取材

「四国グリーン紀行」で特急列車をフル活用してJR四国全路線に乗車する旅行をしてみた・4日目


JR四国の切符「四国グリーン紀行」を使って、有効期間4日間と特急列車のグリーン席に乗車可能という点を最大限に活かして「JR四国の全路線全区間に乗車する」ことを目的とした鉄道乗り旅に出ることにして4日目。残る路線は徳島線の阿波池田~佐古間と、鳴門線の池谷~鳴門間のみです。

四国グリーン紀行 |四国旅行 JR四国ツアー(駅コミ)
https://www.jr-eki.com/ticket/brand/2-3UW

旅の1日目は高松から始まり、松山、宇和島を経由して宿毛まで移動。

「四国グリーン紀行」で特急列車をフル活用してJR四国全路線に乗車する旅行をしてみた・1日目 - GIGAZINE


2日目は宿毛から奈半利まで鉄道移動ののち、バスとDMVで室戸岬を周って徳島県に入り、四国の東側を北上して再び高松まで移動。

「四国グリーン紀行」で特急列車をフル活用してJR四国全路線に乗車する旅行をしてみた・2日目 - GIGAZINE


3日目は高松から高知へ、そして予土線で宇和島へ移動して松山へ。

「四国グリーン紀行」で特急列車をフル活用してJR四国全路線に乗車する旅行をしてみた・3日目 - GIGAZINE


最終日の4日目は松山からスタートです。

4日目に残った未乗車区間は徳島線の阿波池田~佐古間と鳴門線の池谷~鳴門の2区間。松山からだと特急しおかぜorいしづちで多度津まで移動後、特急南風orしまんとで阿波池田に移動するのが最速。もし5時5分発の始発・しおかぜ4号を利用すると、10時37分に鳴門に到着して目的は終了となります。それだとさすがにもったいないので、前日に伊予鉄道の郊外電車全線と市内電車(路面電車)一部区間に乗車したので、この日、松山を発つ前に残りの区間にも乗車してみることにしました。

◆徒歩:宿→道後温泉
せっかくなので朝イチで道後温泉に入ることにしました。しかし、道後温泉発の始発は6時1分発ですが、道後温泉に到着する始発列車は6時38分着。列車を待つ時間がもったいないので、歩いて行くことにしました。

勝山交差点の角にある愛媛銀行本店の裏から北東に向かう、廃線跡を転用した道路。


この区間の路線の変遷については伊予鉄公式ブログで解説記事が公開されています。歩いているのは伊予鉄に合併された元道後鉄道の線路で、現行の伊予鉄の道後温泉方面の路線は松山電気軌道だったものです。

路線図の考察~伊予鉄 路面電車の変遷~ │ 伊予鉄公式ブログ
https://iyotetsublog.com/2022/03/18/post-1833/

伊予鉄の線路が見えてきました。かつて伊予鉄と松山電気軌道が争っていたころは立体交差していたそうです。


さらに直進して道なりに進んでいくと、廃線跡の道路は住宅に変わっていました。


廃線跡に近い道を東へ進んでいくと、道後温泉駅の西側にある車庫に到達しました。


道後温泉駅ではJR松山駅前行きが発車を待っていました。


道後温泉駅そばに留置されている「坊っちゃん列車」。


土曜・日曜・祝日は乗車することも可能です。


道後温泉に向かうアーケード。


駅から徒歩5分で道後温泉本館に到着しました。


入湯料は大人700円。なお、中は朝から大盛況で、ちょうど入館開始時刻に合わせて入った人たちが出ていくのと入れ替わりぐらいのタイミングでした。


◆伊予鉄道
6時42分発の電車で道後温泉を離れます。


市内電車は軌道の舗装修復工事を行っていました。


松山城。


松山市駅に到着。市内電車のロータリーは2025年にかけて移設される予定となっています。


コロナ禍以降は平日のみの運行になっている本町線にも乗車しました。松山市駅から松山城の西側を走る国道196号を北上して本町六丁目駅までを結んでいる路線で、本町六丁目から環状線で松山市駅までは行けるため、乗客減は納得ですが、環状線は混雑が激しいため、座って乗れる本町線を選んでいる人もいるようでした。


大手町駅北方には、郊外電車と市内電車のダイヤモンドクロス(平面交差)があります。鉄道と軌道(路面電車)の平面交差は日本で唯一となっています。


伊予鉄道大手町駅・郊外電車通過後に市内電車がダイヤモンドクロスを通過 - YouTube


大手町駅そばの踏切からダイヤモンドクロスを見守るとこんな感じに。

伊予鉄道・大手町駅ダイヤモンドクロスを通過する古町行き市内電車 - YouTube


大手町駅からJRの松山駅までは市内電車で1駅。徒歩でも5分少々です。


◆しおかぜ12号:松山→多度津
JR松山駅の壁面にあった、愛媛県新幹線導入促進期成同盟会による「新幹線を四国に!愛媛に!」というメッセージ。


松山からは特急しおかぜ12号で土讃線乗り換え駅の多度津を目指します。


岡山・高松~松山を結ぶ特急しおかぜ・いしづちと松山~宇和島を結ぶ特急宇和海がホームの前後に停車して乗り換えの便宜を図っていました。


隣のホームやその向こうにも特急列車が来て、5編成が集合しました。


多度津まではグリーン車に乗車。8600系のグリーン車は非常に豪華です。


コンセント付きの電動リクライニングシート。


松山駅を出ると、伊予鉄道高浜線が少しだけ並走する区間があります。


進行方向左側、海上にある津嶋神社


多度津駅に到着しました。


駅前に「四国鉄道発祥の地」の碑があります。


◆土讃線普通:多度津→阿波池田
多度津を11時56分に出る南風7号に乗ると阿波池田に12時33分に到着するのですが、この区間に乗車するのは2日連続となるため、今回は、11時39分発の普通列車に乗車することにしました。阿波池田到着は12時48分。隣に停車中の貨物列車が発車してからの出発です。


