点医療機関を受診したインフルエンザ患者数を元に、インフルエンザの流行が注意報や警報レベルに達したかどうかが一目でわかる「インフルエンザ流行レベルマップ」を公開しています。

流行レベルマップ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-map.html

国立感染症研究所 感染症情報センター インフルエンザ流行レベルマップ
https://kansen-levelmap.mhlw.go.jp/Hasseidoko/Levelmap/flu/new_jmap.html

日本では2024年~25年シーズンにインフルエンザが大流行しており、各都道府県はこまめな手洗いやマスクの着用、十分な休養などの感染予防対策を呼びかけています。東京都では12月9日~15日の週と16日~22日の週、2週続けて前週の2倍以上の患者数が報告されており、年末年始に人々が集まる機会が増える中、さらなる感染拡大が懸念されています。

国立感染症研究所の感染症疫学センターでは、全国約5000の定点医療機関を受診した患者数を元にしたインフルエンザの警報・注意報発生システムを運用しています。警報・注意報は、定点医療機関から報告された患者数を保健所単位で集計し、1週間あたりの患者数が一定のラインを超えたかどうかで判断されます。記事作成時点での警報発令ラインは定点医療機関あたり「30人」で、注意報発令ラインは「10人」となっています。また、前の週に警報が発令されていた場合、警報の継続基準値である「10人」以上の新規患者数が報告されると警報が継続する仕組みです。


感染症疫学センターはインフルエンザの流行状況が一目でわかるように、警報・注意報発生システムを元にした「インフルエンザ流行レベルマップ」を毎週更新しています。このマップでは、各都道府県ごとに警報レベルを超えている保健所がある場合は赤系統の3段階で、注意報レベルを超えている保健所があればオレンジ系統の3段階で表しています。

それぞれの色は、都道府県内の保健所に占める警報・注意報を発令した保健所の割合を示しています。警報レベルを超えた保健所の割合は濃い赤色が「70~100%」、やや薄い赤色が「30~70%」、薄い赤色が「0~30%」。注意報レベルを超えた保健所の割合は濃いオレンジ色が「70~100%」、濃い黄色が「30~70%」、薄い黄色が「0~30%」とのこと。


そして2024年12月27日(金)に更新された2024年第51週(12月16日~22日)のインフルエンザ流行レベルマップが以下。全患者報告数は「21万1049」、定点あたりの平均患者数は「42.66」となり、前週の定点あたり報告数である「19.06」から2倍以上に激増しました。ほぼすべての都道府県で警戒レベルとなっており、注意報レベルにとどまっているのは秋田県・山形県・富山県のみです。


都道府県別では大分県が「82.64」、鹿児島県が「65.57」、佐賀県が「61.62」、千葉県が「60.03」、福岡県が「59.86」、愛知県が「56.76」、山梨県が「55.63」、愛媛県が「52.68」、埼玉県が「51.06」、宮崎県が「50.64」、山口県が「50.03」となり、特に九州や関東地方を中心に流行していることがうかがえます。

定点医療機関からの報告を元に、定点医療機関以外の医療機関で診断を受けた人を含む全国の患者数を推計すると「約167.4万人」となりました。年齢別では0~4歳が約12.8万人、5~9歳が約25.4万人、10~14歳が約26万人、15~19歳が約15.5万人、20代が約13.2万人、30代が約14.5万人、40代が約20.8万人、50代が約19.6万人、60代が約9.8万人、70代以上が約9.7万人でした。

「インフルエンザ流行レベルマップ」は地図上をクリックすることで、保健所ごとの注意報や警報などのより詳細な情報を見ることができます。たとえば東京都の保健所ごとの注意報・警報レベルは以下の通り。


東京都で注意報あるいは警報が発令された保健所の推移を示したグラフがこれ。インフルエンザの患者数は第49週(12月2日~8日)から増え始め、第51週で一気に過半数の保健所が警報レベルになったことがわかります。


年末年始は人の移動が増えるため、インフルエンザの感染がこれまで以上に広がるおそれがあるほか、患者の急増に対応できるだけの薬が不足していることも報じられています。また、医療機関の一部は年末年始に休業するため、休日診療所がいつも以上に混み合うことも想定されます。

医師や自治体は、十分な栄養や休息を取って免疫力を高めると共に、こまめな手洗いや手指の消毒、人の多い場所でのマスクの着用といった感染予防対策を徹底するように呼びかけています。

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in レビュー,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

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