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「ブラックアウト・チャレンジ(失神チャレンジ)」遺族がTikTokを訴えた訴訟で裁判所が「免責にならない可能性がある」と判断


自らを失神させる様子を動画撮影して共有する「失神チャレンジ」で10歳の娘を亡くしたとして、母親がTikTokを訴えている裁判で、通信品位法第230条に定められた免責規定により原告の訴えを退けた第一審判決を、控訴裁判所が「アルゴリズムによる推奨があった可能性があり、責任を免れない場合もある」として覆しました。

'Blackout Challenge' lawsuit against TikTok may proceed
https://lawandcrime.com/lawsuit/tiktok-lawsuit-over-10-year-old-girl-who-died-after-blackout-challenge-reignited-after-appeals-court-ruling/

TikTok told it must face lawsuit over deadly viral challenge, despite Section 230 protections - SiliconANGLE
https://siliconangle.com/2024/08/28/tiktok-told-must-face-lawsuit-deadly-viral-challenge-despite-section-230-protections/

アメリカ・ペンシルバニア州に住むタワインナ・アンダーソン氏の娘は、2021年12月に失神チャレンジを実施して意識を失い、治療の甲斐なく間もなく死亡しました。失神チャレンジはTikTokの「流行り」の一つであり、主に10代の子どもたちが危険を顧みず実行に移し、2020年から2022年にかけての1年半で15人以上の子どもが死亡しています。

TikTokの「失神チャレンジ」流行で12歳以下の子どもが1年半に15人以上も死亡、なぜ13歳未満のユーザーを排除できないのか? - GIGAZINE


アンダーソン氏は、「TikTokはユーザーの関心を最大限集めるように設計されており、流行りのチャレンジを見た子どもが実際に試したり、共有したりするよう促している」と主張し、TikTokに責任があるとして訴訟を提起しました。しかし、この訴訟は連邦判事によって棄却されました。

判事は、「第三者が発信するコンテンツについて、TikTok等のプロバイダは原則として責任を負わない」とする通信品位法第230条を引用し、アンダーソン氏の娘が死亡したのは娘自身に原因があるとして、アンダーソン氏の請求は認められないと結論づけました。


アンダーソン氏は第一審判決を不服として控訴。すると、第二審の連邦控訴裁判所は第一審判決を覆し、TikTokにも一定の責任がある可能性が高いとの見方を示しました。控訴裁判所判事は、仮にTikTokが「ユーザーへのおすすめ」として失神チャレンジを表示させていた場合、TikTok自身が「コンテンツを推奨する」という表現活動を行ったものと見なされ、通信品位法第230条による免責の対象とはならない可能性があると指摘しました。

この指摘の背景には、ちょうど1カ月前に最高裁判所で判決が下った一つの事件がありました。この事件では、第三者のコンテンツを他のユーザーに見せるかどうか、またどのように見せるかを管理できるソーシャルメディアの能力を制限するというテキサス州とフロリダ州の州法が、表現や報道の自由を規定する憲法修正第1条に抵触するかどうかが問われていました。

最高裁判所は、おすすめを表示するなどのアルゴリズムは、ソーシャルメディア自身の意図で第三者のコンテンツをまとめるという「表現活動」の表れであるからして、このような表現活動を規制する州法は違憲であると判断しました。


この判決においてソーシャルメディアの表現活動は「第一者による行為」であるとの見解が示されたため、アンダーソン氏の訴訟を取り扱った連邦控訴裁判所は、「TikTokのアルゴリズムによるおすすめ動画の表示は第一者による表現であり、第三者のコンテンツ配信を免責するという通信品位法第230条に照らすと、免責の対象にはならない可能性がある」と見なしています。

ただし、これはあくまでTikTokのおすすめに関して言及されたものであり、ユーザーが能動的にコンテンツを検索するなどしていた場合、やはり通信品位法第230条の免責対象となる可能性があります。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by log1p_kr

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