多度津駅西方で土讃線は左へ分かれます。


アンパンマン列車に追い抜かれました。


香川・徳島県境では長いトンネルを抜けることになります。


トンネルを抜けた先にあるのは秘境駅・坪尻。


普通列車はいったん左側の線路に入ってから手前右側の線路に折り返すスイッチバックで坪尻駅に停車します。


坪尻駅に列車が収まりました。


特急列車はスイッチバックすることなく駆け抜けていきます。


吉野川沿いに降り、吉野川橋梁を渡ります。


佃駅で徳島線と合流。


ちょうど向こうから徳島行きの普通列車がやってきました。乗り継げば14時49分に徳島に到着しますが、今回はスルー。


阿波池田駅に到着しました。


先ほどの列車は12時37分発の普通列車で、次は14時30分発の特急剣山8号。約2時間あるので、阿波池田で昼食を取ってゆっくりすることにします。


◆阿波池田
阿波池田駅外観。


駅東側には「へそっ子公園」があります。所在地の徳島県三好市が「四国のへそ」であることに由来した名前です。


駅前アーケード内に飲食店がいくつかあります。今回はheso salonというカフェへ。


おすすめランチは「祖谷ジビエ 鹿ロースト丼」と「牟岐町直送 宇和島鯛めし風海鮮丼」。今回の旅ではもう鯛めしは食べていたので、鹿ロースト丼にしました。


スープ、サラダ、ドリンクつきで税込1200円。ボリュームたっぷりです。


各方面からのバスが発着するバスターミナルは駅から少し離れたところにあります。


祖谷のかずら橋方面へも向かうことが可能。


一部路線では温泉むすめ・祖谷めぐりが車内アナウンスを担当しているとのこと。


三好市といえば「四国酒まつり」が開催されることも有名なので、地元の酒造である合名会社中和商店を訪問。


建物は国登録有形文化財だとのこと。


中でお酒を買うことが可能です。


味があるうだつ通りの町並み


駅まで戻ってきました。各方面へ向かう特急列車の出発が近づいています。


◆剣山8号:阿波池田→徳島
特急剣山で、一気に徳島線を走破します。


特急剣山徳島行き、特急南風高知行き、特急南風岡山行きと、3本の特急が同時に停車していました。


進行方向左側に吉野川。


進行方向右側には山が近づいてきたり、離れて住宅地があったり。


徳島市に入ると、前方右側に眉山が見えてきました。左のアンテナ類が立っているのが山頂付近、右側の建物は「天空のスカイビューホテル 眉山海月」。


15時51分、徳島駅に到着。すぐに阿波池田行きの普通が発車していきました。


◆高徳線・鳴門線普通:徳島→鳴門
いよいよ最後の未乗区間に向けて、鳴門行きの普通列車に乗車します。


鳴門線が分岐する池谷駅手前、レンコン畑らしいところに鳥が集まっていました。


夕方時間帯の列車は通学利用の人が多数でした。


16時37分、鳴門駅に到着。JR四国全路線全区間乗車完了です。


◆鳴門線・うずしお24号・マリンライナー56号:徳島→高松→岡山
目的は達成しましたが、帰宅するまで旅は続きます。鳴門駅からだと、路線バスで小鳴門橋まで移動し、高速バスの鳴門インター停留所から大阪方面に向かう手もあるのですが、「四国グリーン紀行」をまだ生かせるということで、折り返して高松からマリンライナーで岡山へ向かうことにしました。

先ほど乗ってきた列車で池谷まで折り返します。


池谷駅はホームがY字になっていて、写真左が高徳線・高松方面、右が鳴門線・鳴門方面へと分岐しています。


高松行きホームから見た、鳴門線列車の行き違い。


20分待つと、徳島方面から高松行きの特急うずしお24号がやってきました。

高徳線池谷駅に特急うずしお24号が到着 - YouTube


旅の最後の特急列車に乗車します。なお、仮に鳴門線の列車で徳島まで乗ってした場合、先にうずしお24号が徳島駅を出発するため、乗り継ぎが成立しませんでした。


高松駅では8分の猶予で、快速マリンライナー61号に乗り継ぎました。


「四国グリーン紀行」はJR四国の切符なので、効力は本州に入ったところの児島駅まで。今回は「四国グリーン紀行」を活用してマリンライナーのグリーン席を取っていたので、児島から岡山までは乗車券に加えて、同じ座席のグリーン券を別途購入しました。岡山駅到着は19時33分でした。


1日目の高松出発から4日目の岡山到着までにかかった交通費は、「四国グリーン紀行」の2万3000円を含めて、総額3万1660円でした。

四国内の旅程を示した地図は以下。濃い茶色の線が4日目の移動を示しているほか、赤線は1~3日目の鉄道移動、青線はバス移動を示しています。松山周辺にオレンジ線で伊予鉄道の郊外電車乗車分を示しましたが、さすがに市内電車分は細かすぎたので省略しました。

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in 取材,   乗り物,   動画, Posted by logc_nt

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