乗り物

世界初の「走行中にEVをワイヤレス充電できる高速道路」がまもなく誕生


電気自動車(EV)は航続距離や補給時間(給電時間)で、化石燃料を用いた車両に及びません。この点について「走行中に道路から充電する」という解決法が模索されており、アメリカでは世界初の「走行中にEVを充電可能な高速道路」がインディアナ州で誕生する見込みです。

Building the first highway segment in the U.S. that can charge electric vehicles big and small as they drive - Purdue University News
https://www.purdue.edu/newsroom/releases/2024/Q1/building-the-first-highway-segment-in-the-u.s-that-can-charge-electric-vehicles-big-and-small-as-they-drive.html


INDOT: Dynamic Wireless Power Transfer
https://www.in.gov/indot/emerging-mobility/dynamic-wireless-power-transfer/


EVに道路から充電するアイデアの実例としては、2018年にスウェーデンでテストされた「電気道路」の事例があります。これは、EV側に電車のパンタグラフのようなものを取り付けて、道路に埋め込まれた電極ラインに触れることで充電するというものでした。

走行中に給電できる「電気道路」をスウェーデンが公道で開発中、道路&既存自動車への導入コストも安価 - GIGAZINE


その後、イスラエルやスタンフォード大学などで、非接触式のワイヤレス充電技術の研究が進められてきました。

「走行中の電気自動車をワイヤレス充電する技術」がスタンフォード大学で開発中 - GIGAZINE


今回の取り組みは、インディアナ州の総合大学・パデュー大学とインディアナ州交通局によるものです。パデュー大学の研究者が設計したワイヤレス充電システムは、コンクリートの下に送信コイルを取り付けた特別なレーンを敷設し、車両の下に取り付けた受信コイルに電力を送るというもの。

プロジェクトは2018年から進められており、2022年、エジプトで開催された国連環境会議COP27に参加したインディアナ州のエリック・ホルコム知事が「パデュー大学のエンジニアや技術者のおかげで、我々は世界初のワイヤレス充電用高速道路の実験台を開発しています」と語っていました。

パデュー大学の研究チーム。左からジョン・ハドック氏、ナディア・グリッツァ氏、ディオニシオス・アリプランティス氏、スティーブ・ペカレク氏。

by Purdue University photo/Vincent Walter

2024年春から、インディアナ州北西部にあるウエスト・ラファイエットを走る高速道路52号線と231号線で、合計400メートルほどの区間に設置が行われ、大型トラックを用いたテストが行われることになっています。

順調にいけば、今後4年間で州間高速道路の一部の「電化」を行い、さらなるテストを行う予定だとのことです。

なお、この「電気道路」は人間には無害であることが証明されているほか、遮断センサーを含む安全技術が盛り込まれており、テスト中のみアクティブになるとのことです。

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in メモ,   ハードウェア,   乗り物, Posted by logc_nt

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