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Googleの「Gemini AI」は新機能「Gems」で対話AIの個性をカスタマイズできる


Google DeepMindは2023年12月、文字・音声・画像を同時に処理することが可能なマルチモーダルAI「Gemini」をリリースしました。自然なやりとりができる高い性能を発揮していたGeminiですが、さらに特定のニーズに合わせてスプレッドシートを分析してグラフ化したり、AIをカスタマイズできる「Gems」という新機能をリリースしたりといったアップデートが、開発者向けイベントの「Google I/O」で発表されました。

Google Gemini update: Access to 1.5 Pro and new features
https://blog.google/products/gemini/google-gemini-update-may-2024/#personalize-gems



現地時間で2023年12月6日に正式リリースされたGeminiは、最上位モデルの「Gemini Ultra」、幅広いタスクに対応した「Gemini Pro」、主にスマートフォンなどに搭載される「Gemini Nano」の3種が発表されました。その後、Pixel 8 ProでGemini Nanoが動作可能になったり、GoogleのチャットAIである「Bard」がGeminiに名称変更したり、AppleがiPhone向けのAI機能を強化するべくGeminiを採用すると報道されたりと、急速に成長を見せています。

文字・音声・画像を同時に処理して人間以上に自然なやりとりができるGPT-4を超える性能のマルチモーダルAI「Gemini」がリリースされる


現地時間2024年5月14日に開催されたGoogle I/Oでは、「Gemini 1.5 Pro」のアップデートについて発表されました。アップデートの中には、Gemini 1.5 ProをAIチャット「Gemini Advanced」に導入することも含まれており、Gemini Advancedに将来追加される新機能として、「データ分析機能」が追加されることをGoogleは明らかにしました。

新しく追加されるデータ分析機能とは、スプレッドシートをアップロードするだけで、Geminiがデータを分析してグラフを作成し、より迅速に洞察を得ることができるというもの。Googleが公開したデモムービーでは、複数のスプレッドシートを読み込ませた上で「これらのシートを使って、収入と純利益率を視覚化して」とGeminiに入力しています。


すると、スプレッドシートの項目を判断した上で目的のデータをグラフ化してくれています。


また、Geminiをパーソナライズできる「Gems」という機能も発表されました。Googleは「ヨガを一緒に取り組むパートナーや、微積分の家庭教師が必要な場合でも、Geminiをカスタマイズできるようになります。カスタマイズしたGeminiは、何度もはじめのやり取りからする必要がなくなり、時間を節約できます」と説明しています。

Gemini Advancedのサブスクリプションに登録しているユーザーは、Gemに何をしてもらいたいのか、どのように反応してほしいのかを簡単に説明することで、セットアップが完了します。公式ページでは例として「あなたは私のランニングコーチです。毎日のランニングプランを教えてください。前向きで明るくやる気を引き出すやり取りをお願いします」と最初に入力するケースを挙げており、以降は「ランニングの話をしたい」と前置きする必要なく、ランニングコーチにカスタマイズ済みのGeminiとスムーズなやり取りが可能になるとのことです。

また、デモムービーでは「ひねりのあるショートミステリーを考えています。ベースとなるプロットはGoogle Driveに保存しています。プロットのフィードバックと、アイデア出しの協力をお願いします」と入力したところ、Gemini Advancedのデータ分析機能によるフィードバックと、アイデア出しに特化したAIとしてパーソナライズされたGeminiの回答結果を出力してくれる様子を示しています。


Gemの正式リリースは未定ですが、2024年5月15日時点で「今後数か月以内」とGoogleは発表しています。

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in ソフトウェア, Posted by log1e_dh

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